三題噺 (お題:高校生、パイ投げ、金曜日)
こんにちは、葵枝燕です。
ひさしぶりに、三題噺を書いてみました。……とはいっても、随分前に書いたものに、加筆を施したものですが。
ジャンルは、[文芸(コメディー)]にしたのですが……よくわかりません。クスリとでも笑ってくれたら嬉しいです。
あ、お題は、高校生、パイ投げ、金曜日です!
後書きに内容などなど書いていますが、完全なるネタバレなので、どうか本編を読んでから読んでくださいね!
それでは、どうぞご覧ください!
今日も、その時間はやって来た。金曜日、六限目開始のチャイムが鳴る。その瞬間、多分校内全体に緊張が走る。
廊下から、慌ただしい足音が響いてきた。あいつの足音だとわかっていたから、僕は机上のそれに手を伸ばす。そして教室のドアが開く音がした。摑んだそれを投じようとした僕の視界が、一瞬で何かに覆い尽くされる。僕を嘲笑う、あいつの声。
「サヤ、十点の減点よ!」
僕の通う杯名華高等学校は、一応この辺りでは有名な進学校だ。授業内容が近隣の高校に比べると数段難しい上に、長期休暇のほとんどが講座で消え失せてしまうという、遊びたい盛りの高校生には監獄のような学校だ。その分、進学には有利なのがせめてもの救いだった。
ただ一つ、毎週金曜日の六限目に行われる授業を除けば。
どこの教室にも、必ず時間割表なる物は掲示してある。そこの金曜日の段の一番下には、「Throw the PIE!」なる言葉が記されている。直訳すれば「パイを投げろ!」となるが、つまりはそういうことだ。
金曜六限目の授業とは――パイ投げである。
パイ投げと聞くと、いかにもお遊び、いかにもおふざけ――みたいなものを想像するかもしれない。僕も、入学してすぐの頃はそう思っていた。しかし、だからといって、ルールが全く無いわけではない。あくまでこれは、授業の一環なのだから。そのルールを、いくつかここでまとめてみたいと思う。
その一。この授業は学年対抗である。一年vs二年vs三年で戦う。自分の学年以外の生徒に投げて見事命中すれば、その当てられた生徒の所属する学年が十点の減点となる。当てたからといって加算されることはなく、延々と減点されるのみだ。パイの色は学年ごとに異なり、一年が青、二年が赤、三年が黄色となっている。ちなみに年度が替わっても、学年ごとのパイの色は変わらない。
その二。競技場は学校敷地内のみである。校外に出てしまうと、一秒ごとに一点の減点となる。たとえ逃げるためでも校外に一歩でも出れば、一点マイナスされるのだ。
それ以外にも色々とルールはあるのだが、まあいいだろう。
ともかく、これが、僕の通う高校の謎な授業なのだということを、知ってもらえればそれでいい。
「夏野! てめえ、卑怯だぞ!」
「どんくさいサヤが悪いのよ!」
僕は顔に張りついた青いパイを落としながら、教室の出入口に立つ女子生徒に叫んだ。彼女の名は、東海林夏野。パッと見、どこが名字かわからない氏名であるが、もちろん東海林が名字で、夏野が名前だ。
「もう授業は始まってんの。学年対抗なんだし、あたしがあんたに当てても問題はないでしょ?」
「ここ、西棟の四階だぞ! お前の教室、一階だろ! それも東棟!」
東棟の一階から西棟の四階に来るには、いったん外に出てから西棟に入るか、東棟の二階にある渡り廊下を使って西棟の二階に行きそこから四階に行くかしか方法はない。どちらにしても、走って最短十五分は掛かる。もちろん、運動部の男子を前提にしてのタイムだ。それを女子である夏野は、チャイムが鳴ってからわずか数分でやってのけた。女子とは思えない。
そう思った瞬間、またパイが飛んできた。慌てて避けたが、僕の後ろの席の鶴賀くんの顔面に、そのパイは見事に命中した。
「はい。これで、マイナス二十ね」
「鶴賀くん、無事かい?」
「避けていればよかったよ……」
ルールその三。学校の備品に、パイを当ててはいけない。壁、天井、黒板、机、窓、扉など、学校に溢れるありとあらゆる備品にパイを当てた場合、五点の減点となる。しかもその上、後片付けもしなければならない。
