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短編集

私は花火が好きだ

作者: 月見里さん
掲載日:2023/07/28


 私は花火が好きだ。

 できれば、打ち上げた花火が好きだ。

 あのパッと開いた瞬間の音も。

 周りの喧騒を静寂にしたような轟音を。

 心臓が跳ね、肺が震えるような振動を。

 真っ暗な夜空に咲いた花。

 そう表現しても遜色なく、一切の翳りをみせない彩り。

 黄色、赤、緑、様々な煌めきが双眸へ舞い映る。

 そんな花火が好きだ。

 これだけでいいのかもしれない。

 だが、私にとって、一番好きな部分。

 それは、彩りや夏の風物詩や季語だからではない。

 たった一つの煌めきに心奪われたわけではない。

 むしろ、少しの嫉妬心が見え隠れするくらいには妬ましい存在である。

 なにせ、花火――彼らと言うべきか。

 彼らは、魅力的だ。

 魅せるのだ。

 たった一輪。

 されど一輪で。

 人々の注目を集める。

 そう、注目の的だ。

 それが羨ましい。

 花火が上がると聞けば、見に行く人も多く。

 屋台も並ぶだろう。

 並ばなくとも、大勢物好きは集まる。

 その轟音に、その花に。

 例え、種族。性別。年齢や生まれ故郷。背が高いか低いか。足が早いか遅いか。

 日本に生まれたか。

 それとも海外か。

 なんて関係なく、その場にいる人、音を聞いた人は一斉に空を見上げる。

 例え、国が違えど言葉を交わすことは難しくとも、その時だけは皆一緒。

 パッと開いた花を見上げるのだ。

 私はそれが好きなのだ。

 心はひとつにならずとも、見るものがひとつになった気がして好きなのだ。

 だから、私は花火が羨ましいし、ちょっと注目を浴びて妬ましいし。

 この上なく好きなのだ。

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