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異世界戦争  作者: Eigen
プロローグ
1/15

 死んだのか?

 彼女が消えた。

 この世界から。

 礼香。

 俺の彼女だった。

 大好きな目が大きくて少しつんつんしてクールな細身の女。

 そいつが急に姿を消した。

 高校三年の俺と一緒のクラスだったが、もう来なくなってしまった。

 俺たちは付き合っていて、一緒に教室で勉強したり、デートしたりしていた。

 それがこの様だ。

 先生は「礼香さんは行方不明になってしまいました」なんて言っていた。

 俺には到底信じられやしない。

 だってあんだけ好きだった彼女が消えるなんて、どう考えたっておかしい。

 拉致でもされたのか?

 なら俺はその国をぶち壊しに行こう。

 俺が愛していた、俺だけの彼女。

「圭介」

 いつだって礼香は俺のことを呼び捨てにした。

「なんだよ?」

 俺は答える。

「君のこと好き」

 俺は普通に照れる。

「俺だって」

 次の言葉が出てこない。

 相変わらず俺はシャイだなと思う。

 それでまぁとにかく、いなくなった彼女がどこに行ったのかわからないまま、夏が明けて秋がやってくる時期になった。

 夏休み明けの教室に彼女がいないのは寂しい。

 俺は時折物悲しくなって涙を流した。

 それも人前でだ。

 俺の好きだった彼女はいったいどこへ行ったんだ?

 それだけが疑問だった。

 まさか神隠しにでもあったのだろうか?

 彼女が自殺なんてするわけない。

 それだけはわかっている。

 あいつはそんなやつじゃない。

 ちゃんとしっかりしている。

 一体あいつに何があったのか。

 未だに礼香がいなくなって一か月以上たったが音さたはない。

「死んだんじゃねえの?」

 クラスメイトは俺にそう言った。

「そんなわけないだろ」

 俺は冷静にそう返事をする。

「どうしちゃったんだろうな? ただの家出とかならいいけど」

「あいつが家出したいなんて俺は今まで聞いたことがない」

「じゃあ誘拐されたのかな?」

「可能性はあるな。あいつは美人だからさ」

「なんでお前と付き合ってたんだろうな」

 友人は俺にそう言って笑う。

 そんなことはどうでもいい。

 今の俺にとっては彼女が帰ってくることだけが重要なんだ。

 それ以外のことはどうでもいい。

 俺は一人で寂しく授業を受ける。

 いなくなった礼香と一緒に食べていた昼食も一人で食べる。

 パンを食べているとき、俺はまた泣きそうになった。

「また一人で飯食ってんのか?」

 そう言ってくるクラスメイトもいた。

「悪いか?」

 俺はそう言った。

「いつまでも礼香のこと考えていてもしょうがないだろ?」

 そいつは諭すように言った。

 俺には到底受け入れがたいことだった。

 どうして礼香はいなくなったのか。

 それだけが問題だった。

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