迷宮(ダンジョン)
バス…を始めて見た。
しかしとにかくそんなのはどうでもいい。ここはどこだ?
「アズの記憶力を持っても攻略出来ない…なんつー迷宮…」
「ふざけてないでいいから東口とかいうの探してよ。」
今アズ達のいるのは"新宿駅"とやらなのは分かる。が、その駅内のどこにいるのかが分からない。トラストルノにも電車の類は確か通っていたし、まぁ大きめの駅とかもあったような気はするが、しかしこんなに馬鹿でかくなかった。
さっきから同じ場所をぐるぐるしてる気がする。
「大体、出口多過ぎねぇ?」
「それぞれバス停に通じてたり、大きな建物の側に出られるらしい。炎天下や大雨の中を歩かなくていいように、という配慮でしょう。」
さっぱりわからん。
その配慮のせいでこっちは迷子だ。
すると突然、エノラがシロの服の裾を掴み引っ張りだした。
「ちょっ…今は寄り道してる場合じゃ…」
「ちがう…あっち‼︎あっち‼︎」
どうやらエノラはエノラなりに東口だと思う方へ2人を案内しようとしているらしい。
が、今日までずっと真っ白な部屋に閉じ込められていたんだぞ?そんな子供の方向感覚をアテにしろと?
「いや、もうここまで来たら藁にもすがる思いだな。」
2人はエノラにおとなしくついていくことにした。