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第三話 決着

「ひ、ひぃえあーー!」


 逃げ惑う兵達。なんか俺のほうが悪者みたいだ。


「お次は脚だ」


 脚は簡単。基本皆同じ高さだからだ。ただ、高速移動で足元を狙う場合、敵機にあたってダメージを受ける、事故る可能性はある。そこは注意だな。


「スシャン、ズバン」


 脚も切り離し900機の魔戦機が地面に転がる。


(強い! やはりロイ様は私の……)


「相変わらずよく切れる剣だ」


「もちろんです。最強の剣ですから」


 ゲーム上で最強の剣。そして機体は高機動、運営さんはホント良いものをくれたものだ。


「……」


 隊長機とおぼしき機体から全く指示が出なくなっていた。


「諦めたか」


「一分かからず900体戦闘不能になればそういう反応にもなりますよ」


「相変わらずでたらめな強さですね」


「何ていうかこの機体と非常に相性がいいんだよね。しかも楽しいし」


「「楽しい」ですか。それが強さの秘訣なんでしょうか」


「どうだろう」


「さて、残りもやってしまおう」


「はい」


 残りは100機ほど。ただ、先程と違って立ち位置がバラけているので一体ずつ切り刻むことになる。


「半球斬り」


 上から機体に剣を斬りつけ左腕、左脚、右脚、右腕と順次胴体から切り離す剣のスキル。これを一体ずつ。

 30秒後、100機の魔戦機が地面に転がった。


「やはりこちらのほうが時間がかかるな」


「ですね」


「後は隊長機だ」


「く、くるな!」


「シュワン」


「ガコーン」


 最後の一機を倒した。時間は一分三十秒。レベル分早く倒せた感じだろうか。


「さーて、帰るか」


 1000機の魔戦機を背に、俺は街へ帰った。


「乗れ乗れ!」


 相変わらず街はパニック中。その混乱に乗じてしれっと馬車に乗り込む。

 半日後、隣街に。


「この街もすぐ危なくなるだろうか」


「歩きで進軍しているらしいから今日くらいは大丈夫じゃないかな」


「そうか。1000機の魔戦機と人を馬車に乗せて進軍となるとたしかに速いが費用もかかるだろうからな」


「そゆこと。うちの国は500機って話だから無理せずとも倒せると踏んだのでは」


 ギルドでベテランたちの会話を聞き耳を立てていた。

 その後今日泊まる場所を確保した後、街の外へ。


「おまたせ」


「色々聞きたいことがある」


「俺はゲームの世界に飛ばされたのか?」


(わかりません。ウィズライズの世界なのか、それに似た世界なのか)


「レベル99の俺の魔力を持っている魔核と俺はどういう関係? 分離したとかそういう感じ?」


(はい、魔力だけが分離している状態です。そのおかげでレベル上げをまた出来るようになったようです。何故そうなったのかはわかりません)


 ゲームじゃ99までだったからな。まだ強くなるってのは楽しそうだがちょっと怖い部分もあるな。


「サイファーはまた呼び出せる?」


(はい、いつでも。ただし先程の戦闘で魔力を三分の一ほど使いました。全快するまでに約8時間かかるかと。もし0まで魔力を使った場合は魔力回復までに丸一日かかります)


「そうか」


 そいつは心強い。さすがに魔力による制限があるが。連続使用は出来ないってことだな。普段は使わないようにしてここぞというときに使うかんじだな。


「そういえばマジックバーストの魔力噴出量の上限が上がっていたようだが。99でこれ以上速くならないと思っていたんだがな」


「レベルによって変わるようですね。リミッターが設けられているようです」


「そういうことか。まだ速くなるわけだな」


(俺の声が聞こえる?)


(聞こえます)


「なーんだ、念じて話せば会話できるのか。外に出る必要はなかったな。さきにこれを試すべきだったか。まあいま思いついたんだけどな」


(フフフ)


「こんなところか」


(あまり力になれずすみません)


「いやいいさ。またなんかあったらおしえてくれ」


(はい)


 それから二日後。


「デソウ兵団1000機が壊滅したらしい」


「ほんとうか!?」


(情報がここまできたか)


「ただ、嘘か真か。一機の魔戦機の手によって壊滅したんだとよ」


「うんなの嘘に決まってるだろ?」


「そうだよな。俺もそう思っている」


「アレじゃないか? 情けない負け方したとかでその情報を隠すためにおかしな情報を流しているのでは」


「だよな」


(皆半信半疑、どころか全く信じてないな。敵機の視覚は潰していないから見られていたはずだが。まあ、それならそれでいいけど)


「とにかくだ。兵団の壊滅で戦争は終わり」


「街へ帰れるんだな。よかったよかった」


 それから2日後、街へ戻る。


「住み慣れたここが一番だ」


「だなー」

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