HALLO
学校が好きだなんて正気の沙汰じゃない。
学校楽しいー!などとほざく奴らは、きっと学校に洗脳されてるに違いない。
そんな事を考えながら結は、一人屋上で弁当を食べていた。
結は屋上が気に入っていた。
ラノベっぽいし。昨日読んだラノベも屋上で弁当を食べていた。
…まぁ、彼らは友人とだが。
「はぁ~あ~」
食べかけの弁当をほっぽり出してゴロンと寝転ぶ。
透き通る様な秋の空が視界いっぱいに広がる。
思わず結は手を宙に伸ばし、手から水球を出した。
プカプカと浮かぶ水球は、太陽の光を反射させ、キラキラと光っている。
暫く眺めていると、不意に足音が聞こえた。
「…やっば」
水球を消し、即座に飛び起きる。
「…やはり魔法使いか」
声の主は、若い短髪の青年だった。
神父服に身を包んでいる様は、学校では少々場違いだ。
「誰…?」
「魔法使いに名乗る名など無い」
そう言うと神父っぽい青年は、懐から短剣を取り出した。
「(やっば…こいつ、サイコ野郎じゃん…)」
「死ね!」
神父っぽい青年は短剣を構えて、こちらに向かって走り出した。
思わず結は、強く目をつぶった。
「(…………………あれ?)」
何も来ない。
恐る恐る目を開けると、そこには、
「おいおい…魔女狩りとかまだやってるワケ?
いい加減にしろよー」
どこから現れたのか、スーツ姿の男が神父っぽい男の腕を掴んでいた。
余程握る力が強いのか、神父っぽい男は必死に振り解こうとする。
スーツの男は苦笑すると、腕を離した。
神父っぽい男は、バックステップして、距離を取った。
「貴様…何者だ? 我々、教会の邪魔をしないでもらおうか」
「ツレないこと言うなよー。俺はお前らが大好きな悪魔だよ」
「…んなっ!?」
「俺の名前は、ベルフェゴールだ。ベルって呼んでいいぜ?」
なんかよく分からない状況の中、結はただボーッと空を見ていた。
訳の分からない連中がワラワラ出てきて、結の脳はキャパオーバーだった。
…誰か、この状況どうにかしてくんないかな?