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2話

「うぅええええええ!!!!!!!!まま!ま!ま!ま…」


「うむ。いちいち言うでない。間違いなく妾は魔王ニルバーナじゃ」



妾は結局バルビアから出れんかった。だって出ようとした時には月も登りかけておった



街をでたら野宿じゃった

城を出るからには野宿でも構わんが初日からはかなわん



魔王城にも戻る気はないしな。なんなら誰かがやってもかまわん



正直政治にはうんざりじゃ。



妾は正座をしながら固まっているドミニクを見下ろしながらベッドに寝転がる



こやつの呼び名が解らんかったからわざわざ聞いてやった



男なら自分で名乗れるようになれ



今妾達は店の居住区(二階)におる



きったない部屋じゃが仕方がない




「…わかりました。貴方が魔王ニルバーナ様と言うのは理解しました。でもなんで僕なんですか?」



「だからの。妾の運命の相手に会う為か会ってからか知らんが聖銀の指輪が必要なのじゃ。お主ならそれくらい造れるじゃろ?」



「まぁ、造れますけど」



やはりの。しかも簡単に言うくらいじゃ。多少の注文も聞いてくれるじゃろ




「運命の相手は国境の街に居るらしい。お主も稼ぎたいと言っておったろ?だから道連れにしてやろうと思っての。」



「稼ぐったって…」


ここの売り物も露店で売れば足しにはなるじゃろ



それにあてが無いわけでもない



「うむ、それなのじゃがな…」



せっかくの自由なんじゃ



「冒険者になろうと思っておる」



「なるほど…ま―」

―バキッ



「ったぁ!なんで殴るんですかぁ。あぁ鼻血!口も切れてる」



「妾の事は魔王と呼ぶでない。今からはニーナ・エヴァーグリーン。妾はニーナじゃ」



妾は回復魔法をドミニクにかけてやる



指に癒しの光を灯し鼻とくちびるに触れてやった


「あ、ありがとうございます」



赤くなるな。お主は妾の趣味ではない






「当座の旅費は妾がだすので心配はない。お主は持って行ける物だけ持っていくが良い」



「わかりました…ってならないですよ。街からでたら魔物だらけじゃないですか」



「馬鹿者!妾を誰と思っておる魔王ニルバーナじゃぞ!魔物が束になろうと負けるなどあり得ん」



「それは魔お…」



―バキッ



「ふぎゃ!」



「だから魔王と言うなと言うておる」



何度殴られれば解るんじゃ



「理不尽!自分で名乗りましたよね」


む…ま、まぁ良いではないか



ささっと回復魔法をかけてやる



「はぁ…それはニーナ様だからでしょ。言っても僕レベル25ですよ。食われちまいますよ」


はぁ?今25とか言いおった?



「25…どんだけ弱いんじゃ。お主くらいの歳なら妾は90越えるくらいじゃったわ」



「言っておきますけど僕の師匠で42でした。お隣さんのウェアウルフさんで18ですよ。ニーナ様がおかしいんです」


むぅ…



「ならば仕方がない…一式貸してやる。本当は装備になど頼らんのが一番よいのじゃぞ」





さて…何を出すか?伝説級くらいのものがよいか



「お主得物はなんじゃ?」



「やっぱ鎚とか斧がいいです。落ち着くんですよねぇ。」



「分かった」

アイテムポケットを使って亜空間に手を突っ込む


斧なら…えっと…これじゃないし…ええと



おっ!これじゃな



ずるりと取り出したのは覇王の斧じゃ



装備した者の能力を大幅にあげてくれるらしい



妾は増えた感じがしなかったけどの

偽物かもしれないな


「武器はこれでよいか…次は防具じゃな。妾、鎧って嫌いだから持っとらんから盾だけ用意しよう」



盾は~…違うな。これは鍋のふたじゃ



…なぜ鍋のふた?



気を取り直して探すこと10分



「あったぁ。イージスの盾!」



イージスの盾は有名じゃな。

正面からの攻撃を何でもガードすることができるという一品じゃ


まぁこれも妾からすればそれほど脅威には感じぬがな


範囲攻撃に弱いし盾ごと持つ者を壁に叩きつければダメージもうける



バックアタックも有効じゃ。ドラゴンのブレスなども相性が悪い


何せ炎は凌げても熱は凌げんしな



誰じゃこんな欠陥品作りおったのは



まぁ場凌ぎにはいいか



「ほれ!これを使って妾を護るが良いぞ」



「ありがとうございます…でも」



ん?浮かない顔じゃな



「これを持つと荷物がもう持てませんよ」


覇王の斧だけでも体の8割ほどあるからなぁ



「全く…まずはアイテムポケットの魔法を覚えよ。それまでは妾のポケットに入れておいてやる」



「はい!これならどんな奴が来ても倒せますよ…ってなんで闘うのを前提にしてるんですかぁ!まニーナ様なら護衛もいらないんじゃ…」



今のはセーフじゃな。よかったのぅ



「妾は戦いなぞ知らぬ乙女になるのじゃ。その方が運命の相手にも良いイメージを与えれるじゃろ?」



「お…乙女…プッぶぐぅ!」



わ…笑いおったな!よくも妾を笑いおったな!




