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忘鬼の謂れ〜鬼と戦い続けた男  作者: 吾瑠多萬
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【決戦】越ゆ

この物語はフィクションです。

従妹の榮の弔いが済んで直ぐに、天鷲と玉記は旅装し、朝早く実穂高の邸に馬で訪れた。

実穂高と水師が童部に呼ばれ表に出ると、赤い馬に乗る玉記と、黒鹿毛に乗る天鷲が待っていた。打ち合わせ通りだ。実穂高と水師も馬を(うまや)から引き出し、それに馬具を付けまたがる

やはり天鷲は少し落ち込んだ様子だ。実穂高は途中の旅籠で少し話を聞こうと思った


四人は京を出て、伊賀国へと順調に進む

日が高くなる頃、休憩を取る時に実穂高は水師に尋ねた

「水師、逸彦らの方も順調に進んでいるのか」

水師は首を傾げる

「如何でしょうか。やや不穏な感じが致します」

実穂高も考える。少し霊視してみようか


天鷲と玉記が馬を小川に率いて水を飲ませている時に、玉記は実穂高が奇妙な事をしているのを見た

「実穂高殿は何を致して居る」

それを聞いて天鷲も玉記が指示した方を見た。そしてつい、にやりと笑った

そこには敷かれた茣蓙の真ん中に座り、前に香炉を焚いて目を瞑っている実穂高がいた。周囲には文字を書いた紙が散らばっている。置いてあるのか。意味あって其々その場所に置いてあるのかも知れない

「何らか霊術のようだ。一寸近くに寄ってみないか」

童のような顔して天鷲が言うと玉記も同意した


集中している実穂高は二人が近寄るのに気が付かなかった

炊事の仕度中の水師が二人が寄るのを見つけ、制した時には、天鷲は文字の紙の一枚を手に取ったところだった


結界が破られ実穂高は我に返った

「あーー、駄目だろう、それを外しては」

実穂高は少し膨れて天鷲を睨みつけた

天鷲はやはりと確証を得た。女だろう、実穂高は。問わなかったが、初めて会った時にそう思っていたのだ。天鷲は実穂高への興味が益々そそられた

「済まぬ、悪戯して。これは何ぞ。結界か」

陰陽師を見た事無いわけでは無いが、見たことも聞いた事も無い方法だ。五芒星ではなく、…何だ?その端に其々文字が置いてある。

「結界は最初からやり直しだ。もう良い。知りたき事は知れた」

「霊視か」

天鷲の質問に実穂高は答える

「左様」

「何を観ていたのだ」

「逸彦らの一行に何かあったのか。一人一人は息災か。それから…」

逸彦の気持ちを確かめてみようと思った事は言う必要無いだろう。実穂高は黙った


「皆は無事だったのか」

「息災だった。誰も欠けてはいない。ただ津根鹿(つねか)が、様子が妙だ」

「津根鹿殿が何か」

水師は問うたが実穂高もそれ以上はわからなかった。一行と別れて京に帰る時に、微かに熱っぽかった事も関連あると思えた

「それは会わぬとわからぬ。それから、我らと別れた後に鬼と戦ったようだな。何か異様な感じだ、逸彦も初めて会うような事態だったようだ」

「そのような事がわかるのか」

玉記は感心する。七年前に剣術を教え始めてから友として付き合って来た。元より普通の者とは思って居なかった。その術の確かさは聞こえて居る。霊的な事は良くわからないし、実穂高はそれが生業なので、己の興味本位に訊くのは控えていた。そのうち己にもお世話になる機会あるかと思っていたが、案外訪れなかった。天鷲の従妹の病の件で術を拝見したのが初めてだ


だが天鷲は更に突っ込む

「どのように観える。像なのか、言葉か。何か媒体があるのか」

実穂高はやや煙たそうな顔をした

「何に興味があるのだ。弟子にでもなるか」

「いや、なっても良いかも知れぬ」

玉記は天鷲の喰いつきに少し驚いた。いつも飄々としているのに、珍しい


実穂高は天鷲の顔を見詰めた。同じ性質を持つ者として、実穂高には天鷲の問い意味が良くわかった。ある意味、道中退屈せぬな

「弟子は今募って居らぬ。討伐終わらぬとな。質問には答えよう」

実穂高は天鷲の問いに答えた

「まず、媒体は相手の容姿、名前、何でも良い。必ず相手と特定できれば。麻呂の場合は相手の心の記憶を共鳴して読む事ができるので、我等と離れた数日間の心の記憶を辿ると、いつ頃大変だったとかいつ頃安心だったとか知り得よう。それを複数人数行えば大体の体験の足跡をわかる…」