もし今、鶴賀くんが避けていたら、後ろにあった壁に当たり、投げた夏野の所属する一年生側にマイナス五点が入っていただろう。惜しかった。
「じゃ、あたし行くわ。サヤに一回でも当てられたならそれでオッケー」
「僕ばかり標的にしないでくれ!」
「あんた、狙いやすいんだもの。じゃあね」
爽やかに背を向ける下級生を、僕はパイでぐちゃぐちゃの顔で見送るしかなかった。
授業終了後、校内放送で結果が発表される。今回の発表担当者は、放送部部長の春山さんだ。
「今週の[Throw the PIE!]の結果を発表します! 一位は、一年生! 何と減点無しです、素晴らしい! おめでとうございます!」
春山さんの声が、明るく結果を伝える。しかし、その直後、春山さんの声のトーンが僅かに下がった。
「最下位は三年生。二千三百五十四の減点です。来週は頑張ってくださいね。以上で、今週の結果発表を終わります。皆さん、お疲れ様でした。今回の発表担当は、放送部三年の春山実珠津でした」
僅かに下がった声音を、最後は何とか戻すようにして、春山さんの発表は終わった。その瞬間、教室は落胆と後悔とに包まれ、クラスメイト達は溜め息を零した。
東海林夏野という脅威が現れてから、僕達学年は一位に君臨したことが一度もなかったのだ。それどころか、毎回ビリだった。
「お前、あいつの姉だろ? 何とか言ってくれよ」
僕は、隣の席で文庫本を読んでいる女子生徒にそう声をかけた。彼女は顏も上げず、本のページを捲る。
「わたしが何か言って、それをあの子が納得すると、本気で思っているの?」
東海林夏凛。僕のクラスメイトであり夏野の姉だ。髪の短い夏野とは対照的に、黒く真っすぐな髪を太ももまで伸ばしている。男の子っぽい夏野とは、色々な面で全く違う存在だった。
「それに、わたしには関係ないから」
夏凛は、このパイ投げ授業に参加していない、数少ない不参加者だ。この授業の間は、ずっと文庫本を読んでいるか、何やら勉強しているかで、教室の自分の席から一歩も動かない。理由を訊いても、「興味がないから」の一点張りで、本当のことは教えてくれない。
それ以前に、どうやって彼女が不参加者になれたのかも疑問だ。不参加者というものは、どの学年にも一人以上はいる。理由は、「持病があり、医者に激しい運動を止められている」というのが多い。この制度を利用するには、担任に書類を提出し、その後校長と教頭二人、生徒指導担当教師三人と担任の、計七人の教師との面接をクリアしなければならない。もちろん不参加者になりたい理由が「面倒くさいから」では、通るはずもない。同様に、「興味がないから」という夏凛の理由も、それだけでは不参加者の資格が得られるわけがない。本当に、謎だ。どうやったというのだろう。
「わたしは帰るけれど、彰祐はどうする?」
いつの間に帰る支度をしたのか、学校指定の鞄を肩にかけた夏凛は僕を見ながら言った。
「わっ、ちょっと待て」
僕は慌てて、鞄にペンケースやら教科書やらを詰め込んだ。制服である紺のジャケットに手を伸ばし、今日は置いて行こうと思い直した。ジャージとトレパンの方が楽だ。
「そんなに慌てなくても、ちゃんと待つわよ」
「でも、待たせるのはほら――何か悪いし」
そう言いながら鞄を肩にかける。そうして、夏凛と二人、教室を出た。
翌日は土曜日。進学校であるうちの高校にしては珍しく土曜講座もない。一人でのんびりしようと思っていたのだが……。
「何で僕は外にいるんだろうか……?」
「あたしが買い物に誘ったから」
「何で片手に三つずつ紙袋を持っているのだろうか?」
「あたしが荷物持ちをさせてるから」
「何でこういうことになっているのだろうか!?」
「うっさいわねぇ。サヤは、か弱い乙女であるあたしに、重いもの持てって言うわけ?」
か弱い? 乙女? それが自分を指してる言葉だとしたら、絶対間違ってるぞ夏野! むしろ真逆だ!
