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異世界戦争  作者: Eigen
プロローグ
3/15

 俺はお前のことを際限なく愛していた。

 誰の言葉も胸に響かない。

 すっかり感情を失ったようだ。

 それくらい俺は悲しい。

 お前と過ごした時を思い出す。


「圭介」

 いつものように礼香が俺に呼びかけてた頃を思い出す。

「なんだよ?」

「ねえ、誰かのために死んだらとか考えたことある?」

「考えたことないな」

 俺は当時自分が死ぬとかそんなこと考えたことなかった。

 普通にバスケやって勉強してりゃあいいと思っていた。

 だからそんな風な話をされても俺には無関係だと思っていた。

「この世界は不思議に満ちていると思うの」

 礼香はまるで何かに誘い出すように俺に問いかける。

「この世の不思議?」

「そう。不思議。だから私は考え続ける」

「考え続けてその先に何があるのさ」

「何か答えがあるのよ」

 礼香は珍しく本を読んでいた。

 俺は別に本なんか読まなかった。

 友達だって本が好きなやつなんかいなかった。

「どうしてお前は本なんか読んでるんだ?」

 俺は礼香に聞いた。

「別に。楽しいから」

「読書が楽しいか?」

「楽しいよ」

「俺には退屈だね」


 そんな会話をいつかしたのを思い出す。

 少し死に関わることを礼香が言っていた。

 いったいあれはなんだったんんだろうと俺は思う。

 なんだか悲しくて憂鬱な気分だった。

 それで俺はそんな気持ちを吹き飛ばそうとあらゆることを考える。

 あの時、礼香が言ったみたいに。

 俺の思考は止まることを知らない。

 ただ繰り返して考え続ける。

 そこに意味があるのかないのかどうかすらわからない。

 それで、俺は何を考えたらいいのかわからなくなるまで考え続けた。


 気づくと朝になっていた。

 最近時間間隔がおかしい。

 礼香の死から徹夜でただぼんやりとすることが多くなった。

 一応学校にも通っている。

 部活にも顔を出す。

 徹夜明けで部活をやるのはしんどかったが、それでも俺は疲れたとか思わなかった。

 いったいこれはなんだと思った。

 俺はどうかしていた。

 自分でもそう思う。

 なぜだか俺の気持ちは高揚したり鬱屈したりを繰り返した。

 練習中に俺が休んでいると一人の女の後輩のマネージャーが話しかけてきた。

「大丈夫ですか? 圭介さん。なんだか最近疲れているように見えますけど」

「そんなに寝てないからかな」

「部活休んだ方がいいんじゃないですか。何かの病気かもしれませんし」

 マネージャーはそう言った。

「そいつは恋人を自殺で失ってへこんでるんだよ」

 俺の同期の友達はそう言った。

「それは辛いですね」

 マネージャーにそう言って、俺にタオルを渡してくれた。

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