Pre-Z-12:君がための青い目の剣士(11)
君がための青い目の剣士
☆前回までのハコニワ☆
終戦。
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「おい……大丈…………?」
──あれ、……ここ、
「かむ…………て…………!」
──俺は一体……?目が霞んでよく見えないな。
「お!起きたみたいだぞ」
ゆっくりと光が形を成した。
「かむいさん!」
「ぐぇっ」
かんなが抱きついてきた。脇腹辺りが鈍く痛む。
「もう私、がむいざん、いなぐなっぢゃんどももっでぇえ……」
「お、おいおい……いきなり泣き出すなよ!」
ここはどこだろう。
薄暗くて、なんか……ボロい。ベッドも固いし。
すぐ近くに青い瞳の男が立っていた。
「もう大丈夫か?ここはどこだって顔してるな。──ここは俺の家。フローラの西の森の中にある。そして俺はバージ、バージ・フローラだ。“B”て呼んでくれ」
「町に馴染めない社会不適合者でーす!」
「先生っ!」
そうバージが怒鳴った先にいたのはAだった。
やばっ……叱られる……!
「おいおいどうした?そんな顔しちゃってよお?」
Aがだんだん近づいてきた。
目をギュッと閉じて次の言葉に身構える。
Aは俺の頭にポンッと手を乗っけてこう言った。
「よく頑張ったな」
「え?」
びっくりしてAの顔を覗くととても優しい目をしていた。
「ああ、頑張った──勝手に師匠の金を持ち出して使ったあげく失敗して魔法が使えないまま戦ってボロボロになっちまったけど、本当によく頑張ったなあ!はははっ!」
ううう……返す言葉もない。
「しかしまぁ、頑張ったのは事実だな。何だってあの“血塗り月”相手にあそこまでやるとはな」
「ぶら……え?」
「おう!あのナイフの名前。本当は俺がもっと早くに向かうはずだったんだけど道に迷ってさ」
とバージ。
ん?向かうはずだった?
「待ってくれ!何の話をしているんだよ?ちゃんと説明を……」
Aとバージが顔を見合わせた後、Aが苦笑して話し出した。
「なんだよお前、俺たちのこと覗いてたんじゃなかったのか?」
こんにちは。ななるです。
次回からAとバージのパートです。
投稿遅くなりました、ごめんなさい……
秋だから……なんて言いたい……言えない……
次回があれば、またお会いしましょう!
(今までで一番上の言葉が不吉に聞こえる)