なんて言えば、腹に一突き、顎に一発、両頬に手の痕が付くと判断し、僕はその言葉を飲み込んだ。しかし絶対こいつを、か弱い乙女だとは思えない。これは確実だ。むしろ男の僕よりも力があるような気もする。
「貴重な休みだぞ。何で連れ出されてんだ僕は」
ぼそりと不満を零すが、夏野は聞こえないふりだ。大体、いきなり家に押しかけてきて「サヤ、買い物行くから荷物持ちして」だなんて、語尾に八分音符かハートマークが付くぐらい軽く言ったのは夏野だ。もっとも言葉と裏腹に、目や拳は思い切り脅しをかけてきてたけど。それに屈して従ってしまったのは僕だけど! ああ。貴重な休みが崩れていく。さようなら、僕のホリデイ……。
「ていうかサヤ、姉ちゃんにあたしを説得するように頼んだんだって? 何考えてんの? 本気で言ったんだとしたら、バカ以外の何者でもないわね」
うっ。何で僕は、年下なはずの女にここまで言われて何も言い返せないんだ! 弱い。弱すぎだぞ、佐屋彰祐!
「まあ、あたしはあの授業で一番に狙うのは、いつもあんただって決めてるから」
「迷惑だ! 僕のことも考えてくれ!」
「サヤが一回でもあたしに当てられたら、考えてあげてもいいけど?」
その口調は「まあ、サヤには一生無理だと思うけど」という意志が込められまくりだ。悔しいが、言い返せない。夏野に当てるには、夏野の瞬発力に打ち勝つことが最低条件だが、一生かかってもクリアできそうにない。
「で、この荷物はどこまで運べばいいわけ?」
「あたしの部屋」
「お前の部屋って、玄関から一番離れてるじゃないか!」
「そうね。安心して。お礼は何もないから」
「ただ働きかよ! せめて麦茶の一杯くらい……」
「絶対あげない。荷物運んだら帰ってよね」
横暴だ! この女には、幼馴染みで年上の僕に対する気遣いとかないのか!
僕は、諸々のことに打ちのめされながら、六つの紙袋を夏野の部屋に運び入れた。そして、本当に何のお礼もないままに、東海林家の立派な邸宅を追い出されたのだった。
日にちは過ぎ、再びやって来た金曜日。そして、魔の六限目はあと十分で始まろうとしていた。僕は、上下を学校指定のジャージとトレパンに着替えて席に着いた。隣には、いつもと変わらない様子で本を読む夏凛の姿がある。
「何読んでんだ?」
「『源氏物語』よ。いつか原文で読もうと思っているわ。『枕草子』とかも読んでみたいけれどね」
「へ、へえ……」
『源氏物語』も『枕草子』も、平安時代に書かれた作品だよな。それを原文でってことは、崩し字とかいうので読む気なのか。夏凛の考えることはわからん。ある意味、夏野より理解しがたい人間かもしれない。
「そろそろ鐘鳴るけれど、わたしと喋っている暇があるの? 随分と、余裕なのね」
「鋭いよな、夏凛」
一回でもいい。夏野に一発当ててやりたい。そんな、言葉では簡単なことが実際にはできないんだから、本当に悔しくなる。
そんなことを思っていたら、六限目開始を知らせるチャイムが鳴った。僕は、机の上の黄色のパイを手に取った。
今日こそは、当ててやる!
