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大災害プロジェクト~異世界でモンスターを従えてみた! ~  作者: オにソース
アンデット領からの脱出
8/55

初めての戦闘は結構疲れた

「ク、クソめぇ。」


 良かった。かろうじて声は出た......。




 って全く良くねーよ!


 ヤバいぞヤバいぞ。油断大敵、因果応報、質実剛健!

 なんか最初のしか合ってないような気がするけどとにかくヤバいぞ!


 体はまったく動かない。顔だけは動けるようだ。しかしこれでは助けを呼ぶくらいしか出来ない。グッさんやもぐゾンさんは今戦ってるから、助けを乞うのは申し訳ない気がする。


 足りない頭をフル回転させるが良い案は出ない。


 さらにスカルラビット達は待ってくれるはずもなく、角に魔力のような物を溜めながら次の魔法の準備をしている。


 そしてついにその時は訪れた......!








「グッさーん! もぐゾンさーん! たーすーけーてーぇー!」


 その瞬間四体のスカルラビットが己の持つ最大威力の魔法を、ヒラタに向けて撃った。




「ギャアアアアァァァァァー!? あれ?」




 しかし魔法がヒラタに届く事はなかった。




 もぐゾンさんがその爪で魔法を受け止めたからだ。



「まったク世話のやけるヤツダナ。」


「もぐゾンざーん!」



 すぐさまスカルラビットたちは距離をとり、魔力のような物をチャージしようとするが......。



「おっと、俺も忘れるなよ?(そう)!」



 スカルラビットたちの魔石を鋭い草が貫く。



「グッざーん!ごわがっだよー」


「うるせいな。ていうか何で一体しか倒せてないんだよ!?」



 知るか! いきなりBランクをぶつけるグッさんが悪い!



「ところでグッさんたちの敵はどうしたの?」


「もうとっくの昔に倒してお前の戦闘を見学してたぜ。」


「酷くね!? もっと早く助けてくれよ!」 



 葉っ葉っ葉っと笑うグッさん。

 こいつ一発殴ってやろうか?


 と思って立ち上がろうとするが途中で倒れてしまう。



 初の戦闘は終わった。

 どうやら周りのスカルラビットは全て倒して、魔石も取り出しているようだ。



 今日は疲れたからもう寝るー。



「オヤスミ~Zzz」


「あ、こいつまじで寝やがった。人の苦労も知らないで、ブツブツ......。」




 ■□■□




「うーん、ここはどこ? 俺はイケメン?」


「多分中の中の下の上だと思うゾ?」


「いや失礼だなおい!? 後、何だ中の中の下の上って細かすぎだろ!?」


 はっ! しまったつい突っ込んでしまった。


「おう、元気になったじゃねえか。こっからは一人で歩けよ?」


 えー、つーかーれーたー!


 仕方ないので、もぐゾンさんの背中から降り歩こうとした瞬間!





 ぐーきゅるるーと腹がなる。




「腹減った! 飯!」


「どこの貴族だよお前は!?」


 と言いながら赤い魔石を投げてくるグッさん。


 赤い魔石を口に含む。




 む。



 むむ?



 むむむ!



 案外イケるぞ?


 この絶妙な酸味にほのかなりんごのような香り。水分はくどくない程度で始めはゴリゴリと大きめのりんご飴のような感じだったが、噛み砕いてもりんご風味は消えず、ざらざらとした砂糖のような食感がこれまた美味!

 つまり総合評価は!


「うまい!」


「当たり前だろ。火のスキル持ってる奴に火の魔石食わせたら美味く感じるもんだ。」


 なん......だと......。

 そうだったのか。

 どおりでなんか生の物だとは思えなかったんだよな。

 良く考えたらモンスターの心臓喰ってるってことだもんな。


「で、腹の調子はどうだ?」


 おっと、忘れていた。

 まぁ一つ食べたくらいじゃ腹は......。








 な......ん......だ......と......?


 俺の腹が膨れてやがるー!


「一つでお腹膨れたぞ!? どうなってんのグッさん!?」


 俺の質問に答えたのはグッさんではなく、もぐゾンさんだった。


「魔石はナ、一つ食べればどんな生き物の腹でも満たしちまうモンなんダ。」


「マジか!? 便利過ぎるだろ!?」


「さらに普通の食いもんと違って腐らねえからナ。重宝してんダ。」


 まさかの腐らないという特典付きである。

 日本どころか全世界が喜ぶ最高にして最強の保存食だな。


「さて、腹も膨れたところで説教いいか?」


「はい、来ました~。分かってたよ分かってたよ。大人しく聞きますよはい。」


 異世界の説教はどんな感じかな? 


「なら話が早い。ヒラタお前思ってたより戦えないんだな。」


「当たり前だろ。あっちの世界は平和でニートだったんだから。」


「まぁ良い。」


「いや良いんかい!?」


「大切なのは今じゃない。が、お前もずっとここにいる訳じゃない。少しは戦えないとな。」


「まぁそうだな。俺も世界を見てみたいしな。」


「だったらやる事は一つしかないんじゃ無いのか?」


「そのやる事とは?」


 悪い予感がよぎる。




 まさか。




 まさか。




 そんなまさかぁ!




「戦闘訓練だぁー!」


「嫌だぁー! 俺はぐうたらして生きるってきーめーたーんーだー!」


「知るかぁ! とりあえずはそのタマゴが孵っても良いように、帰ったらテイマー入門書を呼んどけ!」


 いーやーだー。参考書、入門書、きーらーいーだー。


「入門書が終わり次第、特訓だ! 俺ともぐらゾンビがきっちりしごいてやるからな。」


「覚悟しとけヨー。」


 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

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