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短編シリーズ

紗奈の一人旅~迷子の勇士~

作者: サクナギ

登場人物 


朝山アサヤマ 紗奈サナ:高校2年生。一人旅が好きな女の子。

塚本ツカモト 優希ユウキ:旅先で出会う男の子。引っ込み思案。迷子の男の子。


シャツのボタンは上から止める。右足から靴を履く。そういうこだわりというか癖というものは、誰もが持っているもの。日常生活を過ごしていく中で蓄積された経験が、同じ行動という形で結果として出力される。


私の場合は、起きたその瞬間からそれは始まる。アラームは鳴る前に起きて左手で目覚まし時計を机から胸元へ持ってきて、ジリジリと鳴る前に止める。ゆっくりと身体を起こした後は、再び明日のためのアラームをセットし、いつもの場所へ目覚まし時計を置く。ゆっくりと伸びをして、一言。


「おはよう、世界。」


そうして、私の朝は始まるのだ。朝といっても、11時なのだが。


いつからそうなったのかは定かではない。高校に入学して2年経つが、中学の頃からこのルーティーンは続いていたようにも感じる。癖というものは、そういうものだと思う。私の場合は、ちょっと特殊なだけ。


洗面台にフラフラと向かい、歯を磨く。今日は土曜日だから、いつものアレをする予定だ。シャカシャカと歯を磨きながら、ぼんやりと今日の予定について考える。まあ、考えても仕方がないのだが。


予定というのは、簡単に言うと一人旅だ。行き先も決めず、その時の気分で17時まで、行けるところまで行く。そうして、17時にいた場所の写真を1枚撮る。これを予定と言って良いのかは少々議論の余地がありそうだが、これが意外と楽しいものだ。新しい地に足を踏み入れている時はさながら、小さな冒険家にもなった気分。私は基本的に写真を撮るということをしないので、スマホの写真フォルダにはこれまでの旅の写真だけが陳列されている。


これらを見ていると、その時のことを思い出せて楽しい。いつから17時に写真を撮るという縛りを設けたのかは覚えていないが、初めて一人旅をしたときの写真を撮った時刻も17時だったので、おそらく偶然が生み出した産物だろう。


さて、今日はどんな旅が始まるかな。いつものワンピースに着替える。


「行ってきまーす。」


訳あって一人暮らしをしている私の家に声をかけても返事が返ってくることはない。ただ、ただいまを言うために言う、一種の通過儀礼だ。


部屋を出て鍵を閉めたことを確認すると、6月初旬とは思えない、カッと照らしてくる真っ白な太陽が私を出迎えてくれた。夏は嫌いじゃない。暑いけど、日照時間が長いと写真映えが良いのだ。


今日の気分は7だった。ラッキーセブンの7。家を出ていつもの順路で駅に向かい、改札を通り7番線で電車を待つ。7の気分なので、7駅先で下りてみようと思う。都会に住んでいると、駅のホームが多くて非常に助かる。私の好みでどこへでも行けてしまうような開放感を感じるのだ。


7番線の7番目に行き着いた先は、名前も聞いたことのない駅。ここで、私の今日の一人旅が始まるのだ。


時刻は12時20分。



一人旅を始めた理由は、卒業した文芸部の先輩の影響。1年生の春、特に入る部活も決まっていなかった私に声をかけてくれた当時3年生の小野(オノ) 三船(ミフネ)先輩は、私を文芸部に勧誘してきた。小野先輩は明るくて容姿端麗、文芸部の部長を務めていた人だ。正直、文芸部には不釣り合いなくらい美人で外交的な先輩だったと思う。そんな小野先輩は、どうしてか私に目をつけた。


廊下を一人でトボトボと歩いていた私に、赤色のリボンをつけた上級生と思わしき美人な人がズカズカと私の方に寄ってきて、私の行く手を阻んだ。


「君、名前は?」

ニコニコとしたその顔は、まるで初めて話すということを忘れて友達と接しているような、心を開いた表情に見えた。


朝山(アサヤマ) 紗奈(サナ)です。3年生が私に何か用ですか?」


私が入学した高校は入学年度によってリボンの色が決まっており、今年度は1年生が黄色、2年生が青、3年生は赤色のリボンを着用している。要は、一目で学年がわかるようになっているのだ。


「用っていうのはね、部活の勧誘だよ!文芸部!君、部活入ってないでしょ。部活に入ってないですよって顔に書いてあるよ?」


そんなことを顔に書いた覚えはないのだが、部活に入っていないのは事実。もし運動部の勧誘であれば、(というかこんな貧相な身体をした私を運動部に勧誘するような生徒はいないと思うが)断るのだが、文芸部となると話は別だ。特に入りたいわけでもないが、せっかく私に目をつけて誘ってくれたのだから、体験入部くらいはしても良いかもしれない。


