表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラストルノ  作者: なさぎしょう
遊戯場
125/296

コンテナ戦地 4


オレンジ野郎のせいで、コンテナに打ち付けた背中が妙に張っている感じがする。もしかしたら"痛く"なっているのかもしれない。

俺じゃなかったら痛みで悶絶してたかもしれないぞ、このチャラ男が。


「ってか何1人で行動してんだよ‼︎」


「それが俺の役目だからっす…けどそれより、あの真っ黒女やべぇ‼︎」


やべぇのは知ってるよ‼︎


「もう俺、逃げの一手しかなくって‼︎…あれ?愛生(あき)なんでここにいんの?闘わねぇの?」


「いや、指示されてないから…」


吹っ飛ばされた真城と和田を案じて、アレイ、芦屋、蒼井が駆け付けその場から全員で黒スーツの少女を見上げる。




全員でかかったとして…ジャックも回復している。しかも和田が吹っ飛ばされてきたということはスナイパーもまだどこかにいる可能性が高い。下手に動けば全員まとめて殺られかねない…



芦屋はいつになく慎重だった。自分以外の命の責任まで背負わされたようで、重くて判断ができない。


「なぁ芦屋次席、なんで愛生を前線にださねぇの?」


「なに?」


「愛生は前線でこそ役に立つぜ?」


そんな情報、名影からの資料には無かった。ただどれだけ強い相手であっても、仮に真城ですら手も足も出ないような状況であっても、彼なら余裕だ。最終兵器だ。

とだけ書かれていた。


「前線の方が…そういうのは先に言えよ‼︎」


どうする?名影ならどうした?

今はどんな事であれ、相手に勝てる確証…いやそこまででなくてもいいから、起死回生の一手が欲しい。



「なぁ…蒼井…さん、アレ倒せそうか?」


「え、その原理でいくなら俺も年上だから先輩とかなんか敬称つけ…」

「いいよ。出来るよ。」


和田の余計なつっこみを遮るようにして蒼井が言う。なんの迷いもない、自信に満ちたような声。


「どうすればいい?殺す?」


「いや動けないようにしてくれれば…」


「わかった。じゃあまずは脚だね。」






いや、まさかあんなにも化物じみた奴だとは思わなかったんだ…


もっと人間的な強さかと思っていた。


余裕、とか自信、なんてのは始めっからあってないようなもので。彼の中には自信も恐怖も等しく、存在していないようなもの…






ガッ…ダッガァーーーーーン‼︎


蒼井がありえないほどの跳躍と力をもって、死神少女の頭の辺りを掴みねじふせようとした。ただそれだけで、コンテナが2つ、変形し、少し動く。


「な…なんだあれ。」


「おいおい…なんだ、化物飼いならしすぎだろうが…」


芦屋も、ジャックも、敵も味方もなく全員が、目を見張った。


「和田…あれなんだ。」


「あれ?首席から聞いてませんか?"分類"の項に書いてありませんでした?」


分類?その項はみんな"ヒト"だろ?



「愛生は………アンディーですよ。」





蒼井愛生(あおいあき)、PEPE初の学生(スチュー)"人間もどき(アンドロイド)"。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