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極秘の医療チーム

「朝霧先生、ちょっといいですか」


「うん、どうかしたー?」


「実は華椰葉が自己治癒術を習得したいらしいんですが、治療班への紹介ってもうしてますか」

「いいや、してないよ。そんな話初めて聞いたし」


「まだ、言ってなかったのか」

ボソッとつぶやく


「憂斗が紹介を薦めるなんて珍しいね」

「華椰葉はそのポテンシャルがあるとみたからです。自己治癒は高度な忍術使いじゃないとできないですから。身体への負担になる可能性が高い故、誰にでも薦めるわけではないです」


「高度な忍術使いねぇ~」

とニヤニヤする。


「別に自分がそうって言いたいわけじゃないですからね」

「うんうん、わかってるよ!」

「はぁ」


この人はおちょくるのが好きだなと呆れつつ


「しかし彼らが了承してくれるかが問題だな。 憂斗はさ伊賀家の最有力候補だから率先して支援されてたよね」


こうも切り替えが早いから、なんか疲れるんだよなと心の中で愚痴る


「はい」

「忍者の家系でもセンスのない奴は初回で追い出される。まぁ初回に参加できただけでも超貴重なんだがな」

「華椰葉はセンスの塊です」

「センスに関しては私も申し分ないと思う。しかし、忍者の家系でないものに彼らが教えてくれるかどうか」


「それは先生がどうにかしてください」

「げっ、私? 私より憂斗が言った方が了承してくれるはずだが」


この人は何を言っているんだという軽蔑の目で先生を見る

「朝霧先生が喧嘩を売れば、誰もが尻尾巻いて逃げますよ」

「過去のことを掘り返すな」

「先生のせいで学年ごとに別々の学校になったんですからね」

「なんか私をすごく恨んでないか? あ、そうだ! 今すぐ憂斗が会いたくてたまらないってあいつらに伝えに行ってくる!」



「……逃げた」




後日


「んあぁ! 憂斗に治療班への打診されてたこと忘れてた!」


バンッと扉を思いっきり開けて外に飛び出した

そして、

廊下を走る朝霧先生


「やっべー急がないと」


そして治療班の部屋の前に到着する


コンコン



「朝霧でーす、開けてくださーい」



コンコンコン



「いますよねー」



ゴンゴンゴン


ドンドンドン


ドォンドォンドォンバァンバァン!!!




カチャ




「ちょっと、ほんとに怖いんでやめてもらえます?」

か細い声が聞こえる


「あ、すまない。実は急ぎの用で」


「一色さんの件ですか。それはもう了承しておりますので」


「え、そうなの」


「はい。では」




パタッ




「憂斗やるな」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「ということで、華椰葉の行けるタイミングで治癒術の練習してきていいからな」


「ほ、ほんとですか! ありがとうございます!」


「礼は憂斗に言っとけ。治療班の奴らはむず痒い人らだがいいやつらだ。慣れるまでは辛抱だな」


「はい! がんばります!」


「今日にでも行くみたいな目だな」



ギクッ



「今日はだめだ。休む日はしっかり休めよ」


頭をポンっと叩いて、そのまま去っていった






「わーい! 自己治癒自己治癒らんらんらーん!」


廊下をスキップして歩いていると曲がってきた人物とバッチリ目が合った


「楽しそうだな」


ひとりでスキップなんかしちゃって少し恥ずかしくなるが

まずは感謝を


「治療班への打診、ありがとうね」


「別に大したことじゃねぇよ。なかなか華椰葉が自己治癒術の練習の話しないからまさかと思って確認しに行ったら、先生本当にすっぽかしてんだもん」


「先生のことも段々つかめてきた気がするなぁ!」

「あの人に規則性を求めない方がいいぞ」


2人で先生について話せばお互いに笑顔になっていた




「……あと、その、今更なんだけど」

笑っていた憂斗が急に真剣な顔になる


「ん? どうしたの」



「華椰葉が転校してきた初日、失礼なことを言ったの本当にごめん」



一瞬ハッとした表情になるが、またすぐにいつも通りの温かい笑顔になる



「ううん、あの一言で憂斗が忍者とはどんなものか教えてくれた気がする。だから私、」


「……私、頑張るね!」


華椰葉の尽きない探求心に、少し呆れたようにも楽しみにも見える笑みをこぼし、

「おう、応援してる」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「ここが治療班の部屋ね」

部屋の位置については紹介されたもの以外知らないらしい



「この学校に治療班がいるの知ってるの私と憂斗と今伝えた華椰葉くらいだから! 口外禁止で頼むぞ」



「確かにここは見つけられないな……」


コンコン


「ごめんくださーい」


「……」


「留守なのかな」

「一色です! 一色華椰葉です!」


カサっ


「地味に音が聞こえる、中にいるのね。忙しいのかもしれないし、少し待ってよーっと」


1分ほど待つと



カチャ



ゆっくりと扉が開く


「あなたが一色さんね。ようこそ、入って」

「はじめまして、お邪魔します!」


気だるそうな白衣の女性に案内されるままついていく


そして、突き当りの部屋の前で立ち止まり暗証番号を入力すると

スーと扉が開く



目の前にはいかにも”医療”という景色が広がる



「うわぁ! すごい、いろんな種類の薬剤がずらり」


軍でも見たことがない薬品も並び目を輝かせていた


「まずはお話をしたいから。一色さんはその椅子に掛けて」

「はい! ってそれにしてもこんなに離れていたら話しにくくないですか?」


華椰葉の椅子ともう一つは机を挟んで10メートルほど離れている


疑問に思ったがこれが普通なのかと自己解決させた

「よいしょ」

華椰葉が座ったその時





ウィーン


カチャ





「え?」



「あの、これ……なんですか」




華椰葉の手首と足首は頑丈な鉄で固定されていた





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