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トラストルノ  作者: なさぎしょう
序章
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特別な生徒2


次席は今日も全身で「講義がつまらないです」アピールしている。あの人もよくあんな態度で次席の座にいられるものだ。…正直、コネではないか、と去年の春頃までは思っていた。しかし、Sクラスにあがってからの1年間で、芦屋聖という人間の実力を嫌という程目の当たりにして、その考えはあらたまった。

が、それでもあの態度はどうなんだろう。

さすが幹部御子息ってか。

芦屋といえば代々PEPEの組織幹部常連の金持ちだしな。


真城(ましろ)さん、すみません…」


左隣から女子生徒が声を掛けてきた。折りたたんだメモを下手に振っている。Sクラス名物の「激難クイズしりとり」である。

毎講義中にこのメモが回ってくる。その中にはとてつもなく難しいクイズが書かれていて、まずそれに答える。そうしたら今度はその答えの最後の文字としりとりになるように、新しい問題を書いていくのだ。そしてその問題を次に回すやつが解く。

延々この繰り返し。でもこれが予想以上に難しい。1年間このメモ回しに参加してきたが、いまだに他のやつから答えが違う。答えとしりとりになってないのでは、と指摘される。


隣のシヨン・マチルダが回してきた問題もなかなかえげつない…テンポよく次に回せない。

(くっそ…難しすぎる…)




私は隣の席の男がどうも苦手だ。まず真城潤(ましろじゅん)にはSクラス相応の学力も知識も無い。

突然昨年の春頃に"首席推薦"でSクラスに入ってきたのだが、いまだにどうして首席がこいつをこのクラスに入れたのかがわからない。


「変わった名前だな」


だなんて急に言ってくること自体不躾な気がしてならないし、なにより家柄も含めて素性の知れないところが不気味で嫌なのだ。

もしかしたらどこかのカンパニーが送り込んできたスパイかなにかではないかと疑ってしまう。首席の目は信じているが、こいつだけは無条件には信じられない…



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