模擬戦後
あけおめです、今年も水曜日朝6時更新、毎週欠かさずにやってきますよー!
『―――ん・・・』
誰かの声が聞こえる・・・
『サ―――さん・・・』
ちょっとうるさいかな、寝たいから少し声を抑えてほしいんだけど・・・
『サロ―――アさん・・・』
・・・これは僕を呼んでるのかな?ごめんね、今凄く眠いんだ、あと5分―――
「サローディアさんっ!」
「―――っは!?リッカさん!?」
僕はリッカさんの声で目を覚ました。
僕は孤児院のベットで寝かされていた。
「サロお姉ちゃんごめんなさい!生きてて良かった・・・!」
「大丈夫ですか?体は痛くありませんか?」
「は、はい、大丈夫です。ごめんなさい、手間をかけさせてしまって・・・。」
泣きながら謝ってきたリリィちゃんを落ち着かせる為にポンポンと背中を叩く。
リッカさんと話しながら何があったのか思い出した。そうだ、確かリリィちゃんの風魔法で切り刻まれたんだっけ。
「・・・僕はどのくらい寝てましたか?」
「え?えー・・・と、3時間と少しくらいです。」
「そっか・・・あー負けちゃったかぁ、最後絶対とったと思ったんだけどなぁ。」
「あれはリリィちゃんの反則負けですよ、斬裂系風魔法なんてまともに食らって、生きてるのが不思議なくらいなんですから。」
「そんなにひどかったんですか?」
「・・・聞きたいですか?」
「あ、やっぱりいいです。」
切り刻まれた人の様子とか聞きたくない。
「リリィちゃん、今回はあなたの治癒魔法で助かったので特別にお仕置きはナシにします。でも、次やったらちゃんと罰を受けてもらいますからね。」
「ぐす、はい・・・。」
リリィちゃん、治癒魔法まで使えたのか。そう言えば体に傷跡ひとつない、服は風魔法で破れてるけど・・・。
・・・治癒魔法?確かに傷を癒すならそうだけど、でもあの時のあの感覚は―――
「あ、サローディアさん、これを。」
「え?」
リッカさんが取りだしたのは依頼書だった。依頼達成の欄にリッカさんのサインが書いてある。
「・・・いいんですか?」
「はい、今日1日でたくさん仕事をしていただきましたし、子供たちも楽しそうでしたしね。それに、今日はもうゆっくりしてほしいので。」
「ではお言葉に甘えて、ありがとうございました。」
僕はベットから起きあがり、依頼書を受け取る。そして部屋から出ていこうとした時―――
「ねぇ!」
後からリリィちゃんに声をかけられた。
「・・・また、来てくれる?」
リリィちゃんは少し俯きながら聞いてきた。
―――きっとお兄ちゃんならこういうかな。
「・・・うん、また来るよ。依頼じゃなくて、遊びにね!」
それを聞いたリリィちゃんは僕に駆け寄ってきてひしっと抱きついた、僕はリリィちゃんが自分から離れるまでポンポンと頭を撫でた。
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次回【治癒魔法と蘇生魔法】2017/01/11 朝6時更新