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異世界戦争  作者: Eigen
穏やかな日常
14/15

14

 昼食を食べ終えた後、私は圭介と散歩をした。

「エルザ。お前はこの国を支配してどう思った?」

「別に。ここは死後の世界よ」

 圭介は少し浮かれているようだった。

 私はなんだか疲れていた。

 会議も戦略もよくわからないし、どうでもいい。

 それより穏やかに圭介と過ごしていたかった。

「私のこと礼香って呼んでよ」

「別にどっちでもいいんだけどさ」

 私は正直王女という身分が嫌だった。

 国を統治するとか正直いってよくわからない。

 しかも圭介は腕から炎を出す魔法使いになっている。

 いったいなんなんだろうと思った。

「どうしたの? 礼香?」

「別に。なんだか疲れているのよ。ここ最近」

「もうじきルクセルを占領するんだ。俺たちの国は?」

「どうして占領しなきゃいけないのよ」

「そりゃあそれが俺たちの使命だからだ。一刻も早くフィレンシアから解放しなきゃならない」

「でも代わりに私たちがそこを占領するんでしょ」

「そういうルールなのさ。世界には決まりがある。それで歴史で繰り返してきたように、人々は支配と侵略を繰り返すのさ」

「ずいぶんと嫌な世界ね」

「そうでもしないとどうにもならないのさ。現に俺達だって国民を支配しているだろ?」

「そりゃあそうだけどさ。私にはどうでもいいのよ。何もかもが」

「君の演説は凄いって評判だぜ」

「知らないわよ。そんなことは」

 私はなんだかここ最近疲れていた。

「もう帰らない? ベッドで眠りたいの」

「いいよ」

 私達はそう言って二人で王室に戻った。

 私はベッドにうなだれる。

 なんだか頭痛がした。

 理由もわからない。

 生きていること自体がしんどい。

 こうして権力を手にしてもなんだか不安なままだ。

 このまま私たちはどうなるのだろう。

 そんな不安しかなかった。

「圭介」

 私は彼を呼んだ。

「何?」

 彼は返事をする。

「水を持ってきて」

「そんなものは召使いに頼め」

「私はあなたに持ってきてほしいの」

 私は圭介が水を持ってきている間、ベッドの中に潜り込んだ。

 正直、午後の今この瞬間が一番幸せだった。

 でもふいに父親にレイプされたことを思い出して嫌な気分になる。

 私の中にはまだ憎悪が根強く残っている。

 そして私にも力があれば戦争をできるのになと思った。

 どうせなら父親を殺してから自分も死ねばよかったと思った。

 でもあの時はそんな発想すら思いつかなかった。

 それほどショックなことだったのだ。

「水持ってきたよ」

 圭介はグラスと水入った瓶を持ってきた。

「ありがとう」と私は言う。

 そしてグラスに注がれた水を飲み干した。

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