表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/18

3

なんちゃって貴族設定で詳しくないんです。すみません…

セナお兄様にエスコートされて会場内へ私は姿を現した。


「ティナ、誕生日おめでとう。」

「ライアンお兄様、ありがとうございます。」


入ってすぐにライアンお兄様が居て話しかけられたので笑顔で返事をする。

ちなみに誕生日がデビュタントなのはたまたまである。


ライアンお兄様に会うのは実は久しぶりだ。仕事が忙しかったみたい。

すると、お兄様が頭をポンポンっと叩いたかと思ったら軽くわしっと撫でてきた。


「お、お兄様?」

「大きくなったな。」

「兄上。ティナの髪型が乱れるので気をつけて。」

「悪い悪い。」


軽く乱れた髪をセナお兄様が直しながらライアンお兄様に言った。

ああ、お兄様達は今日もかっこいいです。騎士服の正装は本当に性癖で漫画の中でも1番好きだった。

そんな眼福な時を過ごしていたらお父様が声をかけてきた。


「ティナメリア。先にレオンハルト殿下に挨拶をするぞ。」

「…はい。」

「…ティナ行こうか。」


幸せ時間から一転、憂鬱になった。それでも行かないといけないのでライアンお兄様に軽く別れを告げ、セナお兄様にエスコートされて王族のいる場所へ向かう。


遠くからでもわかるザ・王子様なカラーで、キラキラ輝く金色の髪にサファイアの様な青の瞳。そしてイケメン。私は別に殿下のことが嫌いな訳では無い。ただ、自分の破滅へと繋がる可能性のあるので避けたいだけ。万が一にでも好きにならないようにするため。破滅がなくともヒロインと結ばれるのは決まっている。私がいくら頑張ったところで無理なのだから。

そういったのもあってなるべく避けたかった。一番は破滅の未来のためだけど。

あと恋路の邪魔したくないのもある。


「殿下、こちらが先程話しておりました殿下の婚約者となる私の娘、ティナメリアでございます。」


気がついたら私はお父様に紹介されていた。


「お初にお目にかかります。ラインハルト国王陛下、レミア王妃、レオンハルト殿下。ご紹介頂きました、ティナメリア・エクセリードです。以後お見知り置きを。」

「初めまして、ティナメリア嬢。僕はレオンハルト・ルナメール。今後は婚約者としてよろしくお願いするよ。」



完璧な淑女としての礼と作り笑顔を向ける。それに対し殿下も作った笑顔だ。私の笑顔に少し驚いてた気もするけど。

ティナはこれに一目惚れしたのだろう。だけど私はそうはならない。お兄様の方がタイプだし…


なんて考えてたら陛下が声を上げた。


「本日は俺の息子のデビュタントでもある日によく集まってくれた。存分に楽しむといい。その前に一つ知らせがある。」


いよいよ、か。


「ここにいるティナメリア・エクセリード公爵令嬢は本日をもってレオンハルトの婚約者となることが決まった。よろしく頼む。」



少しの驚きと共に拍手が広がった。私はそれを受けカーテシーをとる。


「ティナメリア嬢、宜しければダンスをご一緒頂けますか?」

「謹んでお受けいたしますわ。」



パーティーの主役又は王族が最初の曲を踊る。その婚約者である私もそうであるから殿下が誘うのは必然。

本当はお兄様と最初に踊りたかったのだけど。

私を誘って踊り場へとエスコートする殿下は相変わらずの作った王子様スマイル。何考えてるかは読めない。


私たちが中央に来ると曲が流れ始めた。それに合わせ私たちは手を取り合い踊り始める。

ダンスは好きだ。踊ることが好きだったから。リズムをとるのはとても楽しい。

さすがに王子様なだけあって殿下のエスコートは完璧だった。

相手が殿下だけど普通に楽しい。公の場でダンスを踊るのは初めてだけど、思ったより楽しい。殿下は目の保養にもなるし。



どれくらい経ったのだろうか。時間は短かった気がする。一曲目が終わって、お互いに礼をする。そしてエスコートされてお兄様のいた方へ戻っていく。


このまま殿下のエスコートということはないのだと思う。今日のエスコートはあくまでセナお兄様だもの。

ダンスを踊る義務は一曲目だけ、それ以外は踊る必要は無い。


「おかえり、ティナ。とても素晴らしいダンスだったよ。」

「お兄様ありがとうございます。」

「ティナメリア嬢、今日は楽しんでいってくれ。また後日話でもしよう。」

「かしこまりました。殿下、本日はありがとうございます。ではまた。」



殿下が挨拶をしたので私も返す。殿下は私が少しでも長くいようとしなかったことに疑問を持ったのか少しあの王子様スマイルが崩れた気がした。



「ティナ、良ければ僕とも踊ってくれる?」

「もちろん、喜んで。」



セナお兄様が誘ってくれたことがとっても嬉しくなった。最初に踊れなかったのは残念だけど。


私は今度はセナお兄様にエスコートされて2度目のダンスをしにフロアへ向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