【決戦】任
この物語はフィクションです。
実穂高は逸彦の愛の告白に腰を抜かした。逸彦はその介護を己にさせてくれぬ混乱を、玉記と天鷲に宥められていた。
逸彦が落ち着くと、玉記は実穂高と水師に剣術を教えた時の事を話した。義父が亡くなり、頼る者が無く、泣く事も出来なかった実穂高の子供の頃の話だ
「何だ。もっと早く麻呂に紹介してくれたら良かったのに」
天鷲が言い、それを聞いて玉記は引き会わせるのがこの機会であって実に良かったと胸を撫で下ろした。合流へ向かう道中に気が合う二人を見て、もっと早くに出会わせたら友となって実穂高の支えが増えたかと思ったが間違いだった
逸彦も天鷲を睨んでいる。玉記は天鷲を小突いた。
逸彦は焚き火の前で話した実穂高の境遇が、想像以上に辛いものだったとわかった
本当に、己の事ばかりで実穂高の気持ちをわかっていなかった
「己は腰抜かせる程身体の力が抜けるのは、本当に実穂高が逸彦殿に安心できる故と思うぞ」
玉記の言葉に逸彦は驚く
「そうとも。逸彦殿の前では、己をさらけ出す事が出来るのであろうな。残念だが」
天鷲の最後の一言は聞かなかった事にして、逸彦は先程の実穂高の言葉を思い返した
お互いに同じ思いを抱いているとわかった。己が実穂高に愛されているとわかった。心の奥がじんじんする。真夏の日に照らされているようだ。あの気高く深く、純粋なあの人に愛されていて、それを受け取って良いのだと思うと、己をとても誇りに思えた
愛への憎しみは結局小さな自我が恐れから考えた事に過ぎぬ。己の誉れを受け取らぬように我を張っていたのだ。そう思うと笑えて来た
それは初めて感覚だった。逸彦はいつも、神剣や神の啓示が凄いという事は、己自身の事には思って居なかった。だが目の前の実穂高が愛してくれるならば、少なくとも実穂高の目に映る己は穢れた存在ではない。ここで己を卑下するのは実穂高に失礼だ。実穂高に身を捧げたいと思ったならば、捧げる己が己をそんな程度に扱うのは失礼ではないか
思い返せば、実穂高は己が鬼退治をし続けて鬼を減らした事を感謝する発言しかしていない。逸彦が使命を行う事を肯定し、敬ってくれる。心の苦しみを減らしたいと願い、気遣ってくれる。己が楽しんでいる事を共に見て喜んでくれている。それが実穂高が己自身であろうとした時の自然な行いならば、その対象となる己もそういう思いで己に接しないとならぬだろう。先程己自身が実穂高の言う事は最初から受け入れると言ったばかりではないか
実穂高に愛される事は己を受け入れる許しのように思えた
実穂高に愛されるならば、己を愛する事が出来る筈だ
己自身を愛そう。己を実穂高の愛に委ねよう
そう決意した
己の内に宿りし光は
恍惚となりて道を照らす
希し蒼きそうはコウとなりて一体をなす
その名はきぼうとなりし和は永遠の時を刻む
愛はその螺旋のそうをふかしとして刻んだ
古は逆転し実をもって尊しとなす
愛の軸
西渡は集っている仲間と食事を終えると、己の荷の所に戻り、刀を手に取った。向こうでは逸彦と途中から討伐に加わった天鷲と玉記が何か話している。彼らは気が合うらしい。見ていて面白い絆だなと思う
西渡は刀の手入れを始めた
西渡は使っても使わなくても、明るい時に検める機会があるならば、欠かさず刀を手入れしていた。それは習慣で、己と向き合う時間だった
逸彦には尊敬を抱いている。あの真っ直ぐさと剣技、圧倒される。至高の者とはこういう人物を指すのだろうと思う。それを見る事が出来ただけでも満足だ
大量の鬼と遭遇した時に、人を斬るのと鬼を斬るのとは違うと思い知らされた。
だが今は根底にあるものは深い意味で同じと感じた。逸彦には到底及ばないが、共感する
人を初めて斬った時は身体が震えて止まらなかった。これを続けて行くのは苦しいと思った
