仲間が増えました‼
「は、はは、初めまして。ヒラタイヨウと申します。」
人見知りスキルが発動!
全身骨のもぐらって結構怖い。
「オウ、はじめましてダナ。オレニ名前は無いガもぐらゾンビって呼ばれてル。」
もぐらゾンビか。ゾンビというかスカルじゃない? 肉なんて残ってないぞ? もぐらゾンビなら名前は、う~ん......これだな。
「じゃよろしくな、もぐゾンさん。」
「なぁ、思うんだがそのネーミングセンスなんとかならないのか?」
なんかグッさんが失礼なこと言ってるけど無視無視。
「別にオレハなんと呼ばれようトかまわないがナ。」
「まぁもぐらゾンビが言うならいいが。ところでもぐらゾンビ、今から魔石を取りにいくんだが一緒にこないか?」
コンビニ行く感じで誘うなよ。
「あァいいゾ。」
いいんかい!
「じゃみんな揃ったし行きますか。」
「あぁ、やつらの主な生息地はこっちの穴が一番近いぞ」
いや待てよ......何か大切なことを忘れている気がする。
そうそう、ランクだランク。
「なぁ、やっぱりさ敵はBランクでこっちは最大Cランクって勝てなくないか?」
「いや行けるだろ。」
「オレたち二人でモかなりの数を狩れるゾ。」
マジかよ。
待てよ?グッさんたちだけで勝てるという事は、何か勝因があるのか?
う~ん、思い付かないな~。
あ、レベルだ! こっちに来てすっかり忘れていたけどレベルがあったんだ!
ランクで負けていてもレベルがある程度勝っていたら、戦闘でも勝てる。となると二人のレベルが気になるな。
「なぁ、二人ともレベルはどれくらいあるんだ? ついでに相手のレベルも大体で良いから分かるか?」
「え?」
「エ?」
「え?」
「「レベルってなんだ?(なんダ?)」」
まさか......そんなまさか............!
「この世界にはレベルも無いのかああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「馬鹿野郎!穴の中で叫ぶなぁ!」
「やれやれだナ。」
テヘペロ。
■□■□
「こちら、食糧確保部隊。ただいま道無き草むらを移動中であります!」
「誰に話してんだよ気持ち悪い。後モンスターが来るからあんま喋るな。」
「いや気持ち悪いとか酷すぎるだろ!?」
「だからあんま喋るなっていっただろぉーがぁー!」
「どっちもウルセェッテノ。」
■□■□
「なぁ後どんぐらい歩かなきゃダメなの?」
だってかれこれ二時間は歩いてるぞ。生息地に近いって言ってたじゃん!
「お前が大声で穴を壊すからだ。一番近い穴が崩れたんだぞ。」
「キサマ、人のせいにするつもりか!?」
「いやお前のせいだから!?」
「お前ラ。こレ、隠密行動ダゾ。」
■□■□
「おい。あそこ見てみろ。」
「お、ウサギがいるじゃん!骨だけど。」
骨でできたウサギが一匹いた。心臓部分に赤い石が一つあるな。あれが魔石か?
あれ? よく考えたらなんで骨のもぐらより骨のウサギの方が強いんだよ。
「あいつがスカルラビットか?」
「あぁ、魔石と同じ色の魔法を使う。」
「普段は群れで生活してることからおそらくはぐれだろウ。一撃で仕留めるんダ。」
「わかった。おいヒラタ、見てろよ。」
どうやらこれからグッさんが倒すらしい。
まぁ二十数メートルくらいだから草をのばせば倒せるだろう。
「いくぞ、草。」
するとグッさんの詠唱直後地面から鋭い草が伸びてきて、ラビットの心臓の魔石を貫いた。スカルラビットは糸が切れた人形のように力無く倒れた。
「いやいやいやいや、グッさん強すぎません?格上相手に一撃って。」
「魔石を狙えば簡単に倒せるだろ。」
いやでもグッさんDランクであいつはBランクだよ?
さすがに一撃は......。
「おい、あっちに群れが見えるぞ。」
おぉほんとだ。
でもざっと二十はいるぞ?
「お前もスキルくらい使えるだろ?一匹倒してみろ。」
「いやいやムリムリ。この距離でこのランク差で。」
俺、異世界に来たばっかり! 戦い方分かんない!
「遠いなら近づけ。魔石を狙えば倒せる。」
うーん......やってみるか............。
グッさんの指示どおりゆっくり、草の間を静かに移動して一番近いやつから二十五メートルくらいの所に来た。
ここからなら当たるだろ。
そして慎重に右手を突き出しす。
「喰らえぇー! 炎球!」
「馬鹿野郎! 大声で宣言して撃つ奴がいるか!」
発射されたファイヤボールは見事敵に着弾。
そして煙が晴れるとそこには無傷のスカルラビットが!
「俺の炎球を耐えきっただと?」
さらに睨まれてます。
二十匹のBランクに。
「これってやっちまったやつ?」
「やっちまったやつだな。」
「しゃあないナ、なるべく消耗せずに倒すゾ。」
俺の初めての戦闘が始まったのだった。