護朗の日常04
ご来訪頂き誠に有難う御座います。
一部の方々に好評頂いている、護朗。
こんなに可愛い~!!!と言って頂けて嬉しいのですが、管理人は疑問があります。
熊のぬいぐるみ(90~120cm)が動くのはいいのですが、無表情で可愛い声でコスプレって。
怖くないですか?
私が一緒に居たら常に疑問に捕らわれると思います。
盗聴器、暗視カメラ、S&W92FSブラックに似たライター、AK47(米軍用ライフル。とても頑丈。)、その他色々。
変なものからかなり!物騒な物まで持っているスーパーロボット。
冷静に考えたら結構怖いです。しかも思考は常に
「ご主人様(譲)第一!!!」
で暴走気味。
・・・・・・・・・・・・・・可愛くない。
と思うのは管理人だけなのでしょうか。可愛いのは声だけ。
それでも作ったのは私自身ですので可愛い事に変わりはありません。
単純に管理人の楽しみだけで書いている護朗ですが宜しければお読み下さい。
そんな護朗が工藤に向かって呟いた。
(ちなみに突発的な訪問なので譲は外出中。ただいま留守番として部屋には護朗がいるのみ。)
「本当は僕、テディ・ベアから変更される予定だったんです。」
それはそうだろう。元はただのテディ・ベアだったとしても今は外皮だけ。
形が整ってさえいればなんでも良いのだから。
「ほぉ。何の予定だったんだ?」
「色々あったんですけど、まずはクラシックドール。」
つまりはビスクドール。
「これはあまりに“しゅーる”だっていうので却下だったんです。」
「まあ、確かにマーダー&ガード専用のドールというのはシュールだな。」
「はい。で、次はパンダ。」
工藤はパンダを頭に思い浮かべる。
「いいんじゃないのか?パンダ。」
「でもパンダってお腹すいたら肉食へと様変わり(?)するじゃないですか。だから“しゅーる”の上に“ほらー”だって博士が。それにパンダは可愛くないと言っていました。」
恐らく博士はぬいぐるみのパンダでは無く“りある”なパンダを想像していたと思います、と付け加えると工藤は沈黙する。
「・・・そうか。それは確かに怖いな。」
パンダというのは実物でみると意外と可愛くないのだ。
「で次は狸の置物。」
「・・・・・・・・・・・・・・それこそ一番動かないのでは?」
「はい。それで却下で、次はフィギアだったんですけど、色々詰め込めないという事で却下。」
(色々って何だろう。)
「後は特別製樹脂の予定だったんですけど、やっぱりぬいぐるみなら見た目はふわふわの方がいいだろうって。」
「あ、ああ、まあ、そうだろうな。」
常に冷静な工藤も押され気味である。
お茶を飲みながら穏やかな声で言う護朗を見ながら工藤は思った。
(ロボットなのにお茶が飲めるんだな。)
「あ、すみません、僕まだ今日の分の家事が終わっていないのでちょっと失礼してもいいですか?」
「ああ、引き止めて悪かったな。」
「いえ、僕の誕生の切欠を作ってくださった工藤さんですから。」
笑顔で護朗は言いつつ風呂掃除~!と若干音の外れた調子で歌いながら去っていく。
「風呂、掃除できるんだな。」
出来ないと聞いていたのだが出来るようになったのだろう。
「水に濡れても大丈夫、食事も出来る、戦う事も出来るとは・・・完璧だな。」
完璧であるのだが抜けた思考回路のせいか可愛らしく見えなくも・・・・・・・・・・・・・・・・・無いかもしれない。
無理やりそう考えた工藤は頷く。
ひとりのつもりだったのだが、横から声がしたので振り向くと護朗が再びソファーに座る。 「何か忘れ物か?」
「いえ、掃除が終わったので。」
一体何秒で終わらせたのだろうか。
時計を見ると30秒程しか経過していない・・・筈。
その筈である。
護朗を見るとまるで一仕事終えた専業主婦の様にふぅ、と息を吐いて残っていたカップのお茶を飲んでいた。
「お風呂掃除って意外と重労働ですよね~。」
笑顔の様な声に工藤は頷くしかない。
「そ、そうか・・・ケーキ食べるか?」
差し出したのはチョコレートケーキ。
「あ、有難う御座います!」
嬉しそうな声で和みオーラ(人工)を出しながらケーキを食べる護朗を見ながら工藤は呟いた。
「意外と俺も常識人だったんだな。」
目頭に手を遣り自嘲する工藤に護朗は首を傾げたが目の前のケーキの美味しさに夢中になっていたので気にせず食べ続けた。
工藤は目の前の摩訶不思議な存在に頭痛を感じ始めていたのだが、それは顔に出さずに一応引き攣りつつも笑みを浮かべる。
「それで・・・・・・・・・・・・・その、今日の格好は誰から勧められたのだ?」
「佐々木さんですっ!」
懸命にケーキを食べながら可愛らしい声で言う護朗の本日の格好は。
小坊主。
しかもきちんと鬘まで着用しているのだが。
とてもとてもとても似合っていた。
が、工藤は拳を握りしめながら心の中で思う。
(今度会ったら顔面を殴ろう。)
そんな事を目の前の人が考えているとは露とも思わない護朗は嬉々としてケーキを食べ続けていた。
ちょっと着せてみたかった小坊主。