Pre-Z-19:レマイア・オラトリオ⑥
レマイア・オラトリオ
☆前回までのハコニワ☆
かんな「ゴーレム多くないですか?」
かむい「趣味じゃね?」
かんな「……たしかに」
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私たちは迷わず監獄内を進んでいきます。だって迷うべき道が他にないんですから。
数十秒おきに大きい部屋に突入するのですが……
「あっ、ゴーレムです!!」
私と声とともにかむいさんが指をパチンっと鳴らします。残るは残骸のみ。
「あれはエクシティマ・ゴーレムMk.3。初代の凶暴さを残しつつ、Mk.2の頑丈さを取り込もうとした結果、物理的には強くなったが結局初代と同じように一瞬で処理できてしまう悲しきゴーレム」
次の大きい部屋でも……
「あっ、ゴーレム──」
パンパン!!ドゴゴゴゴォォォオオオオ……
「あれはエクシティマ・ゴーレムMk.3Ver.2.0。指パッチンで壊れなくなったが、拍手2回で沈む悲しきゴーレム」
また次の部屋でも……
「あっ、ゴー──」
「──やーい、でくの坊!」
ドゴゴォォォオオオオ……
「あれはエクシティマ・ゴーレムMk.2リターンズ。ついに魔法にも強くなった開発当時最強とうたわれた歴代最高傑作。ただしありとあらゆるステータスが上がったのと引き換えにメンタルが弱く、ヤジひとつで沈む悲しきゴーレム」
さらにまた次の部屋でも……
「あっ──」
ドゴゴォォォオオオオ……
「あれはエクシティマ・ドゴゴォォォオオオオレム。何をしても壊されることに向きになった開発陣が、壊される前に自ら壊れさせるという新たな発想を取り入れた愉快なドゴゴォォォオオオオレム」
もはやゴーレムですらないじゃないですか。
そんなこんなで私たちはサクサクと監獄長のいる最上階へ。
鉄でできた黒く重たい扉。
二人でそれをゆっくりと空けると、一体どういうことでしょう。中には緑いっぱいの森ともいえる空間が広がっています。見渡す限り、木、木、木、木――。ところどころにリンゴのような形の金色の実がなっています。
かむいさんもこれは予想外のようで、さっきよりも慎重に足を進めていきます。
「……実一つ一つからとんでもない量の魔力が込められている。試しに一つ食べてみるか」
そう言いながらかむいさんが手を伸ばしたその瞬間──
「──ダーメ。これ全部僕のなんだから」
どこからともなくどこかおどけたピエロのような声が聞こえてきたんです。
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同刻。天界にて。
「あー、そろそろか?いや、まだかなあ……かむいだけじゃ全然だめだったからかんなも連れてってみたけど……そろそろあらわれてくれねえかなぁ……」
開いた古代文献のページをもう一度眺め、期待に胸を躍らす。
ページの見出しにはこう書いてある。
『トリルスティア──思い出すもの──』
「ちょっくら様子でも見てくるか」
ウキウキ気分で転移魔法陣をその場に広げ、飛び込むようにしてダイブした。




