Pre-z-14:レマイア・オラトリオ①
レマイア・オラトリオ
☆前回までのハコニワ☆
かんな「お久し振りです!」
かむい「………年が開けた気がする」
お黙り下さい、かむいさん。
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………引っ越し先での挨拶というのはおそらくどの世界でもある程度共通の文化だと思う。もちろん、この世界にもある。挨拶と共に隣人にある贈り物をするのだ………
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「Yes!糸コンニャクっ!」
わあっ、びっくりした………Aさんが急に声をあげて立ち上がりました。今日のAさんは全身水色コーデ。髪の毛もサングラスも水色です。気持ちわry………
「なぜ糸コンニャクを贈るのかって?そんなことはどうでもいい!糸コンニャクは贈り物になるだけではない。糸コンニャクはこの世界で13ある街の全てにおいて日常的に食べる家庭も多く、安価で調理しやすい………しかぁしっ!」
どうしたのでしょう、Aさん。熱でもあるのでしょうか………いや、熱、あります。熱をもって何かを熱く語っています!
「我が家には今、糸コンニャクはない………そして俺はとっても糸コンニャクを食べたい………どうするべきだと思う、かんな?」
「え!?」
そんなこと急に言われましても………目でかむいさんを探しますが、いません。
「えっと………こんにゃくいもをつくる?」
「ちがーう!そうだけどちがぁーう!俺は今食べたいんだ!出来るだけ、早く、楽に!」
「じゃあ………買う?」
「そう!イグザクトリー!大正解!といっても買うのはこんにゃくいもじゃない、糸コンニャクだ。──ということで、これからお前には“レマイア”におつかいに行ってもらう!」
「ええ!?」
なんとなく、嵌められた気がします。
「えっと………私一人で、ですか?」
「そうだ。かむいはどこに行ったのか見あたらないからな」
もしかしてかむいさん、こうなることを予感して先に逃げたんじゃ………?
「さあ、準備しろ!出来るだけ早くな!」
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「──いいか、かんな。レマイアはフローラの東にある街だ。ルワーユとあわせて糸コンニャクの二大派と呼ばれている、糸コンの聖地だ。行きは俺がゲートを開けるが、帰りはこの前教えた方法で帰ってくるように。わかったか?」
「はい、大丈夫です」
「よし、行け!!」
Aさんの高らかな掛け声と共に空間にヒビが入り穴が開きました。ぐるぐると物欲しそうに畝っています。
真っ直ぐに、迷わず、しっかりと前を見据えて──いざ、レマイアへ!!
こんにちは。ななるです。
………はい。大変お待たせしました、申し訳ありません。
ここからまた、ハコニワ再開となります!章題『レマイア・オラトリオ』、君がためよりも長くなる予定です!
次回がありましたら、またお会いしましょう!