「文芸部、体験入部からでしたらいいですよ。顔に書いてある通り、入ろうと思ってた部活もありませんし。」


そう言うと、小野先輩はニコニコした顔をさらにかわいらしい笑顔にしてみせた。


これが小野先輩との出会い。彼女は文芸部で私にたくさんのことを教えてくれた。先輩として。仲間として。人として。


小野先輩の信条はこうだ。


・直感を信じる。

・決めたことは最後まで突き通す。

・自分の正義は絶対に自分自身が信じてやること。


私はまっすぐな先輩の様々な面を1年間見てきて、少なからず影響を受けてきたと思う。最も、一人旅は影響を受けたものの一つなのだが。卒業式のときに泣いてしまった時は、私自身も驚いた。それほどまでに、小野先輩という存在は私にとって大きかったのだとその時初めて気付かされた。




そんな小野先輩が卒業してからも継続している一人旅。先輩のことをぼんやりと思い出しながら行く宛も無く知らない商店街を眺めながら歩いていると、弱々しくお腹が鳴った。


時刻は12時38分。ふと目に入った老舗喫茶店に入ってみることにした。


『喫茶 サナ』


なんという偶然、私と同じ名前のお店だ。こういうものにはなんとなく親近感を覚える。少しきしむ音のする扉を押して開け、店内に入った。


店内は商店街の騒がしさとは一転、静かで落ち着いた空気が漂っていた。全体的に茶色がかったテーブルに、花がらの壁紙はタバコのタールで黄ばんでいて見るからに古い。電気は暗く、実に老舗らしい風貌だ、とあたりを見渡しているとカウンターのヒゲのおじさんと目があった。


「あなた、ウチの1万人目のお客様ですよ。」

「えっ。」

「こちらの席へどうぞ。」


ニヤリと笑い、ヒゲのおじさんはカウンターに私を案内した。ユーモアのある人なのか、はたまた本当に1万人目の客だったのだろうか。何事もなかったかのようにグラスを丁寧に拭いているヒゲのおじさんを見ていると気になって仕方がなくなってきた。


「あの、1万人目というのは…。」

「あなた、ウチ来るの初めてでしょう?よそから来た人にはみんなこうやって歓迎しているんですよ。お客さんのびっくりした顔がおもしろくってね。あなたのびっくりした顔も、バッチリ見させてもらいましたよ、フフッ。」

「…どうして初めてだとおわかりに?」


それを聞いたヒゲのおじさんは手を止め、私の目をじっと見た。


「一度来たお客さんを俺が忘れるわけないじゃない。それに、ウチはありがたいことに常連さんが多いからね。」


ユーモアのあるヒゲのおじさんだったようだ。これが老舗らしさというものなのだろうか、と考えを巡らせていると再びお腹が鳴る。目の前にあるメニューを手に取り、一番上に書いてあったサンドイッチとコーヒーを頼むと、ヒゲのおじさんはテキパキと慣れた手つきで準備を始めた。


出てきたサンドイッチは私が想像していた1.5倍は大きく、ボリュームのあるものだった。コーヒーも非常においしく味わい深いコーヒーで、私の口に合うものだった。それに、値段はコーヒー合わせて500円だ。なるほどこれは常連もつくわけだ。一度来るだけではもったいないと感じてしまうのもなんら不思議ではない。


空っぽになった胃に詰め込むようにしてサンドイッチを平らげ、コーヒーを一口。これには私も大満足。


「会計、500円になります。」

「つかぬことをお聞きしますが、500円って安すぎませんか?」


つい気になって聞いてしまった。するとヒゲのおじさんは少し寂しげに笑った。


「いいんだよ、利益なんか出なくたって。もう長くないしね。俺は、おいしく食べてもらえればそれでいいのさ。それが俺のやりがい。」


13時22分。老舗珈琲サナをお腹いっぱいにして後にし、私の一人旅は再開される。商店街を抜け、住宅街をほっつき歩き始める。商店街も近いし、実に住みよい環境だななんて考えながら、若干の眠気に襲われ始める。


この程度の眠気で私の一人旅は終わらない。少なくとも、17時の写真を撮るまでは。




すっかり商店街を抜け、住宅街を縫うようにして歩いていると、道端に男の子が座り込んでいるのが見えた。9歳くらいだろうか?