奴の、夏野という脅威がやってくる、足音が聞こえてきた。
「今週の[Throw the PIE!]の結果を発表します!」
放送部副部長の笹木さんの声が響く。
「一位は、何と三年生! 約一年振りの首位に返り咲きました! 減点は、十です。おめでとうございます! そして最下位は、残念ながら我らが二年生。九百二十五の減点です。来週は頑張ってくださいね。以上で、今週の結果発表を終わります。皆さん、お疲れ様でした! 今回の発表担当は、放送部二年の笹木ことりでした」
結果発表が終わると、クラス全員、いや、おそらく三年生全員が飛び上がったに違いない。一年振りに一位になったのだ、その喜びは半端ではないだろう。
結果をいえば、あのとき僕は夏野にパイを投げることができなかった。投げようとした、僕のその手からパイが突然消えたのだ。そして気が付くと、夏野の顔に黄色のパイが張りついていた。そしてそれをやったのは、予想外の人物だった。
「夏凛、ありがとな」
僕は、隣の席に座っている幼馴染みにそう声をかけた。
「別に、彰祐のためにやったんじゃないわ。あの子に、少しは彰祐の気持ちを考えてほしかっただけ」
顔色を変えずに夏凛は言う。でも、夏凛のおかげで、夏野に一発当てるという僕の願いの、半分は叶えられただろう。いや、投げたのは夏凛なんだし、半分なんてもんじゃないか。九割ぐらい、夏凛のおかげだ。
それにしても、パイが命中したときの夏野の顔は、本当に傑作だった。あれで茫然としている間に、かなりの数のパイを喰らってたからな。それでよけいに本領発揮できなかったのかもしれない。しかしそれでも二位か、どうせなら最下位にしてやりたかった。
「この間――先週の土曜日、だったかしら」
夏凛が、唐突にそんなことを口にした。後半は自分自身に確認するような小さな声だったので、僕はそれが僕に向けられた言葉だということに、一瞬気が付かなかった。
「あの子が荷物持ちさせたでしょ? 何もお礼をしなかったみたいで、申し訳ないことをしたわね。ごめんなさい」
「……ん?」
先週の土曜日、あの子、荷物持ち、何もお礼をしなかった――……? それってもしかして、夏野に紙袋を合計六つも持たされた、あの日のことか?
そう問おうとしたのだが、僕が口を開くよりも夏凛の方が早かった。
「わたしがいたら、そんなことはさせなかったんだけれど……。それにしても、あの子は本当、手がかかるわ」
「ちょっと待て、何で知ってる?」
夏野が、自分にとって不利なことを夏凛に教えるとは思えない。夏野曰く、夏凛は「怒ると途轍もなくこわい」らしいのだ。怒られることがわかっていながらそれを教えるほど、夏野はバカではないだろう、多分。じゃあどうして、夏凛はあの土曜日のことを知っているのだろう?
そんな僕の疑問に対して、夏凛は「なぜそんなことを訊くのか理解できない」というような表情をちらりと浮かべた。そして、さらりと、
「あの子の姉は、わたしよ。そのぐらい、わかるわ」
と、何の躊躇いも見せずにこう言った。それをきいた僕は思う。
――なるほど、お見通しってわけね。
「でも、いいのか? 不参加者はパイ投げ授業に関わっちゃだめなんだろ?」
正確には憶えていないが、不参加者はパイ投げ授業に参加してはいけないのだ。参加者が不参加者に当てるのも、不参加者が参加者や他の不参加者に当てるのも、それぞれに禁止されているはずだ。もしもそれを破ってしまうと、参加者が不参加者に当てた場合は、当てた参加者の所属する学年に百五十の減点が入る。逆に、不参加者が参加者や他の不参加者に当てた場合は、当てた不参加者の所属する学年に百五十の減点と、不参加者資格の剥奪が言い渡されることになっている。そんなリスクを冒してまで、パイ投げに参加しようとする不参加者はいないだろう。
「ああ、そのことなら心配いらないわよ。不参加者の資格を取り下げてもらったの。これでわたしも、思う存分あの子と戦えるわ」
事もなげに言い放つ夏凛を見て思う。ああ、すっかり忘れていた――と。
夏凛と夏野の二人に、唯一ある共通点。見た目も、性格も、頭の良さも、何もかも正反対なこの姉妹のたった一つの共通点。
東海林夏凛も、東海林夏野も、共に負けず嫌いであること。
だからこそ夏凛は諸試験の一位の座を譲らないし、夏野も体育系の競技では記録を塗り変え続けている。夏野はともかく、夏凛にまでそんな一面があることを知っているのは、もしかすると僕だけかもしれない。
「でも、ありがとな。すっきりしたよ。今度は、自分の力で夏野に当てる」
夏凛に手伝わせるなんて、男としてはかなり微妙だ。だからこそ、今度は僕の力で当ててやりたい。そう決意を新たにする。