誰かの命を絶ち、その人生を終わらせた事の責任を背負う覚悟をした。刀を持ち対峙する時、互いの命を見合う事になる。命の尊厳を踏みにじる事は許されない。斬った側になったら尚更、その後の人生が己に恥じる事がないようでなければ、己だけでなく斬られた命の責も負えない。そして己も、いつ終える側となっても構わぬように生きる。生と死は繰り返す。それはより命を昇華させる為にある
鬼は命から外れている。斬った直後にくる心が曇り引きずられる様な苦しさは、明らかに命ではない。己の中にある見たくない感情を強く浮き彫りにする。その闇を払い続けられる逸彦は真にその使命を曇りなく遂行できる。神の御使は己とは全く異なると思う。存在そのものが美しい
我が命を剣に掛けて相手の命と向かい合う以上、己の生きる道を外す訳にはいかない。逸彦が崖で激しく葛藤しているのも、実穂高がそれを止めているのも見た。己とてそうだ
こうやって愛情深い者に囲まれて、暖かい気持ちで居られる大切な時もまた、死の一部であり、生への賛美だと思うのだ
西渡の視界に、水師が鍋に寄り椀に中身をよそって実穂高に渡している様子が映った
実穂高と水師は皆のところに戻って来て、食事を採った。他の者は既に殆ど食べ終えていた。逸彦も、実穂高が己の足で歩いて帰って来たのを見て安堵した様子で、玉記と天鷲とまた話を続けた。それを見ると実穂高も落ち着いた気持ちになった。先程の出来事の前と、己は何かが変わって居ると感じた
しかし、食べ始めると、少し前から何かが己に注目を呼び掛けるのを感じた。無かったところに急に起こった。それが何であったか考えながら無言で食べた。食べ終わる時にはそれが新路に付けてた式神だと思い出す
何故だ。芙伽に術を破られたのでは無かったか。新路に付けた式神が復活している
式神を観てみると新路の心も景色も分かった。それ程遠くも無い。距離は五里にも満たない。馬ならば一刻半もしないうちに帰って来られる。この微妙な距離は、我等の後を尾けているのか、或いは何も知らぬのか。椀を洗いながら考えた。
これは罠か。それとも、此方に機あるか
実穂高は迷う。判断つかなかった。実穂高は隣の水師に相談した
「式神を確認しに、その示す場所に行こうかと思うが如何であろう。新路と芙伽が一緒に行動しているのであるならば、機は我等にあると思うのだが」
光が遮られ見えにくい中、何とも決断し難かった
実穂高は少し迷いがあった。己しか式神の位置は特定できぬ。水師は芙伽の位置をわかるかも知れぬが、彼を連れて行くと残した皆の結界が心配だ
「されど、その近い距離である事は、此方も警戒せねばならぬという事ですし、確認せねば、判断できませぬ。此方は我等に任せて見に行かれても良かろうと思います」
西渡を見た時芙伽は怯んだ。西渡と話してみるか
実穂高は水師と共に西渡に声を掛けた。西渡は己の刀を手入れし終わるところだった。
西渡は実穂高の顔を見て、覚悟した。もう逃げてはいけないと思った
実穂高は式神の気配が復活した件を話した。西渡は黙って聞いていた
「わかり申した。我が実穂高殿と参ろう」
話が終わると西渡は言った
実穂高は尋ねた
「西渡殿、何故左様に思う」
「中身が早萌とは思えぬとはいえ、あれは我妻、我が責任取る」
西渡は我が手で妻を斬ろうと思っている。実穂高が案じた通りだ
「されど麻呂は汝にそうして欲しいから話した訳ではあらぬ」
西渡は実穂高の顔を見詰めた
「むしろ今回は、確認だけできたら、何もせずに戻ろうと思うのだ」
「…では何故我に」
「西渡殿を見た時に、芙伽は怯んだ。汝を害したく無いと思うて居るのではと思うた故だ」
西渡は黙った。実穂高は続ける
