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権力者  作者: 黒崎
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やりたかったこと

黒歴史

ずっと自分は受け身だった。

子供の時からそうだった。

いじめられた側は受け身になってしまう運命なのか。私の本質がそうなのかはよく分からない。

いじめてきた側はほとんど受け身にはならない。それが辛い。

日本はいじめられた人を外にやる。

だが外国は逆で、いじめた人は病んでいて、誰かを排除しないと居場所を保てない可哀想な人、として扱われる。

それだったら良かったのに。

日本のやり方じゃ、いじめられた側は心の傷を癒せず、戻ってもいじめてきた人がいる。これはとても辛い。

いじめた側は反省などせず、嫌いな対象がいなくなり大喜び。排除大成功なのである。


今度は私が排除する側…になるのか。


あの放送は、試験者の名前はおそらく試験者本人にか聞こえていないはず。そのため、自分以外の試験者がいたとしても分からないかつ周りも誰が試験者なのかが分からない。


私は私の排除したい人を排除する。

だが今この場でやればそれは権力を見せびらかすようなものだ。少し気が引ける。



皆に見せないところでやろう。



嫌いなゴミにわざわざ声をかけて、教室に残した。これからほんとのごみになる。

何故かゴミは嬉しそうだった。

「ねぇ、ねぇ、どうしたの?一体なんの用?どうしたの?教室に2人っきりってことはさ、そういうことだよねぇ?えへへへへへ」

気持ち悪い。さっさとやってしまおう。

今の言葉で気持ちの引き金に力が入った。


まずは相手の権利を剥奪する。

がどうしたら良いのかが分からない。


♬*°


────!!

あの時のチャイムの音だ。

「試験者の 様」

「今から方法をご説明いたします」

「まず、相手の権利を奪いたいという意志を強く持ってください」

「次に、その意志を我々が感知し正式に受理いたします」

「そして我々が 様に権利ポイントを寄与いたします」

「ポイントを受け取りましたら、受理完了です」

「相手の権利は全て消失いたします」

「また聞きたいことがありましたら強い意志を感じ取り反応します」

「それではご協力お願いいたします」

♬*°


淡々と頭の中であの放送の声がはっきりと響いていた。

「ねぇねぇ、照れないでよ、ねぇ、早く早く!!!」

姿を見たくない。気色が悪い。

こいつの権利を!!全て!!!消し去ってやる!!!!!!

「受理が正式に完了いたしました」

勢い良くごみに近づく。

手に力を込める。


鮮烈な、柔らかく鈍く響きの悪い音がした。

家庭科室から持ってきた包丁で一刺しした。

「っは」

苦しそうなゴミを見て内心気分が悪かった。

が別の気分は最高潮だった。


ゴミの細胞がついた包丁でもう一刺しもう一刺しもう一刺しもう一刺しもう一刺しもう一刺しもう一刺しもう一刺しもう一刺し


感触は最悪だが、刺さずにはいられなかった。今まで自分を苦しめて来たものを、抹消できるだなんてなんて素晴らしいのだろうか。

教室の木の床に赤色が染まる。とても汚い。おそらくもう取れないだろう。場所を変えればよかった。


ゴミの処分に関しては私の仕事ではないためそのまま置いてきた。包丁は汚れたので焼却炉に捨てた。分別が心配だ。


「今日は良い日だったなぁ!」

天気は曇りだし気色の悪い言葉と顔を向けられ接近した。だいぶ最悪だがそれに匹敵する良い事が起きた。

もう気色の悪い思いをしなくていい!!!!


という訳にはいかないのだ。



人間、合わない人がいるのは当たり前だ。

嫌いな人間、嫌なことをしてくる人間。

それが居なくなっても、次にそれに該当する人間は必ずいるのだから。

人が溢れる限り。


親は「逃げるな」「合わない人くらいいいるだろう、我慢しなさい」を繰り返す。

合わない人がいるのは仕方がない。

逃げるのはいいだろう、別に。という反感を持っていた。

だが今の私なら!!逃げたくなるのはあちらで、合わない人間がいるというのならそれを無くせばいいだけの話になった。

明日は誰の権利を取ろうかな。

対戦コイン交換

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