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それから戦争が始まり、私の権威は失墜し、圭介が権力を手に入れて、帝王となった。
私はフィレンシア王国に逃亡した。
フィレンシアにいるレナルドと私は組み、そしてフィレンシアの大衆に対して、演説を始めた。
「あのゲルマニア王国を滅ぼすのだ」
私はそう言って、笑った。
誰も私には逆らわなかった。
全てはレナルドの策略だった。
そして私は自分が波動を腕から出せることに気づいていた。
会食が終わりレナルドが私を呼ぶ。
「お前が軍を率いるのだ」
二人きりの部屋の中で私は彼に波動砲を撃った。
轟音が響きわたり、レナルドは煙となって消えた。
あまりの威力に私はおどけて見せた。
「レナルドは?」
上官が次の日そう言った。
「さぁ?」
しばらく王国ではその話題で持ち切りとなった。
「あのゲルマニアを滅ぼすのです」
私は演説を続けた。
別に権力が欲しいわけじゃない。
この世界を終わらせようと思った。
このくだらない世界を。
私は死んで無という自由を手に入れる。
圭介。
わかってくれるよね。
私は君を愛している。
もうこの世界に未練はないの。
君と過ごしてきた日々は何にも増して代えがたかった。
それで美しい日々だった。
もう終わりよ。
これから先の人生はないの。
この世界から二人で逃げ出しましょ。
最後に待っているのは、お互いの消滅よ。
ゲームを始めましょ。
二人きりの愛に満ちた残酷なゲームを。
君のこと大好きだった。
レナルドは死んだわ。
フィレンシアの国民は数千万人いるけれど。
君の方が大事なの。
それで、私は最後に君と愛し合って死にたいの。
だからロマンを求めてるのよ。
何かに陶酔したいの。
わかってくれるでしょ。
楽しい日々だったよね。
最後にあの父親のことを殺しておけばよかった。
それだけが私の後悔よ。
さよならを言いに来たの。
君の支配するゲルマニアを私は滅ぼす。
それで私も君と抱き合いながら、この波動砲で死ぬのよ。
きっと君も同じことを考えているんじゃない。
お互い一度死んだ身だもんね。
さよなら。圭介。
私は君が好きだった。
私はいつの間にかこのフィレンシアを意図も簡単に支配してしまったわ。
権力闘争には向いているのかもしれない。
ねえ、私達は魔法使い。
死ぬべき運命だってわかるでしょ?
今すぐにでもあなたに手紙を書きたいの。
壮大に滅ぼしあいながら最後に死にましょ。
それとも今すぐ死んじゃおうかな。
すべてをうちゃっちゃって。
そんなことを私は考えた。
もうこのお話を終わりにしたかった。
そして最後に圭介とのラブストーリーをしたかった。