「あの身体には三つの人格がある。芙伽、猿女、早萌だ。猿女は天宇受売巫女であり、神と成り代わりを願う者で、逸彦殿を育ての親共々殺害した事がある。この事をはっきり伝えて居らず悪かった。芙伽と名告る者がどう言う訳でその名を選ぶのか、正直わからん。宿世だと思うのだ。だから我にもあの女がどう言う反応を示すか読み切れぬ。心が複数あり、思う事が別々なのだ。それが我等が迷う由だ。ただ、西渡殿の前に出ると早萌が出るように感じるのだ」
「逸彦殿をあやめたのか、あれは」
それでか。西渡は納得した。崖の上の芙伽と会った時の逸彦殿の異様な殺意、黒岩の事を話した時急に倒れた事。皆あれに関わりあったのか
「我が亡き妻の祈祷の際、正直に全てを話して置けば…」
西渡は膝に置いた両拳を握ったが、実穂高はむしろ笑顔で言った
「あの時は汝の方が危ないと思うた。生きる意欲が無くて廃人のようだった。そんなどころではあらぬだろう。今の様に共に旅して行く機会を得て、我は楽しう思う。逸彦殿もだ」
西渡は多少の驚きを交えて実穂高を見た。実穂高は逸彦の宿世で、童の時に西渡に会い、才を見出され助言を受け、再会の時に太刀を譲られた話をした
「我が己の太刀を譲ったのか」
「然り。太刀を貰い、嬉しかったと逸彦殿は感謝しておったぞ」
西渡は心に引っ掛かるものがあった。その太刀はそんな良いものだったのか?宿世など覚えていないが、今の己に置き換えて、己の刀をどう扱うかを考えたならば、その太刀を手放す理由は一つしか思い当たらぬ。己は生きる目的を失っていたと言う事だ…
西渡は答えた
「実穂高殿は我が居るだけで芙伽の抑止となるとお考えなのだな。そして我にも不要に手出しするなと。承知致した。我が役立つかわかりませぬが、いざとなったら、実穂高殿のご命令に順う。実穂高殿の危なき以外は手出しせぬ」
もし、その宿世というものがあるならば、芙伽を見て、己も思い出したかった
実穂高は安堵して言った
「皆、大切な者を置いてでも、此処に共にいて戦いに臨もうとしてくれて居る。我は皆が危なき目に遭うは出来るだけ少なくしたい。皆、これはいつか誰かがしなければならぬ、それならば、機会巡った己が致そうと思うてくれて居る。それは痛い程わかる。汝もそのうちの一人だ。己が命を棄てに掛からぬよう頼む」
西渡はその言葉心染みた。まだそういう処があると、実穂高に見抜かれていたのだなと思った。西渡は目の前の実穂高をしげしげと見詰める。この小柄でまだ若い彼の強さと大きさは一体何処から来るのだろう。最初会った時から只者では無いと思い尊敬していた
実穂高は思う。水師が居るならば、一行には水師の結界がある。逸彦も居る。きっと大丈夫だろう。確認だけして、直ぐに戻る。僅かな時間だ
実穂高は西渡と共にその場所に向かう事にし、その間にも一行は川下へ移動を続ける事にした。ひと処に留まるのも危険だ
そうと決めても、いざとなると実穂高は逸彦と離れ難く思った。
実穂高は一寸行って帰って来るだけなのに、己でも不思議だった。
今はひと時も離れて居たくない。己が己である為に、彼が必要だと思うのだ。
実穂高は暫し隊を離れる事を皆に説明した。だが逸彦の前に立つと、何かやるせない気持ちになった
「馬で一寸行って帰って来るだけだ。大した距離でもあらぬ。五里程、一刻半もしないうちに帰って来る。見るだけだ。戦ったりもしない」
己で言いながら何か言い訳しているような気分だった。
逸彦は目の前に立つ実穂高を見つめた。僅かな時間も離れたくない。目を切なく潤ませて居る実穂高の顔は手を伸ばせば届く。抱き締めたいと言う衝動が湧き起こる。その肌に、髪に、唇に触れたい。その温もりを確かめたい。…一体己は何を考えて居るのだ、こんな時に。そんな事したらもっと離れ難くなってしまうし、実穂高はまだ男として生きる事を望むだろう
逸彦は一瞬伸ばしかけた手を降ろした。実穂高も今逸彦の心によぎったものを感じていた。