妾はドミニクに拳を叩き込む



―ドゴォ!



むっ!イージスの盾で防御しおった!



イージスの弱点を説明したとおりドミニクは威力に負けて壁にめり込みおった



そのまま壁の一部になっとれ!



ガラガラと言わせながら壁から出てきおった



「女の妾に戦わせる気か?ドワーフは男の中の男と言われる種族なのに大した事無いのじゃな。護ってくれぬのか?護れぬのか?自信も無いものな!」




「…わかりました!わかりましたよ!ええ、何処へでもお守りしますよ!」



よし!言質はとったぞ


「分かった。では明日から頼むぞ。妾はもう寝る。荷造りを忘れるでないぞ」




妾はそうして眠りに向かう



「闇の衣、布団にチェンジ…ふぁ」


耳元でドミニクがうるさいけど、もう寝たいんじゃ静かにしてくれ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ふぁ~あ…よく寝たわ。硬いベッドも悪くないのう



ん?なんでドミニクは壁にくっついて寝てるんじゃ?



あ…布団型闇の衣が一部でドクロマークを出しておる



闇の衣は自動で守ってくれるからのう



…………………



「ドミニクーーーー!!!!!お前妾が寝てるのを良いことに何しようとしおったぁ!!!!!」



寝て(気絶)いるドミニクを掴んで振り回す



「…?うわぁ!!何コレ!あっ!止め…なんで!?」





話が噛み合わん



手を止めてドミニクの言い訳を聞いてみる



ニーナ様(妾)が寝た


→ドミニク準備


→終わって疲れた


→ベッドに寝る


→ニーナ様(妾)に気づかなかった(忘れてた)


→闇の衣むんず



→オートカウンター


→気絶



うん…哀れな奴



「仕方ないから許してやるが妾の寝床に最初に入るのは夫じゃ。次は命がないと思え」



腕と足を組んで上から見下す視線で言い放つ



「mニーナ様」



なんじゃいまの『m』は魔王のまを言いかけたんじゃないのか?そうなんじゃろ



殴っておくべきか?


「貴女…処女なん「よーしドミニク。盾をしっかり持てよ~。持たぬと死ぬからの~」



「ヒィィィィィィィ!!!!!」



―ドカッ―バキッ―ドゴッ―ガッ―ベキッ―



―――――――



「ドミニクーーーー!!!」



むう…狼耳をした女が入ってきてドミニクを壁から引っ張りだそうとしておる



「誰じゃ?」



「隣に住んでる者よ。悲鳴が聞こえたから来てみたけど…あなたがドミニクを?」



「うむ。妾に失礼な事をいうからの。お仕置きしただけじゃ」


鋭く妾を見る目は赤、髪はブラウンでベリーショート。スタイルは妾の圧勝じゃ


こちらを振り向くウェアウルフ。ナイフを構えてジリジリと入り口を塞いでいく


逃げると思ってるのか


妾は興味無しと伝える為、手を天井に向けるがイカンかった


隙と勘違いして突っ込んできおったわ



壁の一部を掴み妾に投げてくると同時に飛び蹴り



もちろん避けた

危ないからの。この娘が



だって闇の衣着とるしな。



反撃だけ切っておくか



着地後さらに詰めよってきよった



「待てと言うに」



妾の首に向かい一線


もちろん丸見えだし簡単に避けた



「容赦ないのう」



手首の角度を変え逆手に持ち突き下ろしてくるが足を一歩下げ体を半身にしてナイフを通過させる



「待てと言っておる」


振り下ろしたナイフを持つ手を捕まえ止める



「離せ!」と言いつつナイフを放しおった



落ちていくナイフの刃が妾の方を向いておるのが見えた



次の瞬間ウェアウルフの膝が持ち上がると同時にナイフの刃が迫ってくる



ナイフの柄を蹴りあげたか



「中々の技術じゃな―ほっと」



妾はそう言って顔の向かってくるナイフを口でキャッチする


別に喉に当たっても刺さらんがな

武器を奪えばとまるじゃろ



―バリバリ…ペッ



ナイフを噛み砕いて床に捨てた



「シノン…待って。その人は大丈夫だから」



壁から這い出てきたドミニクを見て安心したらしく力が抜けていった



もうよいな。手を離して自由にしてやるとドミニクの手当を始めた



その後ドミニクから説明を受けたシノンの悲鳴が部屋に響き渡ったがどうでもよい



そろそろ出発したいのう。

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