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異世界戦争  作者: Eigen
異世界召喚
7/15

 夜、私の部屋の扉をノックする音が聞こえた。

「王女様お飲み物をお持ちしました」

「どうぞ」

 私は言った。


 若者と目が合う。

 その瞬間、懐かしい顔だなと思った。

「圭介」

「冷夏」

 私は彼の声に耳を澄ます。

 やっぱり高校時代の恋人の圭介だった。

「まさか、こんなところで会うなんてな」

 圭介はそう言って床に崩れ落ちる。

 彼の持っていたワイングラスが床に落ちた。

 彼は泣いていた。

「どうして圭介がいるの?」

 私はそう言った。

「俺にだってわからないよ」

「あなたはまだ生きているんじゃないの? これは私の夢」

「俺はね。元いた世界で自殺したんだよ」

「奇遇ね」

 私はそう言って笑った。

「君も死んだんだ」

「そんな風に軽く言わないでくれよ。俺はお前がいなくなってずっと寂しかった」

「それだけの理由?」

「俺にだってわからないよ。まさかこんな奇妙な異世界でお前に会うなんてな」

「私もそう思った」

 私たちは抱き合った。

 そしてしばらくの間キスをした。

「ねえ、ワインを飲みましょ」

「俺も飲んでいいのかな? 俺はどうやらこの世界の召使いみたいだけど」

「いいのよ。身分の差なんて平成に生まれた私達には関係ないわ」

 圭介は床に落ちたワインボトルを拾った。

 それで栓を開けて、二人で飲んだ。

「お酒なんて始めて飲んだのよ」

「そりゃあ僕だってそうだけどさ」

「今夜は二人で過ごしましょうよ」

「大丈夫かな。俺は上官に命令されて、ここまで来たんだけど」

「いいのよ。私はこの世界の王女のエルザよ」

「エルザっていうんだ。俺はカミルって呼ばれたよ」

「お互い変な名前ね」

「そりゃあそうだよな」

 私は気分が高揚していた。

 王女という地位を手に入れてこうして恋人とも再会できた。

 他に望むことは何もない。

「ねえカミル」

「その名前で呼ぶのやめろよ」

「私達はこの世界に合わせなきゃいけないのよ」

「じゃあお前のことをエルザと呼ぶよ。変な気分だな。演劇でもやってるみたいだ」

「いいじゃない。もう死んだ私達には関係ないの。ねえ、どうだった? 死んだときは?」

「そりゃあ怖かったね。でも痛みを感じる前に意識が吹き飛んだ。しばらくの間意識はなかった。それで目覚めたらこの王国の城の中にいたわけだ」

「私とそんなに変わらないわね」

「俺はもう疲れたよ。ずっと部屋の掃除やら料理やら洗濯やらやらされるんだ」

「私は今日、演説をしていたわ」

「聴いてないな。どんな演説をしたんだ」

「隣国のフィレンシアと戦争を始めるっていう」

「そうなんだ」

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