その機会を捉えられなかった事も分かった。まだ男と偽って居る以上、此方から寄るも叶わなかった。
西渡は何か感じた。あれ、この二人、何だろうこの雰囲気。絆が強いのはわかっているが、何やら別れる恋人同士のような…気のせいか
実穂高は踵を返した。馬にまたがり、また振り返り手を挙げる
「水師、逸彦、皆を頼んだぞ」
馬の首を式神を感じる方に向ける。西渡の乗る馬もその後に続く。
この機会がもう訪れない事を、一瞬感じた。何故だろう。逸彦は決して死なぬ筈だ。その兆しを振り払い、道を急ぐ
去って行く馬の後方で、さり気なく見ていた天鷲と玉記は小声で言う
「この際知れても構わぬと思うのだが…律儀だな」
「初心にも程があるな。二人共だから始末に悪い」
二人は胸中で思った事は口にしなかった。次会う事が叶うかもわからぬのにと
水師は見るのが最後かも知れない主人の後ろ姿を目に焼き付けた
水師が未だ髪をみずらに結った童の頃、商人の父親に従えられ賀茂の邸に来た。初めてなのに懐かしい気がした。その庭で水干を着た同じ年頃の男子が距離を取って立ち此方を見ているのに気がついた。その見目麗しさと親しみに思わず声が口を突いた
「愛しげな童だな。此の家の子か。良いものやるよ」
袂の中に手を突っ込み、それを差し出した。袂に入っていたのは、大人共には塵芥、童には宝物だ。手頃な大きさの川砂利が数個。緋色の青いの、碧の白の。川底にあるとそれは輝いて見えた。水から揚げて乾くとそうでも無いのが不思議だ
髪を長めのかむろに切り揃えたその男子は、己の掌に砂利石を落とされたのを見て微妙な顔をしたが、やおら嬉しそうに笑んだ
「玉のようだ。汝良く見つけたのう」
「そうだろ、それは外国から仕入れる玉に良く似る。だから磨くと玉になるかも知れんと拾うたんだ」
「ほう、此の内に玉を秘めていると良く見抜いたな」
水師は嬉しくなった。己の言う事を、莫迦にせずに聞いてくれる者は誰も居なかった。親も近所の子も兄弟も。同じ話をしても川砂利が玉になる訳無かろうと笑われるのが落ちだ
それをきっかけにもう水師の口は留まる事なく喋り出した。その子は己の話を遮る事なく聞いた。起こった事も、心に浮かんだ事も、空想も、時系列も無茶苦茶に同時に話そうとするので大概相手に理解されずに終わるのだが、その子はうまく問いかけを挟んでは己の言いたい事を整理して話させた。その子は名を菫青と言った
もう兎に角水師は嬉しかった。周りには元服間近なのに一向に落ち着かんと疎まれるばかりだったのだ
公家の取引先の子息を捕まえて自分の話を聞かせている水師を見つけて父親は唖然とした。怒りに任せ怒鳴り付けようとすると、水師は叩かれると思って咄嗟にいつものように頭を抱えてしゃがみ込んだ。その前に立ち塞がったのはその公家の菫青だ
「待て、彼は麻呂の頼みで話してくれたのだ。今後も麻呂の話し相手で連れて来てくれぬか」
それからはその家に御用聞きと納品に行く時には、必ず連れて行って貰えた。元服が近づくと、その子の元服に合わせ側付きにと声が掛かった。水師は嬉しかった。側付きが何かわかっていなかった。それが己の場合は親に棄てられた事だったと気づいたのは、二月程日が巡った後だ
後に、その当時の話が出た時に尋ねてみた事がある
「あの時、実穂様は我が渡したあの砂利を見て何と思われたのですか」
「汝の何かの声がしたのだ。“我は未だ磨かれぬ玉だ。もしそれを見抜くならば、我が全ては汝が為に献じよう”」
水師は何とも答えようが無かった
「…それで、その後の我のお喋りで、玉を見抜かれたのですか」
「ああ、汝の話は筋が整っていないだけで、殆ど全てが一つの事を語っていた。汝は覚えて居らぬのか」
「覚えて居りませぬ。どの様な内容です」