天鷲は心から感心した。本当に只者では無いな。

玉記はこの説明でわかる天鷲に感心し、水師もまたそうだった。天鷲も霊眼を持っているのだなと思った。


実穂高は己の説明が天鷲にすんなり吸収され落ちたのを見て、口の片端を上げた

これはそれなりに手応えのある相手に会ったという事だろう。師匠は退屈せずに済みそうだなと水師は思った。


食事を摂りながら、実穂高は天鷲に榮の事を尋ねた

天鷲は榮をどう捉えて良いのかわからなかった

幼い頃はお互いの家を行き来して遊んだが、十歳頃からだろうか。天鷲が異性として榮を意識すると、榮は天鷲を遠ざけるようになった。同じ年頃の他の子に比べて口数も少なく、心も閉ざしがちになった。その頃に、天鷲は榮の角が観えるようになった。本人に言うと観える事を驚いていたが、他の者には観えぬようで、幻想なのかとも思った。だが天鷲が何度か角に触る事を試み、そのうち触る時の心持ちをわかるようになると、もう榮は天鷲と会いたく無いと言ったそうだ。榮は以前話したように、角がある異形の己を恥じていたようだが、今回は角絡みで話せる相手が居らず、天鷲に頼ったそうだ


一通り聞き、実穂高は目を瞑る

「亡くなった者の口寄せもできるのか」

「出来なくは無いが、あの女が絡むので、此方が憑依される恐れがある故、そう言うのは準備周到の時に致す」


天鷲は年頃の榮に拒絶された事に傷ついていた

天鷲がその話を口にした時に天鷲の心の揺らぎと痛みが伝わって来た

「榮殿が年頃の時、距離を取ったのは、天鷲が近くに居ると霊力が増す事を薄々察したからだ。恐らく天鷲殿本人を嫌いだったなどは全くあらぬ。この世ならぬものを観ることへの恐れが遠ざけたのだと思う」

「左様か」

天鷲は少し安堵したようだった


「それからな、天鷲にとっても、榮殿が霊眼を開くきっかけだった」

「ほう」

天鷲は顔を上げる。これは今言っても良いのか。その機が来ているのか…抵抗を感じる。聞きたく無いのか。榮殿への思慕、愛が、その霊眼を開く鍵だったという事は。


本当は天鷲は本人も思いの外、榮殿の死を悼んでいる。本当はかなり落ち込んでいるのだ。だがそれを本人が気づかないか、己に対して隠しているのか。

「その話はまたにしよう。明日な」


実穂高が言うと天鷲も期待を込め返答した

「また明日、続きが聞けるのだな」

この二人、意外と似た者同士だったか、玉記と水師は思った


休憩を終えるとまた馬を走らせ、旅籠にその晩は泊まった


旅籠では実穂高以外の三人は同室にした

床につきながら、天鷲は隣に横になる水師に言った

「汝、面白き主人(あるじ)に仕えているな」

「左様に思われますか」

「うむ。飽きぬな。それで、何故実穂高殿だけ別室なのだ」

「あの調子で一晩中でも占いと霊視を致します故…」

この側付きも優秀だな。何処まで知っているんだろう。まだ合流までは日数ありそうだから、どこかで吐かせてみるか…、考えながら眠りについた


翌日、やはり昼頃に、天鷲は昨日の話の続きを促した。だが実穂高は言った

「天鷲殿、己の心を観られよ」

「何かあるか」

「天鷲殿は榮殿の死を悲しんで居られる。それを受け入れぬと前には進まぬ。己の心を透明にせねば、多くの事は見えぬのだ」


それでその日は話が終わった

実穂様、うまいことやりましたな、と水師は内心思った

夜、次の旅籠では天鷲は何も言わなかった。昨夜水師を問い詰めてみようと思った事すら忘れた。寝ながら、榮の事を考えた。己は確かに死を悲しんでいるが、受け入れて居らぬのか


