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神様の箱庭  作者: ななる
16/20

Pre-Z-15:レマイア・オラトリオ②


レマイア・オラトリオ



☆前回までのハコニワ☆



かむい「前回って確か4ヶ月ま──」


かんな「お使い行ってきます!!」



──────────────────



 ゲートを抜けると目の前にあるのは巨大な壁。


高さ10メートルの壁にぐるりと囲まれた町、それがレマイアだと本で読んだことがあります。


入り口は一ヶ所のみ。まずはそれを探さないと……

とはいえ、見渡しても見渡しても頑丈な壁ばかり。


迷っていると近くを歩いていたおじさんに声をかけられました。


「やあ、嬢ちゃん。こんなところでどうしたんだい?」


シルクハットにサングラス、おまけに服の上から羽織っているのは白衣でしょうか。白衣には胸の辺りに『Re』とマークがあります。とても不思議な格好の人です。


「そんな身構えなくてもとって食おうって訳じゃねぇ。こんなところに誰かいるのが珍しくってさ、気になっただけさ」


不思議な格好だけど、悪い人じゃなさそうです。


「……実は、レマイアに入りたいのですが、入り口がわからなくって」


「入り口は真反対側だぜ?というか嬢ちゃん、何をしにレマイアに?……町の人間なら出入りは許されてねぇはずだし……外の人間だろ?」


え、真反対?恥ずかしい……


「ええと、糸コンニャクを買いに……お使いを頼まれまして……」


うう、やっぱり知らない人と話すのは難しいです……かむいさんがいてくれたらいいのに。


おじさんは目をパチクリさせて、何秒か私を見ていましたが、やがて、「あっはっは」とお腹を押さえて笑いだしました。



「糸コンニャクを!?そりゃあいい!たしかにあそこの糸コンニャクはルワーユに並ぶな。せいぜい頑張れよ!」


じゃあな、と言っておじさんは行ってしまいました。

“せいぜい頑張れよ”とは一体どういうことなのでしょう?


とりあえず私は入り口の方へ向かいました。


私がレマイアについて知っているのは四つだけ。

壁に囲まれていること、この世界で一番大きな監獄があること、糸コンニャクが美味しいこと、そして、とある信仰があること。


ええと、何の神様の信仰だっけ……忘れてしまいました。


それにしても……遠いです。もう一時間は歩いているのに全く景色が変わりません。町の大きさはフローラの2倍はあるんじゃないでしょうか?うう……このままじゃ半日かかっちゃいます。


ドゴンっ、と壁の内側から何か大きな音が聞こえました。

壁が揺れるほどの轟音。続けて、何度か同じような音が地を轟かせます。


一体中で何が起こっているのでしょう?

ちょっと中に入って確認しなくては……


円形の魔法陣を壁に広げて、空間ごと切り取り一時的に穴を開けます。よっと跨いで中に入って壁を越えたら、魔法陣を消して元通りっと……よし、かむいさんに習った通りに出来ました!…… ハッ!最初からこの手を使えばよかったです!


そんなことはさておき、周りを見渡してみると、そこは惨憺たる様子でした。


そこにあったであろう住宅街は瓦礫の山と変わり、残った壁に人々が身を隠す。

ところどころで上がる火花は遅れて轟音を風に乗せ、破壊の声をあげさせる。

耳に届く人の声は悲しみと怒りに飲み込まれ、まるでそれは獣のよう。


戦場でした。


軍服に身を包んだ人たちと、おそらく市民が戦っています。


「え、え……あ、……」


何ですか、これは。私、こんなの、知りません。


逃げ遅れてしまったのでしょう、小さな子供は目の前の血まみれの母の前で泣き叫び、その横をすれすれで銃弾が飛び交って行く。


無造作に転がった死体を盾にしながら申し訳程度の軽装で特攻していく若い男性は、ようやく軍服一人に手をかけるのも近くの三人に囲まれ穴だらけにされる。


轟音とともに飛び交う砲弾はそこにあった形を無へと変換させる。


私、私は……!


「── 何ぼさっとしてるんだ、死ぬぞ」


不意に手をとられ、強い力で引っ張られました。

聞き覚えのある声。力に抗うことなく引き寄せられて、初めて視界に入ってきたその人は、見覚えのある白い髪をしていました。


「かむいさん!」


「……とりあえず話は後だ。まずは向こうで身を隠すぞ」

こんにちは。ななるです。


大変長らく放置してました、ごめんなさいです。

ちょくちょく更新してゆきます。


次回があれば、またお会いしましょう!

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