「サヤには無理だ」
「へ?」
その呼び方、その声、その話し方は、東海林夏野そのものだった。僕は驚いて、横にいる夏凛を見る。
「あの子なら、そう言うんでしょうね」
夏凛が、物真似をした!? 珍しい! ああ、すごく貴重な瞬間だったのに! でも、姉妹であるせいか、やっぱり夏野に声が似ている。一瞬、本当にびびった……。いや、夏野なら、言葉より先に手足が出るんだろうな。想像したら、寒気がする……。
「帰りましょう。念の為、あの子にばれないように」
「ああ……うん、そうだね……」
多分、怪我するのは僕だけだな。いくら夏野でも、実の姉に怪我をさせるなんてことはないだろう。その代わり、僕に二人分のダメージは与えるはずだ。
そんなことを思いながら、僕と夏凛は教室を出た。オレンジ色の夕日が、明るく外を染めていた。
『三題噺 (お題:高校生、パイ投げ、金曜日)』のご高覧、ありがとうございました。
今回のお題は、高校生、パイ投げ、金曜日でしたね。簡単にまとめると、「とある高校で金曜日の六限目に行われる謎な授業の正体がパイ投げで、パイ投げと幼馴染みの女子二人に巻き込まれる男子高校生の嘆きと決意の学園ライフに迫ってみる」という感じですかね。
例によって、登場人物について語ることといたしましょう。
主人公で語り手の佐屋彰祐は、高校三年生の男の子です。彼は、呼び名の“サヤ”を先に思いつき、そこから名前を考えました。最初は、名前を“サヤ”にしようと思っていたのですが、気に入る字がなかったので名字に変えました。しかし結局、“サヤ”と呼んでいるのは一人だけという……。そして色々と不憫な感じ……。
次に、東海林夏凛。サヤと同い年の女の子で、サヤとは幼馴染みです。彼女に関しては、話し方というか口調というかをなかなかつかめなくて、すごく大変な思いをした記憶があります。
最後に、東海林夏野。夏凛さんの二歳下の妹で、体育会系で、元気が取り柄で、サヤに対してだけワガママ娘です。彼女に関して、ここで特に語ることはないと思います。人柄は、充分に本編でわかっていただけたかと思いますし。
放送部員の春山さんと笹木さんは、この話を書き始めた当初は登場しないキャラクターでした。何で名前を付けたのかは、もう思い出せないのですが、きっと何となくで付けたのかもしれません。
それから、パイ投げ授業のルールについて、本編で書けなかったものも紹介したいと思います。
ルールその四。教師に当てても減点。校長だったら二十、教頭だったら十五、その他の職員(事務員等含む)なら十と、それぞれ減点されます。ちなみに、教師はパイ投げに参加してはいけません。でも、年度最後のパイ投げは教師チームとして、参加を許されます。つまり、一年vs二年vs三年vs教師陣、という構図になります。
ルールその五。もし同学年に当ててしまった場合は、ノーカウント。だから、サヤが夏凛に当ててしまった、また、その逆がもし起こったとしても、減点はされません。
ルールその六。一人のパイの持ち数に制限はなく、また、同じ人に同じ人が何発当ててもOK。だから、夏野がサヤに何発当てても問題はありません。ルールですので。
出そうと思ってつくっていたルールは、こんな感じでしょうか。こうやって設定を色々盛り込むのは苦手とするところなので、頭の中をゴチャゴチャにしていた気がします。
最後に、今回舞台となった学校“杯名華高等学校”ですが、ちゃんと理由があってこの名前になっているんです。結構、個人的には頑張ってつくったつもりなんですけど……どうなんでしょうか。
さて、この話が投稿までに至る経緯を話すと、多分こうなります。この話を書き始めたのは、二〇一三年十一月三十日のことのようです。ちなみに、この物語のネタを思いついたのは、当時通っていた高校で、でした。きっと、勉学そっちのけで考えたんだろうと思います。それはさておいて、「なろう」で書き始めたのが、二〇一七年四月二十七日ですね。それから、完成したのが、二〇一七年十月十六日。そして、投稿日が今日、二〇一七年十二月二十二日――毎度のことながら、いくら何でも放置しすぎだろ、自分……って思います。だから、下書きがたまっちゃうんですね、きっと。気を付けないといけません。とりあえず今回に関しては、どうしても金曜日に出したい!、をズルズルと引きずっちゃったんですよね。
さて、実は第四弾は案だけつくって放置しています。少しかわいい話を書きたいなとは思っているのですが、三年以上放置しているのでどうなることやら……。気長に待っていただけると嬉しいです。
この度は、ご高覧、ありがとうございました!