翌日はこう言われた

「己の心が一番難しいのだ。他人事には出来ぬからな」

「受け入れているつもりだがな、まだなのか」

「まずは受け入れて居らぬ事を受け入れよ」


それでその晩、天鷲は一生懸命に受け入れると受け入れぬの違うは何かを思案した。受け入れぬ己を感じ始めた。己の心は硬く殻を被って、その表面だけを己の心と思っているのだ。それをわかっただけでも何か発見した喜びに満ちた


そんな風に数日過ぎた。一行は伊勢国、志摩国、尾張国、三河国を通過し遠江国に入る。天鷲は実穂高の掌で転がされながら、己の心と向かい合い、榮の死を少しずつ受け入れ始めた

実穂高はというと、天鷲に重ね合わせて、逸彦への己の恋心を受け入れる努力をしていた。他人に助言するならばまず己が出来ねば。そう言う決して胡座(あぐら)をかかない己に対する姿勢だった


水師が実穂高だけを別室にしている理由は、女だからというだけではない。実穂高は、特に京では他人に弱みを見せない上、完璧主義だ。だが霊視を行う以上は己の心を澄んだ状態に保たねばならない。それで周囲が寝静まった頃に、その日の出来事のうちで心に引っ掛かっている事を、内観するのである。実穂高は他人の前では自分の為に泣く姿見せない。だが我慢すると己の心が鈍感になってしまう。だから深夜に霊視と言って籠って、感情を消化する為に時々静かに泣いている事がある。水師はそれを知っているが、実穂高は己にそれを知られている事を存知ているだろうか

水師は、実穂高の自由にする。己にできる事はそれだけだ。師匠のやりたい時にやりたい事をできるよう、環境を整え準備をする。だが果たして、それで充分だったのだろうか



天鷲は己は自覚よりも榮を好きだったのだと気がつき始めた。それを認めていなかった事を。そうしてみると何故己はそれにこだわっていたのか不思議に思えて来た。そう言う己をもう少し高い位置から見えるようになった。愛を拒絶されたという勘違いが、その心を塞いでいた。それが取れると、確かに己の霊視の力はより鋭く明確になっていた


その気づきを話すと、実穂高は笑って、そこまで己でやる人は珍しいと褒めてくれた

実穂高は、それで天鷲の恋心に火を付けてしまった事には気づかなかった

己は己の事で精一杯だ。実穂高自身も愛に抵抗があった



玉記は天鷲が実穂高に絶妙に誘導されながらも、己自身の心に踏み込んで行く姿に驚いた。二人とも、それが興味の対象とあらば、或いはやるべき事とあらば、何を持ってしても乗り越えて行く輩だ。其々の新しい側面を見る事ができた事を愉しんでいた

天鷲が霊視できるとは知らなかった。今まで隠していたのか、必要無いので言わなかっただけなのか。まあ、なかなか全てを曝け出さぬ男だからな。

天鷲の無遠慮にも見せる踏み込みが、対する実穂高の気を遣わぬ反応を引き出していると見えた。案外、この出会いは良かったようだ。もっと早く会わせれば、実穂高に味方となる友は増えたのだろうか


玉記は実穂高に剣術を教えた時を思い出した

水師は側付きになったばかりで、実穂高の手を焼かせていた。兎に角思った事の全てを喋り通しに喋る童だった。実穂高はそれを黙らせるのに苦労した

「汝、あまりに喋り過ぎると、麻呂の近くに居られぬようになるぞ。意見は後で二人きりの時に全部聞いてやる故、他の者が居る時には口を閉じろ」

側に居られなくなるのが一番堪えると見えて、水師は持重することを覚えた


剣術を教えると、水師は覚えが良かった。実穂高はある意味天才的だった。何を教えても一発でその意図汲んだ。ただ身体を動かすのが得意な性質ではないと言う事は見て取れた。己がやって見せた動作を、その日には出来なくても、次に来た時には出来るようになっていた。帰ってから何か補う努力をしているのだろうか。時折体調を崩すらしく、伏せって稽古に来られぬ事もあったが、そう言う時には水師が来る。水師だけに教えた事も、実穂高は次回、そこそこわかるようになっていて不思議に思ったものだった

