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護朗の日常03

 譲と宇治と工藤は工藤個人に与えられている部屋で真剣な顔をして膝を合わせていた。


 あまりに真剣な表情の為他の下っ端達は部屋の近くにも寄れない程である。


 そして、そんな風に真剣になる話題は。


「実は、ある程度注文は出したのですがそれ以外は私も知らないのです。」


「・・・ではあのチャックの中身はご存じないのですか。」


「僕・・・前に聞いたときはティーセット一式(正式なアフタヌーンティーが出来るもので緑茶と紅茶用がある)と湯沸かし器と太陽電池とライター(S&W92FSブラックタイプ)と盗聴器、カメラ、ビデオカメラ、予備のレインコート、迷子札が内蔵(?)されていると聞いたのですが・・・。」


「それは誰からですか?」


「護朗からです。」


 考え込む3人。


「でも思うのですけど、動くという事はロボットですよね?そんなに物が入るのでしょうか。」


「自分は、護朗なら何でもありだと思ってしまうのですが。」


「それだとまるで某アニメの何でも入るポケットでも持っているみたいになるではありませんか。・・・有得ない。」


「工藤幹部、それを言うなら護朗の存在自体が有得ません。現代の科学技術超えていますから。」


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」


 お茶が冷えるのも気付かない程3人は考えていた。


「あ。」


「どうしたのですか?」


「そういえば佐々木幹部が護朗のコスプレ服を揃えているのですよね。」


「ああ。」


「だったら身長が伸び縮みしたら連絡している筈なので護朗から連絡している筈。ついでに着替える際見ていると思うので護朗の全貌を知っているかもしれません。」


「それは、そうかもしれないが、知らない可能性も高いだろう。」


「工藤さん。」


 譲が手を上げる。


「はい、譲さん。」


「護朗を作った博士に聞くわけにはいかないのですか?」


 すると工藤は僅かに顔を曇らせた。


「それは・・・申し訳ないのですが、一月当たりの一定額を決めた時に注文した内蔵道具以外の事は聞かないという約束をしたのです。好き勝手に弄って良い代わりにと引き受けさせたものですから。その博士、天才と呼ぶに相応しい能力の持ち主らしいのですがかなりの変人でして。」


 護朗の事も頷いてくれるまで苦労したのです、と工藤にしては珍しく疲れた表情を見せる。


「そうですか。では博士に聞くのは無理ですね。」


「そうなのです。」


 だが、人は隠されれば見たくなるという因果な生き物。


「気になりますね。」


「はい。」


 宇治は傍らで頷かないものの内心は同じである。


「ちなみに工藤さんは何を注文したのですか?」


「盗聴器、暗視カメラ、探索器、カメラと後は少々の武器を内蔵するように注文しています。」


「その、少々の武器というのがどれ位のものなのか疑問ですね。」


「ああ、そうなんだ。」


「僕はそれより買い物をしたものは大体お腹のチャックに仕舞うのでそんなスペースが何処にあるのかというのが・・・。」


 考え込む3人だったが、彼らは基本的に現代科学の可能性の中で考えていた。


 




「お前を現代科学などの枠で考えてはいけないのにねぇ。」


 譲に付いている盗聴器からこの会話を聞いていた博士は笑う。


「僕ってそんなに秘密が多いのでしょうか。」


 お茶を啜りながら護朗がぼやく。


「秘密と言うほどのものはないよ。今の所はね。」


 博士もお茶を啜る。


「ところで博士。新しい内蔵品は何ですか?」


「ん?今日入れたものかな?」


「はい。」


 お茶請けの煎餅を食べながら護朗は頷く。


「別に特に驚く様なものは入れていないよ。尻尾を引っ張ったらDVDが入れられる様にしただけだから。」


 ちなみにDVDを入れるのはやはりというか腹部。


「光は目から出るようになっているから何処でも映像が見れるという優れものだ。」


「それってもしかして!」


「ああ、いずれ目からビームが出る様にするからな。」


 自慢げに笑う博士に護朗は尊敬に満ちた眼差しを送る。


「凄いです!僕も早くビームが出せるようになりたい!」


「そうだろう、そうだろう。はっはっはっはっはっ。」


「はーはっはっはっはっはっ。」


 一緒に笑う護朗の本日のコスプレは。




 アク○ョン仮面。




 物凄く悪戯な幼児が悪戯をして周りにストレスを与えるという(一応)お子様番組の一登場人物である。


 その主人公である悪ガ・・・失礼、悪戯な幼児が大好きな番組のヒーローがアク○ョン仮面というのだ。


 ちなみにアメリカでは年齢制限付きの番組になっている。


 


 そんなコスプレをしている護朗であったが妙に似合っていない。


 にも関わらずご機嫌なのは譲が見たら驚いてくれるだろうと思っているからであった。




「わーはっはっはっはっはっ。」(アクシ○ン仮面の真似)


「護朗、次は紅の○のポ○コ・ロッソの格好でもするといい。意外と似合うと思うぞ。」


「はいっ。」


 常識というものが欠如している護朗と博士は機嫌よく笑い続けていた。




   

 博士は意外とジブリ好き。

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