【女性お仕事短編小説】夜間図書館の時間調律師　～月のリズムで奏でる研究室～

　量子物理学の若手研究者・璃音は、研究の行き詰まりと身体の不調に悩んでいた。月経周期は乱れ、論文は進まず、何のために数式と格闘しているのか分からない日々。そんな深夜、彼女は不思議な「夜間図書館」に迷い込む。

　そこで出会ったのは、美しい司書・詩歌。「時間には質がある」と語る彼女から、璃音は驚くべき事実を知る。女性の身体には独自のリズムがあり、それに合わせて活動すれば創造性が飛躍的に高まるのだと。

　同僚の美月、学生の千花と共に、璃音は革新的な研究スタイルを確立していく。月経周期に合わせたスケジュール管理、お互いの身体的リズムを尊重したチームワーク。従来の男性中心的な働き方に一石を投じる彼女たちの挑戦は、やがて学会でも注目を集めることに。

　量子もつれの謎を解く鍵は、実は女性同士の美しい絆の中にあった――。科学と身体性、現実と幻想が交錯する、新時代の女性研究者たちの成長物語。時間の「量」ではなく「質」を追求する彼女たちが辿り着く答えとは？