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トラストルノ  作者: なさぎしょう
盤上駒
174/296

研究島 旧日本2


地下鉄。トラストルノではなかなかお目にかかれない珍しい代物。


問題は地下鉄(それ)が旧日本内は縦横無尽に走っていて、慣れないアズ達にはどれに乗ればいいのか分からないことだった。




なんとか近くにあった服屋で適当な服を見繕い、エノラには例の特殊シートの上から簡単な羽織物と目立つ白髪を隠すための帽子を与える。

2人も防護服やら研究所の制服はとっとと捨てて、着替えた。


トラストルノで旧日本(・・・)と呼ばれるこの研究島(けんきゅうとう)は、しかし研究者では無い一般市民も住んでおり、しかも彼等の誰1人として、そこが研究島だとか、地下空間に広大な施設があることを知らないらしかった。

しかも住む人々はトラストルノについてもあまりよく知らず、旧時代のある意味平和な生活を営んでいる。


「旧…じゃなくて、普通に"日本(ヤーパン)"として成り立ってんじゃん。」


アズは驚いてつぶやく。






「しかし、やはり人口はトラストルノより圧倒的に少ないな。都市部にほとんど人が集中している、と聞いたが関東(カントー)ですらこんなに人が少ないとは…」


「んなことはどうでもいいわよ。どこで待ち合わせだっつったけ?シンジュク?どこよ。」


落ち合う予定の人物が指定してきた待ち合わせ場所は"新宿"。漢字を勉強しておいて良かった。


「めちゃくちゃいっぱい線が通ってるわね…ここから1番近い線で行くとなると…これか。でも見つからずに行けんのかしら、これ。」


「キッツイだろうが、うまく行くしかないな。」






乗り換え1回。海を見たり、ビルを見たり、途中人の降りなそうなそこそこ古めの駅を見たり…エノラは楽しそうに窓の外を見ている。


が、アズとシロは殺気立って景色どころではない。


注目の的…という程ではないが、若干周りの人から怪訝な目で見られている。

というのも、シロにしろ、アズにしろ、目つきがこわいのだ。2人ともTITUS(タイタス)の連中が居はしないか、と辺りを見る余り、ガンを飛ばしているかのようになっている。


「おい、そういえば金はどうなってる?」


「普通に通貨は円よ。それなりに持ってるからとりあえず数日はやっていける。」


「そうか…」




いくら綿密な計画を練ったからといって、不安は払拭できない。2人は何か起こりはしないかと気が気ではなかった。


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