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大災害プロジェクト~異世界でモンスターを従えてみた! ~  作者: オにソース
アンデット領からの脱出
5/55

テイマーになるために食糧確保

「それで、モンスターギルドってどこにあるんだ?」


 この世界に来てモンスターテイマーらしいことは何もしていない。


「残念だがモンスターギルドは東北の王都の中にある。ここからじゃ遠すぎる。」


 まじすか。


「だがモンスターテイマーの勉強ならここでも出来るぞ。何故か本があるからな。」


「いやなんで!?」


「知るか。気づいたらこの部屋に居たんだ。本がなんであったのかとか知らねぇよ。」


 衝撃の事実! グッさん出生不明!


「話戻していいか?」


「おう! いいぜ。」


「えっと......なに話してたか忘れたじゃねえか!」


 え、それって俺のせいなの?


「じゃ、モンスターがなんで復活したのか教えてくれ。」


 これはさっきからかなり気になっていた。モンスターだって親が子どもを生んで増えるものだと思うんだが。あれ? それじゃスケルトンはどうやって増えるんだ? もしかしてモンスターってリポップ制だったりするのか?



 いやいやゲームじゃないんだからリポップ制じゃないだろ。


「おう。ある日モンスターが突然爆発的に増えたんだ。オレのように出生不明でな。今まで倒したモンスターが復活したというリポップ説がもっとも有力らしい。」


 はい。リポップ制でした。


「しかもランクの低い種類ほど多く、ランクの高い種類ほど少なく増えたんだ。結構有名な未解決伝説なんだぜ!」


「いや、俺異世界から転生して来てるから分かんない。」


「で、お前が知りたいのはそれだけか?」


 そうだな。テイマー育成の本はタマゴが孵ってからでいいからな。


「グッさんって普段なに食ってんの?」


「モンスターを倒した時に出る魔石を食べている。」


「グッさんって友達いないの?」


「かなり失礼な質問だな。友達くらいいるぞ。」


「俺っていつまでここにいていいの?」


「別にお前が居たい内はここにいていい。」


 そうなのか。だったらここでテイマーの勉強をしながらのんびりレベル上げでもしてある程度強くなったら出てもいいのか。


 いや待てよ?


「グッさん、俺の食糧になるような物は無いのか?」


 もしもなければかなりヤバイ!

 のんびり過ごせなくなる!


「人間も魔石は食えるぞ?」


 あ、そうなのね


「ちなみに自分の属性に合った魔石の方が美味いぞ。」


 内に秘めたる魔力の相性が良いってことかな?



「ならさぁ。その魔石、取りに行こうぜ」




「正気か!?」


「いや正気だから!?」


「異世界に来た反動で頭おかしくなったのか? それとも元々か?」


「いや失礼だなおい。頭はまだ正常だよ」


 急にグッさんが失礼な事を言い出した。

 まだ会ってから一日も経ってないぞ?


「お前、外にはスケルトンがいるんだぞ?」


「スケルトンだってうじゃうじゃいるわけじゃないだろ?」


「デモンナイトとかもいるんだぞ。スケルトンには劣るがモンスターの中ではトップクラスの実力を持ってんだぞ。」


「見つからないように行けば良いだろ? グッさんだって今までそうやって魔石を取ってきたんじゃないのか?」



「............。」



「............。(無言の圧力)」



「分かった行ってやるよ。ただし隠密行動第一だからな?」


「おう! 飯がないとぐうたら出来ないからな!見つかって死ぬ気も無いぜ!」


「ぐうたらっておい。」


 いいじゃないかぐうたらで。

 安全な場所があるんだから。


「よし、早速行こうぜ!」


「まてまて、きちんと計画を練ってから行かなきゃ死ぬぞ。」


 ここから本格的なグッさんと俺との食糧確保大作戦が始まった






 第一段階、ターゲット設定。


「グッさん。それで魔石を落としてかつ弱い敵はいないのか?」



「いることにはいる。スカルラビットというモンスターだ。しかしやつらは個体ごとに属性が違う。対策の立てにくいモンスターになるだろうな。」


「おう。ちなみにそいつらランクは?」


「Bランクだ。」


「意外と高くないか?グッさんのランクは?」


「オレはDランクだ。」


「え、普通に勝てなくない?俺まだ戦えないよ?」


「問題ない。草魔法で音無く倒せばいい。」


「草魔法ってw」


「なに笑ってんだよ。」


「いや、ごめんごめん。ところでランクってさらっと言ったけどこの世界にあるんだな。」


「あぁ。ランクはEからD、C、B、A、S、SS、SSSまである。」


「なんかインフレし過ぎたソシャゲくらいあるな。参考までに各ランクの強さって分かる?」



「Eはモンスターの中でも雑魚だな。人間の子ども一人じゃきついくらいだ。Dはまあ大人数人が素手で倒せるくらいだ。Cは最も平均的な強さ。冒険者になるならこれくらいは倒せないとな。BはCから一気に強くなる。倒せたら町のヒーローだ。AはBから一気に強くなる。大型のモノが多い。複数のパーティーで倒すのが普通らしい。ただしひとりで倒す冒険者もいる。特にSランク冒険者だな。Sはもはや人では倒せないレベル。倒すなら軍隊が必要なくらいだ。だけどSランク冒険者は普通に倒すらしいぞ。SSは魔王クラスだな。でも過去に討伐された記録はある。それ以上はこの世界の神と呼ばれる者のみ有するランクになる。つまりSSSランクは神様だ。」


「つまり俺らは今から倒せたら町のヒーローになれるくらいのモンスターを狩るってことか。」






 第二段階、作戦。


「いや魔法で倒すにしてもさ、勝てなくないか二人じゃ。」


「いや、実はもうひとり仲間がいる。」


「おぉ、期待出来そうだな。」


「Cランクのモンスターだ。」


「いや無理だろ!」


「隠密作戦で行けば問題ない。乱戦は控えるぞ。」





 第三段階、緻密な計画。


「スケルトンの危険は?」


「大丈夫だ。やつらは四匹でアンデット領を回っている。なんの皮肉か、やつらはスケルトンの中でも警備らしきものをやっているため、スケルトンの中では雑魚らしい。」



「あの強さでかよ。まぁ四匹で回ってるんなら大丈夫かな。」





 第四段階、最終確認。


「戦力は俺(Eランクくらい)、グッさん(Dランク)、誰か(Cランク)」


「作戦は隠密行動だ。騒ぐなよ。」


「武器よーし、タマゴよーし、スキルよーし。」


「よし後はあいつを待つだけだな。」


「あいつってあのCランクの?」


「そうだ。待ってりゃそのうち来る。」





 ■□■□



 グッさんの家?で雑談しながらのんびりとしていると不意に気配を感じた。


「お、来たぞ。」


 そう言ってグッさんが草で一つの穴を指さす。

 そのグッさんの家? の穴から姿を現したのは――――


「おウ、見慣れないヤツがいるナ?」



 骨だけのもぐらだった。

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