15時36分。道端に小さな男の子がいても不自然な時間ではないが、その子は特に遊んでいるわけでもなく、ただ小さく座り込み、何やら暗い顔をしている。迷子なのだろうか。


「少年、どうしたの?」


普段は人助けをするような人種ではないのだが、つい、声をかけてしまった。私の声に反応してゆっくりとこちらを見たその子は、私の顔をしばらく見た後、睨みつけるようにして再び顔を背けてしまった。


「暇なんだったら、お姉さんと一緒にお散歩でもしないか?」


再びこちらを振り向く少年。さきほどとは打って変わって、今度は不審者を見るような目で私のことを睨みつけている。なに、変なことはしないぞ。


「とりあえず、こんなところに座り込んでいても危ないから、どこか別の場所まで行こう。お姉さんは怖い人じゃないぞ。」


しゃがみこんで目線をあわせて無理やり笑顔を作って見せると、少し安心したのか、ようやく口を開いてくれた。


「わかった。」


知らない街で出会った知らない男の子と宛も無く彷徨う。今日の一人旅もますます面白くなってきた。


「少年、名前はなんというの?」

優希(ユウキ)。」


「優希くんか。何歳?」

「3年生。」


3年生ということは、9、10歳か。ビンゴだ。


「そうか。お姉さんは紗奈っていうんだ。優希くんはどうしてあんなところで座っていたの?」


そう尋ねると、優希くんは少し顔を曇らせ、少し考えた後に小さく呟いた。


「…迷子になった。」


小学3年生が道に迷うのだろうか?引っ越してきたばかりとかなのだろうか。ともかく、あまり聞いてほしくなさそうだったのでこれ以上詮索はしないことにした。


それからしばらく沈黙が続いた。優希くんは見た限りかなり引っ込み思案で、物静かだ。私を怖がっているだけかもしれないが、繋いでいる手から感じるに、私に警戒心があるわけではなさそうだ。


そうして、トボトボと住宅街を歩いていく。


公園の前を通り過ぎようとした時、公園の方から優希くんの名前を呼ぶ女の子がこちらへかけてきた。優希くんはその女の子を見るなり、少し顔が明るくなった。


「優希くん、昨日はありがとうね!かっこよかった!」

「唯ちゃん…!ううん、大したことじゃないよ。」


女の子が私の方を見る。


「お姉ちゃんいたっけ?」

「いや、さっき道で話しかけられたんだ。紗奈お姉さんだよ。」


紗奈お姉さん。いい響きだ。お姉様でもいいのだぞ、少年。


会話を終えると、唯ちゃんと呼ばれる女の子は再び公園の奥の方へ走り出していった。


「今の子はお友達?」

「うん。学校でクラスが同じなんだ。昨日学校でクラスのガキ大将に目をつけられてたから、助けてやったんだ。そしたら、ガキ大将が俺と代わりに遊べとか言って、僕を夜中まで家に返してくれなかったんだ。」


ようやく自分のことを話してくれた優希くん。少しは心を開いてくれたのかな。にしても彼は、かなり勇気のある行動に出たもんだ。


「少年、あの唯ちゃんっていう女の子が好きなのか。それだったら、男前なことをしたな。」

「ベっ別に好きとかじゃないし…。困ってたから助けたんだ。…僕は困ってる人を見過ごせないんだ。」


図星か。優希くんの耳は真っ赤に染まっていた。それでも、優希くんの信条には共感できるものがある。いいヤツじゃないか。


「…紗奈お姉さん。」

「なんだい?」

「実は僕、家に帰りたくないんだ。だから、お姉さんの家に行ってもいい?」




唐突に告げられたその言葉に驚いた。迷子だと言っていたが、どうやら家出だったようだ。それでも、優希くんを私の家に連れ込んだらそれは誘拐事件になってしまう。一体どういう状況なのだろうか?


「そうしてあげたいのは山々なんだが、まずはくわしい状況を聞かせてくれないか?」


公園の一番近くにあったベンチに座る。優希くんは少し考えて、ゆっくりと話してくれた。


「僕、昨日門限を破ったんだ。僕の家では5時のチャイムまでに家に帰らなくちゃいけないんだけど、昨日は…ガキ大将に付き合わされて10時に家に帰ったんだ。そしたらお母さんがすごく怒って…。」


「最後は友達と遊ぶの禁止って言って、外に出るのが禁止になった。僕はそれが嫌だったから、家出した。それで…一晩中道歩いて疲れてあそこで座ってた。」


ちょっと待て、優希くんは昨日の夜から今まで家に帰っていないのか?親が親なら警察沙汰になりかねないぞ。こりゃとんでもないことに足を突っ込んでしまったな。


「だから、もう家には帰りたくないんだ。帰ったらまたお母さんは怒って僕の言う事なにも聞いてくれないんだ。だからお願い!お姉さんの家に泊まらせて!」


優希くんは精一杯手を合わせて私に向ける。あまり家庭事情に足を突っ込みたくはないが、私の力がこの子には必要そうだ。


「優希くん、お家へ帰ろう。それで、門限を破ったことはしっかりと謝った後に、事情を説明しよう。」

「でも、お母さんは怒って僕の言う事なんか聞いてくれないんだよ。」


「お母さんは心配だったんだよ、優希くんのことが。少年、普段は門限を破るなんてことするような子じゃないんだろう?それだったら尚更、心配になるさ。」


優希くんは俯いたまま私の言葉を聞いている。果たして私の気持ちは少年に届くだろうか?


