表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/15

謎の新婚生活(?)

 ギャグ・若干BL要素あり?

 可哀想な男の子の話。

「……はっ!?」


 気づいた時には白い謎空間にいた俺。

 周囲を見渡すが、何もいないし何も感じない。


「ここはどこなんだよっ!」


 俺、獅童(シドウ) (ライ)は頭をグシャグシャと掻き乱していた。

 こちとら平々凡々な普通の高校生だぞ!?

 ちなみに毎回入学式の時にカッコいい名前だね、なんて言われてる。けど女子たちが影でガッカリしてるのを、俺は知ってるんだからな!

 イケメンじゃなくて悪かったな!

 自分で言っといてあれだけど……俺のガラスのハートがっ。

 つか、あれっ? 良く見たら遠くの方に人がいるわ。


「すみませーん」


 声をかけてから、俺はそのことに後悔した。


「!? オカマ!?」


 そこにはピンクのフリフリドレスを着たおっさんオカマがいた。


「って速っ!」


 ボ○トもかくやというスピードで俺に迫ってくる。……早く逃げねぇと!

 鬼のような形相で逃げる俺だったが、あっさり確保される。


「うっふーん、かわいい子ねぇ」


 強烈なキッス攻撃を受け、俺はその場に倒れた。



******



 気がつくと俺はベッドに寝かされていた。そして耳元にやたらと生温かい息が当たっているような……。

 俺は寝返りを打った。


「はぁい、坊や。寝顔がとっても可愛かったわぁ!」


 オカマだった。

 間近で見ると化粧が濃く、化粧と香水の入り混じった匂いがひでぇ。


「あの……なんで一緒のベッドに寝ているんですかね?」

「坊やが倒れちゃったからぁ、看病してあげてたのっ。なぜかベッドだけはあったから、そこに寝かせて、私も寝たのよぉ」


 逃げようとすると、オカマはがっちりとした筋肉で俺を挟み込み、放さない。

 あ、終わった。

 俺はそう思った。



******



 謎の白い空間に閉じ込められてから、数週間がたった。

 俺たちがなぜここに閉じ込められたのか、何をさせたいのか。そういった目的は、今のところ一切分かっていない。


 幸いにしてオカマは紳士らしく、襲われてはいない。……助かった。

 食料などもあったので、どうにかオカマと仲良く二人で生活している。


 このオカマ、案外性格は悪くないのだ。悪くないのだが、やたらとくっついてきてうっとうしいし、暑苦しくて叶わない。


「雷くーん、ご飯できたわよーん♡」


 キッチンのある方から、なにやら声が聞こえてくる。俺は作業をとりやめ、片付けながら声に応じた。


「いちいちハートマークを飛ばすんじゃねぇ! まぁ、わかった。今行くわ」

「はぁい」


 キッチンに向かうと、今日もふりふりのピンクのエプロンを着て、料理をしていたらしい。


「ふふふっ、雷くんのために丹精込めて作ったのよ」

「アリガトウゴザイマス」


 キッチンテーブルに座りながら、俺はあることに気がついて愕然とした。


 ……俺の勘違いじゃなかったらいいんだけどさ。

 今、オカマと新婚生活みたいになってね?


 俺はその事実に、ただただ頭を抱えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