子供の好きそうな遊戯を交えて教えて見ても、水師は喜んで取り組むが、実穂高にはあまり通じなかった。本質を伴わない事は逆に響かないようだった。その代わり、本気出さねばならぬ場面には強かった

暫く見ているうちに、此奴の内面は、年相応の子供ではないのだと気づいた。己よりも十より下の筈だが、既に歳を経たような考え方や、ものの見方をするのだ。一体何を見ているのだろう。玉記はその心中を思いやった。そして敬意を持って彼に接した

玉記が何かあって実穂高に意見求めても、立派に助言を答えられるものを持っていた。やがてその噂は京でも聞こえ始めた。


その頃、賀茂の当主は亡くなった。

それでもその日、剣術の稽古には訪れた。だが木刀を振るう手は何処か震えて見えた

玉記は稽古を止めようかと声を掛けた。屈んで、実穂高の目線に合わせて言った

「父君が亡くなられたのだ。汝も辛かろう。無理せずとも良いのだ」


その時、玉記を見つめ返した鋭い眼と共に、初めて実穂高の年相応の子供のような顔を見た

「賀茂は我が父ではあらぬ。麻呂は孤児(みなしご)ぞ。兄弟らに負ける訳にいかん」

唯一の理解者だった大人を失い、今にも崩れそうな我が身を必死で固めて立っている。その孤独と心細さと、直向きに努力せねばならぬ身の上を察した


玉記は実穂高を抱き上げ、縁側に腰を降ろすと、そのまま膝に座らせ抱き締め、背を軽く叩いた

恐らく今まで誰にも甘えた事など無かったのだろう。実穂高は身体を強張らせていたが、やがて玉記の胸に顔を伏せ静かに泣き始めた。子供なのだから、子供のように泣けば良いのに。元服したからと言って、心が突然大人になるわけではないだろう。玉記は思ったがこの大人のような子の前では黙っていた

水師もそれに連れて縁側で玉記の側に座り、命令通りに口はつぐんでいた。足をぶらつかせながら、腰だけは玉記の温もりを感じられるように、さり気なくくっ付けていた


玉記はこの二人を愛しいと思った。親の無い子と、棄てられた子だ。どちらも互いより他に頼る相手が居らず、これから厳しい京で亡き義父の背負わせたものを背負って行くのだろう。せめて友であろうと思ったのだ



実穂高は今まで誰も特別扱いをしないように、誰をも愛する事を心がけていた。

だがそれはその奥に愛される事への恐れがあったからだ。この数日で気づいた。賀茂の義父は実穂高を大事にし、愛しているように見えた。だがそれは見返りを求める施しであり、結局は依存と甘えだった。実穂高の能力と器を良い事に、自分がすべき事を押し付け去って行った。


実穂高が他者をごく自然に受け入れようとする姿勢が、相手を驕らせる事があった。受け入れる事が従順に誤解される事があるのだ。そういう相手は実穂高を利用して良いと思うらしく、能力をこき使おうとして来る。それで誰とも一定の距離を取っている。

逸彦に自分を偽っていると言ったが、己もしている以上指摘はできなかった


どうしても、相手に感情移入してしまう。相手の気持ちを汲み取り過ぎる。我が心のように感じてしまう。そこに情を挟まないようにするよう心掛けていた。そうでないと決断できぬ


義父を失い、己の軸を義父に置いていたと気づいた。それでは駄目だと、己に軸を置く事を心がけた。己自身の心や感覚を鈍らせるものを避けてきた。もし逸彦が己にとって大切だと思い始めたら、己はまた軸を逸彦に置いてしまうのではないか。それは愛する事への恐れだ

誰かを執着したくもなかったし、誰にも執着されたくなかった。そういうものに縛られたくなかった。牢獄のような人生の中で、せめて心の内だけは自由でいたかった


孤立せず人に好かれるようにするならば、ある意味簡単だ。己の能力使って帝の前で宴の肴になるような余興をすれば良い。自分の能力でもし貝合わせ(:神経衰弱のような遊戯)などしたら、百的百中だ。あるいは何処か派閥に擦り寄れば。権力ある者に取り入り、適当にご機嫌取り、気に入られれば京では生きてける。だがそう言う生き方はどうしてもできない。