「汝が言っていたのは、どれも、己が目に映る世が如何に素晴らしく、愛しく、己が心はそれに日毎感動している、という内容だったのだ。着眼が面白く、聴いていても飽きぬ話だったぞ」
その事を聞いた時に己はある意味此の御方に恋をした。当時頭が子供過ぎて性別の概念が無かったし、そういうのはどうでも良かった。ただ此の敬愛する菫青を主人として、身も心も捧げて行けると思ったのだ
それが水師の道であり、喜びだった。我が心の潤いだった
ああ、幸え賜え
神よ、愛よ、汝らの愛づ児らの行方、我が命
然りと委ね奉る
人物紹介
逸彦…鬼退治を使命とし、鳥に導かれながら旅をする。宿世の記憶をずっと受け継いで生まれ変わりを繰り返している。移動は常に、山も崖も谷も直線距離で駆けるか木々を伝って行けば良いと思っている。寝る時は木の上
コウ…逸彦の心の中で逸彦の疑問に答えたり、導いたりする内なる声。コウは逸彦の命であり、鬼と戦う時刃を動かしている。宿世「コウと共に」で登場
実穂高…鬼討伐の責任者。陰陽師。実穂高は実名ではなく通称。孤児で今は亡き賀茂の当主に才を期待されて跡取り候補として引き取られた
水師…実穂高の側付きであり弟子。商人の子だったが、元服と同時に実穂高の側付きにと言われて実家から厄介払いされた。目指す相手の居所をわかる特技がある (宿世 和御坊、瑞明「コウと共に」に登場)
玉記…実穂高の京での信頼できる友であり、実穂高と水師の剣術の師。途中から鬼討伐に参加。大柄で長身 (宿世 小野篁「流刑」。水の龍 天河「コウと共に」にて登場)
天鷲…玉記の友人。従妹 榮の病の事を実穂高に依頼し、途中から玉記と共に鬼討伐に参加 (宿世 源信「上京」。地の龍 金剛「コウと共に」にて登場)
実穂高が集めた討伐の面々
宮立 父 太方…亡き妻の口寄せを依頼して実穂高と知り合う。(宿世 宮地家の御当主で那津の義父「護衛」、村長「桃語る」に登場)
宮立 倅 細方…(宿世 宮地家の息子でご当主、那津の夫「護衛」に登場)
津根鹿 …妻子出産の祈祷で実穂高と知り合う。出世は訳ありで、誰が父なのかは実穂高だけが霊視で知っている(宿世 宮地家の孫で那津の長男「護衛」の最後に登場)
西渡… 剣士。妻の死体が蘇って歩き回ったという件で霊を鎮める祈祷を依頼し、実穂高と知り合う。(宿世 男「桃語る」で登場)
佐織の翁…婆の病の相談で実穂高と知り合う。実穂高は彼と接すると笑いがあって愉しいと思うが、逸彦の見立てではいくつもの死線を潜り抜けて来た凄い人物なのに自然体なので表に凄さを見えない人(宿世 翁「桃語る」に登場)
伏見…海沿いの難所を通り抜けるのに困っていたところ通りかかった討伐の一行と合流。自分達の領地周辺の鬼調査をしていたが、以降行動を共にする(宿世 布師見「城」に登場)
木ノ山…伏見に仕える。話しぶりが大袈裟(宿世 木之下「城」に登場)
獅子吼…鬼大量発生で壊滅した甲斐国出身の者。久しぶりに帰郷したら里の妻も仲間も全滅していた。鬼をやっつける事しか思い浮かばず、鬼討伐に加わる
榮 …天鷲の従妹で幼馴染み。頭に鹿のように枝分かれした龍角を持つ。霊障による病で角を奪われて亡くなる (宿世 源信の妹、潔姫の生まれ変わり)
巽 左大臣…討伐の依頼主だが乗り気でない。ちなみに巽は本名ではなく通称
新路…巽の従者
芙伽… 榮に霊障し、角を狙った女。黒岩に触れ、反命の大元が乗り移っている
那由…逸彦の母役、育ての親の人格。宿世で何度も母だったが、隠岐の島で逸彦が黒岩を斬って以来生まれ変わっても巡り合わない。鹿のような枝分かれした角があるが、霊眼が開かないと見えない。慈愛の化身。「流刑」に登場
那津…那由の子供として暫く生まれて来ない時に、同じくらいの年齢で生まれた人格。商家の娘那津を嫁ぎ先まで護衛する「護衛」に登場