テイムどころじゃねぇ
「む......ここは?」
おお、喋った!
喋れるってことはやっぱりある程度の知能はあるだろうな。
それにしても渋い声だ。
しかしどのタイミングで声を掛けたら良いか分からないな。
キョロキョロしてて状況が理解できてなさそうだからそろそろ。
「あのー......お目覚めになられましたでしょうか?」
ペン太・グッさん・もぐゾンさんの三人の視線を感じるが知った事か!
Aランクモンスターだぞ! 下手に出て殺されたらどうするんだ!
「ふむ、見たところお前が我を介抱してくれたようだな。」
「へい旦那。おっしゃる通りでございやす。あっしとそこのモンスター、全力で介抱させていただきやした。」
どこかのゴマすり商人みたいなしゃべり方になってしまう。
「ふむ、まずしゃべり方を崩せ。話しにくいだろう。」
おや? バレていたようだ。俺がしっかりしないといけないのに。
あいつらには任せられないからな。交渉役としてしっかり仕事を果たすぜ!
「おほん。では普通に話させていただきますよ。」
「ふむ、まずお前達の介抱に感謝する。恐らくあのままでは死んでいただろうからな。この礼はおいおい返すとしよう。」
ふっふっふっ。
しっかり恩を売る事が出来たようだ。まぁすぐに殺されるってことはないだろう。にしても近くでみるとなかなかにでけえなあ。見た目としては呪われた装備一式が動いてるみたいにしか見えないけどなぁ。
「そして、我に力を貸してはくれぬか?」
はい?
■□■□
こちら、アンデット領の大体東辺りのヒラタである。
いやー、俺達はデモンナイトさんの無茶ぶりによって自分から滝壺に飛び込もうとしてますよはい。
「いないポサ。やっぱり止めようポサ。」
そうだそうだ!ペン太の言う通りだ!
「ふっ、お前達の力を借りることが出来るなら心強いのだ。これが終わったら、デモンナイト一同から盛大に礼を弾む。そう渋るな。」
いやーチョットこれじゃあ礼を弾まれる前に死んじゃいますよ。
そう思いながらさっきから黙っているグッさんとアイコンタクトを取る。
(デモンナイトさんは俺達のことを強いって勘違いしてるみたいですけど、どうします?)
(どうもこうもここまで来たらもう引き返せねぇよ。テイムするぞ~って言った手前頑張って要求呑むしかないだろ?)
(死にますよ?)
(知るかい。逃げろ。)
アイコンタクト終了。
いやー俺って念話の才能あるかもぉ。
とまぁふざけてみるも状況は変わらず。
断ると怖いからやってるけど、どっちにしても怖いのは変わらず。礼を弾むと言われてるけど実際にその『礼』とやらを見てみないとねぇ? まぁどっちにしろ断ると怖いからやるけど。
「それにしても、これだけ探してもいないんだしもうどっか行ったんじゃないんですかねぇ?」
デモンナイトさんがこれで諦めてくれるとは思わないが。
「いや、奴らは一定のエリアを周回しているようだ。ここら辺で見て回っていれば必ずやって来るはずだ。」
いや毎回思うけどトンボかよ!
トンボだったら殺されることはないからいいんだけどなぁ。
まさか俺を殺そうとしたスケルトンを自分から探す事になるとは......。
さっき命からがら逃げて来たばっかりなのに......。
デモンナイトさんがボロボロになってたのはスケルトンにやられたかららしいです。良く殺されなかったな。
なんでスケルトンを探しているかというと......。
「デモンナイトの長はスケルトンの骨を持っていなくてはならないのだ。」
との事です。
つまり、スケルトンを倒してデモンナイトの長になりたいと。
全く、誰が考えたんだこんな危険なシステム......。
それにしてもスケルトンと戦うなら情報も作戦も必要だと思うんだけど。
「なぁグッさん。スケルトンってなんか弱点とか無いのか?」
グッさんならなんか知ってると思うんだけどな。
だってほら、困った時の草頼みって言うだろ?
「特に無いな。」
「無いの!?」
えぇ~、こういうのって普通はあるんじゃないんですか?
「ほ、ほんとに弱点無いのか? ほらなんかあるだろ? 些細なことでも良いからさ。」
弱点無しであの強さ。
多少足は遅いもののスタミナは無限だし、そこら辺のボス並みやん!
頼む! なんかあってくれ弱点。
「確かニやつは硬ク強ク弱点が無いように見えル。しかし全ての魔物ニ共通する事だガ、魔石を破壊されれバどんなに強くても必ず死ヌ。魔石ハモンスターの心臓見たいナ物だからナ。」
おや? もぐゾンさんから意外な情報が......。
でもスケルトンに魔石なんてあったか?
前にスケルトンを見た時は、魔石なんて無かったと思ったんだが......。
「どんなモンスターにも魔石はあるのか?」
「あァ、魔石の無イモンスターはいなイ。これは絶対的な常識みたいナ物ダ。オレにモ、お化け草にモ隠れているガちゃんとあるゾ。」
なるほど! 隠してあるのか!
まぁ確かに心臓丸出しで歩く人間なんていないからな!
でもあの骨だらけの場所に隠す場所なんて......。
「恐らく、スケルトンの魔石は頭部にあるだろう。」
おぉ! 確かに!
頭蓋骨の中は見てなかったな。
あれ待てよ?
頭蓋骨にあるってことはそれを割らなきゃいけないってことだろ?
「スケルトンの骨ってどれくらい硬いんだ?」
「さぁ?」
「知らないナ。」
「知らないペン!」
気落ちするような返事が返ってきた。
行き当たりばったりで割らなくちゃならないってことか。
ちょっとキツいな。よし、ここは俺が素晴らしい作戦を。
「それなら把握してある。それで少し我に策があるのだが......。」
ちょっと、俺の仕事取らないでよ。




