遊戯的な現実
北地区タンベル郊外。
「ちょっと‼︎しっかりしてよ‼︎うまいこと運んでかなきゃならないんだからさ‼︎」
少女、1人。
「こんな装飾品もないような死体、本当に売れるの?」
少年、1人。
「あったりまえじゃない‼︎だって、あのルイさんが言ってるのよ?」
と、また別の少女。
「でもルイさんは、あんなに死体を集めてどうするのかしら……」
「兵隊さんを作るんですって‼︎」
「えぇっ⁉︎ぞ…ゾンビの?」
「さぁ?でも、なんにしたって、きっとすっごいことなのよ‼︎間違いないわ‼︎だって、ルイさんはあのPEPEの元主席ですもの‼︎」
「でも、なるべく綺麗な死体がいいって言ってらっしゃったでしょう?これなんかもうダメじゃない?」
「違うの‼︎これはSOUPの高官なんですって‼︎」
カラカラと進む荷車の上の麻袋。
「ねぇ、まだ次の回収場所に着かないの?」
「うるさいわね。もうすぐよ。」
「南地区のカンパニーで大物が取れたって本当かしら?」
「えぇ、武装集団の顔役でしょう?」
「その人もゾンビになっちゃうの⁉︎」
「あなた、どうしたってそんなビクビク怯えているの?男のくせに。ゾンビになんかなりゃしないわ。きっと…きっと、生き返らせるのよ‼︎そうよ‼︎」
「ところで、エノーラの呪いの吐息……って何かな?SURVIVEっていうゲームに出てきたんだけど…」
「またゲームをやっているの?」
「このゲームすっごいリアルなんだよ。この間"騎士"が戻ってきたのだけれど…ルイさんにそっくりなの‼︎それで"切り裂き魔"はなんでか出なくなっちゃって……でね、エノーラっていう新キャラが出てきて…」
「ゲーム、ゲーム、ゲーム…‼︎もう‼︎バーチャルなんかじゃなくって、現実をご覧なさいよ!」
1人の少女はヒステリック気味に言い放つ。
「分かってるわ……でも…これってなんだかすごくリアルなのよね……
あら?"ゼロの魔女"っ出てきたわ。
新しいキャラかしら…?」