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第六話 次の狩場へ

 それから二週間後。先週ちょっと強い魔獣が出てサイファーを使った以外は平和だった。


「遂に銅卒業だ」


 がっつりお金稼ぎをして、いよいよオール鉄ベースになるときが。


「いらっしゃい」


「鉄ヘッドと両腕、両方スタンダードタイプで」


「あいよ」


 ギルドへ。


「遂にオール鉄になったぜ」


「おめでとう」


 同期で仲の良い冒険者に話しかけた。


「となると次に進むかまだ残るかってところか」


「次にいこうと思う」


「じゃあ王都だな」


 オール鉄に変わったくらいでもう少し強い魔物、稼ぎが良い場所に移動するのが通例とされる。


「お前もそろそろオール鉄だろ? 王都へ行くのか?」


「いや、俺は冒険者をやめようと思う」


「急だな」


「はは、出来ちまってな」


「おめでとう」


「ありがとう。そういうわけで一般人に戻るよ」


 銅ベース、鉄ベース、銀ベースの期間は普通に働くよりお金が稼げない。


「冒険者じゃ食ってけないからな」


「そうだな」


 こうやって道半ばで冒険者を去っていく者も結構いるってベテランさんが言ってたな。覚悟はしていたが自分の身内でそうなるとは。なかなか寂しいぜ。


「今夜は俺が奢ろう」


 2日後、魔戦機を馬車に乗せ王都へ。


「がんばれよ」


「俺もすぐ追いつくぜ」


 ベテランさんや同期が見送りに来てくれた。やめろよ、俺そういうのに弱いんだ。涙腺を弱めながら馬車に揺られ王都を目指す。


「それにしてもデカイ馬車だ」


 馬三匹、15人乗りくらいの馬車。それに護衛の魔戦機が3体。


「それでも、よく考えると怖い状況だな」


 どんなに強い魔戦機使いでも乗ってなければただの人。簡単に殺せる。


「ハハハ、だから護衛は強い魔戦機乗りがつくのが当然になっているのさ。ただそれだと馬車代がとんでもないことになるからお国からお金が出てるんだ」


 護衛の魔戦機乗りの人が話しかけてきた。


「機体を見てみな」


 ふむ。ほぉ、こりゃミスリルか。銀の二つ上。


「ほへー、すごいですね」


「ぱっと見で分かるってことはお前さん、魔戦機乗りかい?」


「はい、まだオール鉄です」


「がんばんな。いつか俺以上になれるさ」


「ありがとうございます」


 その後、たまに魔物が襲ってきたが護衛の人が軽く撃退。

 そして旅を続けること5日。


「見えてきた。王都ワイトースだ」


 俺が住んでいた街より三倍は大きな街だな。さらにその街を城壁がぐるっとおおっている。


「検問だ。検査をする」


 街に入る前に馬車を止め検査を受ける。


「冒険者だな、よし」


 冒険者は埋め込まれた水晶を見せるだけでOK。楽でいい。


「全員問題ないな。通っていいぞ」


 再び馬車に乗り街の中へ。

 馬車から降り街を少し散策。


「はー、活気があるなー。市場か」


 様々な店があり沢山の人で賑わっていた。


「おっと、後にしとこう。とりあえず宿をとってからギルドへ」


 宿をとりギルドへ。


「ここもにたくさん人がいるな」


「受付はっと、あそこか」


 受付に話しかけた。


「いらっしゃいませ」


「魔戦機登録をしたいんですが」


「はい、では乗り場の方へ」


 受付さんに言われた場所へ。


「登録ですね。いくつか魔戦機が届いています。どの魔戦機でしょうか」


「コレです」


「了解しました。ではこの書類にサインを」


「はい」


 他、いくつかの手続きを終わらせる。


「お疲れさまでした。手続きは終了です」


 ここで魔戦機に乗れるようになった。


「よーし、これでここの冒険者だ」


 時計を見る、時間はお昼くらい。


「今日はのんびり街を散策するとしよう」


 ギルドから出る。ブラブラと街を散策中、非常に香ばしい匂いと遭遇、当然購入。いくつか買って公園へ。


「あーいう屋台の食べ物ってうまそうに見えるよなぁ」


 独り言をつぶやきながら串に刺さった肉を袋から取り出しかぶりつく。


「あー、たまらない。しまった、お酒も買ってくるべきだったか」


 まあ、まだ昼か、やめとこ。


「ここいいかな?」


 女の子に声をかけられた。周りのベンチは埋まっているな、しょうがない。って。


(この声はファティア王女!)


(ロイ様!?)


 なんでここに! 

 いや、それよりも落ち着け。声をかけられてキョドっていたらそれこそ怪しい。冷静に言葉を返すんだ。


「どうぞ」


「そっちも昼食?」


「うん、外で食べるサンドイッチは美味しくてね」


「ハハ、わかる」


 ふー、完璧な受け答えだ。少々良い服を着ているが、一目で彼女が王女と見抜けるような出で立ちではない。そう、王女にではなく19歳の、同い年の女の子と話す感じで。こうすることであなたが王女様だとは知らないよアピールを。


「私はここで臨時の守衛をしているんだ」


「へー、ってことは強いんだ」


「うん」


 その後楽しく談笑。


(さすがです、ロイ様)


(だろ?)


 アイから称賛の声。自分の才能が怖い。


「それでね、レフトレスさん」


 ばれてました。

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