実穂高は言葉を信じなかった。結果主義だ。誰かが気持ちに触りの良い言葉を吐いても、その真意を見るまでは受け取らない。どんな言葉を言い、行ったとしても、結果に結びつくのはその者の真意だ。本人が信じている己ではない。だから、結果を見て相手を判断する。そのようにして今回の人員も選んだ。実穂高が討伐に誘ったのは、言った事を必ず行えると見立てた人物だけだ


実穂高は見せかけではない、真実の愛に憧れていた。そういうものに己はなりたかった。その心象が何処から湧いて来るのか知らぬ。だが完全なる愛ならばどう考え、行うのだろうかと思う。愛を美しいと思い、己が死ぬ時に恥じぬように今を生きる事をいつも考え生きていた。その為ならば目先の意地を棄てる事は厭わなかった。己だけは己を欺いたり裏切ったりはしたくなかった


己が、女としてただ一人の男を愛するという事

今まで自分を女とも思わなかったのに。女とはどういうものか、周りを男に囲まれて来て己は本当には知らない。外から見て損な立場で己が生きるにはそぐわないと思うだけだ。だが、この気持ちが今に始まった事ではないともわかっていた。四年前、宿世を観る事が出来るとわかって、水師の宿世を通して逸彦の存在を知った。あの時から、もう己の心は動き出していたと気づいたのだ。今も一刻も早く逸彦に会いたいと思う自分がいて、動き出した心を止める事はもはやできない。

それはより深く愛を体験して知りたいという望みでもあった。この先に己は何を見るのだろう。未だ見ぬものへの興味は先へと己を進ませる


人物紹介、決戦


逸彦…鬼退治を使命とし、鳥に導かれながら旅をする。宿世の記憶をずっと受け継いで生まれ変わりを繰り返している。移動は常に、山も崖も谷も直線距離で駆けるか木々を伝って行けば良いと思っている。寝る時は木の上

コウ…逸彦の心の中で逸彦の疑問に答えたり、導いたりする内なる声。コウは逸彦の命であり、鬼と戦う時刃(やいば)を動かしている。宿世「コウと共に」で登場

実穂高…鬼討伐の責任者。陰陽師。実穂高は実名ではなく通称

水師(みずし)…実穂高の側付きであり弟子。目指す相手の居所をわかる特技がある (宿世 和御坊、瑞明「コウと共に」に登場)


玉記…実穂高の京での信頼できる友であり、実穂高と水師の剣術の師 (宿世 小野篁「流刑」。水の龍 天河「コウと共に」にて登場)

天鷲(あまわし)…玉記の友人。従妹 (さかえ)の病の事を実穂高に依頼する (宿世 源信(みなもとのまこと)「上京」。地の龍 金剛「コウと共に」にて登場)


実穂高が集めた討伐の面々

宮立 父 太方(ふとかた)…亡き妻の口寄せを依頼して実穂高と知り合う。(宿世 宮地家の御当主で那津の義父「護衛」、村長(むらおさ)「桃語る」に登場)

宮立 倅 細方(さざかた)…(宿世 宮地家の息子でご当主、那津の夫「護衛」に登場)

津根鹿(つねか) …妻子出産の祈祷で実穂高と知り合う(宿世 宮地家の孫で那津の長男「護衛」の最後に登場)

西渡(さえど)… 妻の死体が蘇って歩き回ったという件で霊を鎮める祈祷を依頼し、実穂高と知り合う(宿世 男「桃語る」で登場)

佐織の翁…婆の病の相談で実穂高と知り合う (宿世 翁「桃語る」に登場)


伏見…親不知子不知の海沿いの難所を通り抜けるのに困っていたところ通りかかった討伐の一行と合流。自分達の領地周辺の鬼調査をしていたが、以降行動を共にする(宿世 布師見「城」に登場)

木ノ山…伏見に仕える。話しぶりが大袈裟(宿世 木之下「城」に登場)


(さかえ) …天鷲の従妹で幼馴染み。頭に鹿のように枝分かれした龍角を持つ。霊障による病で亡くなる (宿世 源信の妹、潔姫の生まれ変わり)

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