星を落とす少女
◆綺麗な星の瞬く夜空の刻の下で ◆ 星の瞬く夜空の空は
窓から見える景色はどれも開けた土地と田んぼや畑ばかり。
ただ、そこから見えるのはとても素敵に、人の築いたモノと自然が混ぜりあった風景がみられる。
ずっと奥に目線を上げていくと、高層住宅や車の小さなランプがとても際立っている。
そうして景色に浸っていると、トンネル。
真っ暗で電車の音しか響かなくなる。
ゴゴゴゴゴ、と、とても音がうるさくなり、そしてたまに耳に空気が詰まるあの感覚に口を大きく開ける。
トンネルを出るとまたあの綺麗な景色を目にすることができる。
車両にはほとんど誰も載っていないから好きな席の空いている位置に座れる。
四人向かい合わせの窓際の席に腰掛け、窓に肘を乗せる。
この街では、この輝かしい場所が、人々の集まる唯一の場所だ。
反対側の窓は打って違って、暗いだけなのでこの時間はこちら側に座っている。
景色を見ているとうっとりとする。
そんな気持ちで覗いているとまたトンネルが景色を遮った。
ゴゴゴゴゴゴゴ、………
ゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴ、
………………………………………………。
とても長い。
やっとこさ抜けた先は、先ほどとは全く変って夜空の世界。暗闇と星が続く可憐な舞台。
まるでプラネタリウムのような世界が広がっていく。
終点だ。
電車のアナウンスが鳴り響く。
この場所に帰ってこられるのも、あとわずかなのだな。
そう俺は思った。
薄着だった服装に、持ってきた上着を羽織り、厚着のコートを引っ掛ける。
プシューっと電車の扉が開くとすぐさま、空いた隙間から寒風が流れ込む。
あまりの冷たさに、口に手を当てた。
「わかりました。それでは、星を落として見せましょう」
駅を潜り抜けたところで一人の女の子が待っていた。
「お帰りなさい。」
いつもと同じように彼女は待っていた。
こうしていつも俺の到着を待ってくれる女の子。
とても優しい彼女と、まるでそれが習慣のように横に並んで星空の中を二人いっしょに歩んで行った。