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トラストルノ  作者: なさぎしょう
輪舞曲
54/296

タレコミ3


「それでは、明日の正午にA棟側裏門に来てくれたまえ。」




アレイも名影も、真城と伏でさえも全く納得はできていない。しかしSOUP本部からの要請とあっては芦屋校長に抗議したところで意味などないに等しい。さらに断った場合にどのような対処をされるかも分からない。

4人も校長さえも、若干の八方塞がり感に腹立たしさは覚えたが、結局明日の集合時間場所の確認をして解散になった。




「急に明日なんて急過ぎるよな。」


名影の部屋に戻った真城は、さっそく荷物の準備をはじめる部屋の主に声を掛ける。


「さすがにちょっとね…せめて1週間くらい余裕が欲しいところだわ。」


「なぁ、ちなみに、なんだけどさ…」


真城が考えつつ呟く。


「今回のことって、他のクラスメイトには言ったらまずいのかな?芦屋とかさ。」


「駄目だって決まってるわけじゃないだろうけど、言わない方がいいと思う。特に芦屋とか。」


名影も少し手を止めて思案してから呟く。


「なんで?」


「だって着いてくとか言われたら困るじゃない。SOUPは4人以外はご所望でないようだし、こんな危険なものにこれ以上人を参加させたらSクラスは無くなっちまうもの。」


なるほど、確かに。

真城はふーんと天井を見上げながらベッドに倒れ込み、脚をプラつかせる。

名影も作業の手を止めると、真城の横に腰掛ける。


「今回のってマジでやばい?」


真城の問いに、名影はふっと息をついてから少し可笑しそうに


「マジでやばい。」


と返す。

"やばい"なんてアバウトな言葉で今回のことをまとめてしまう辺りがさすがだ。

緊張感がないわけではないが、真城といると、これだけ平生(へいぜい)から乖離した状況に置かれているのに、なんとなく落ち着いた日常の平穏な只中(ただなか)にいるような気持ちになる。


「タレコミ…って誰がしたんだろーな。」


「さぁ、トランプ側に裏切り者でも出たんじゃないかしら。」


それが1番考えられる。


「じゃなきゃどこかのルートから情報を抜き取った、もしくは聞き取ったりしたのかもね。」

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