私は優希くんの手を取り、やさしく握る。


「優希くんの信条は、困ってる人は絶対に助ける、なんだよね。それはとても素敵なことだ。絶対に曲げちゃいけないんだ。優希くんの信条を、お母さんにしっかりと伝えれば、お母さんもわかってくれるんじゃないか?ほら、私も一緒にいてやるからさ。」


時刻は16時43分。門限までに優希くんの家にたどり着くことは出来るだろうか。


優希くんは何も言わなかったが、黙って家までの道を案内してくれた。


公園から10分ほど歩いたところに優希くんの家はあった。所詮小学生の行動範囲だ、こんなものだろうと思いながら、門限に間に合ったことに安堵する。


私がインターホンを押そうとすると、優希くんに手を止められる。覚悟が決まったのか、自分で押すようだ。


インターホンが鳴り響き、しばらくすると母親らしき人物の声がインターホン越しに聞こえる。


〈はい、塚本です。〉

「はじめまして、朝山と言います。優希くんも一緒です。」


その言葉を聞くなり、家の中からドカドカと足音が聞こえてくる。


勢いよく玄関のドアを開けて母親が登場した。


「優希!あんた昨日からどこほっつき歩いてたのよ!お母さん警察に連絡するところだったのよ!二度とこんなことしないでちょうだい!…昨日も言ったけど、バツとして外出禁止にプラスしてゲームも禁止にするから。」


マシンガンのように飛び交った優希くん母の言葉は彼の全身にクリーンヒットし大ダメージを与え、今にも泣き出しそうになっていた。なるほどね、こりゃ話が通じないと思うわけだ。私のワンピースの裾を掴む優希くんの拳に力が入る。私の出番か。


「お母さん、少し優希くんの話を聞いてあげてもいいんじゃないでしょうか?少年…優希くんも、門限を破りたくて破ったわけじゃないみたいですよ。」


私の言葉に母親は目を丸くし、私の事を見た後に優希くんの方を見る。頑張れ、少年。


「僕、昨日学校で唯ちゃんがガキ大将の半田にちょっかい出されてるの見て、唯ちゃんを助けたんだ。そうしたら、半田が僕を夜中まで帰してくれなかったんだ。」


「僕は、困ってる人を見過ごすようなことはしたくないんだ。でも、門限を破ったのはごめんなさい。」


それを聞いて母親はとても驚いたような顔をしていた。おそらく優希くんは、家庭内でも私が最初に出会った時のような、引っ込み思案な性質を見せていたのだろう。そんな子から困ってる人を見過ごせないなんて言われたら驚くのも当然だ。私からもう一言、助け舟でも出してあげよう。


「そういう訳なんです。助けてもらった女の子も優希くんに感謝していましたし、外出禁止は無かったことにしていただけないでしょうか。」


驚いた顔のまま私の方に顔を向ける母親。当然だ、部外者が話に入ってくるなと思うに違いない。ただ、あいにく私の信条がそれを許さない。


優希くんの母はしばらく考えた後、私に深く頭を下げた。


「朝山さん、優希のこと、お世話になりました。優希も、そういう事情があったのなら言ってくれればよかったのに。ほら、さっさと着替えてお風呂にでも入りなさい。ご飯もう少しでできるから。」


「紗奈お姉さん。」


母親に引っ張られ玄関に入りかけた優希くんが私に声をかけてきた。もう私の役目は終わったはずだが…。


「お姉さん、ありがとう。」


優希くんは最後にかわいい笑顔を見せてくれた。助けた甲斐があるってもんだ。おっと、そういえば…。


「おう少年、っとその前にちょっとこっちに寄ってくれ。」


17時のチャイムが鳴ると同時に、私は優希くんと写真を1枚。目一杯の笑顔でピースをした。


パタリと玄関のドアは閉まり、それは私の今日の一人旅の終了を告げた。


今日の一人旅もなかなかに面白い体験ができたなと、老舗珈琲サナと優希くんのことを振り返りながら駅への道を歩く。


家出少年のお世話をすることになるとは思わなかったが、それもまた一興。これが無計画一人旅のいいところでもある。計画が無いからこそできること、というのもあるものだ。


「今日の直感、なかなか悪くなかったんじゃないですかね、先輩。」


最寄り駅に到着し、7駅戻り7番線から帰ってくる。再び優希くんに会うことはもう無いだろうけど、一度きりで終わる出会いだって良いじゃない。今日の私も、自分の正義を自分自身で信じてやることができたと思う。


さて明日は日曜日、何をしようかな。家の鍵をガチャリと解錠、ドアを開け一言。


「ただいまー。」



END


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