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目の前の現実



ジャンク屋の面々との話し合いへと向かったレンやリンの居なくなった研究所で、新しいアンドロイドについて1人頭を悩ませるネリ博士。



そんな悩める博士の元に、怪しい影が─!?





─第5話─


ネリ博士研究所。



レンとリンと193型が出発し、静かになった研究所内で博士は黙々と作業に勤しんでいた。


193型よりも、より高性能なモデルを開発しなければ、日に日に進化するA.I.には対抗出来ないだろう事は博士自身が良く知っていた。



30年後の自分が開発していた913型、通称ウカには到底及ばないまでも、何とかレジスタンスの力にもなってあげたかったからだ。


ウカの解析をしながら、何とかこの時代の最先端と言える193型までは到達した。


後はどうやって、会話を成立させるか?頭を悩ませても一向に答えは見えなかった。



作業をしながら、コーヒーを啜るネリ博士。


今日もまた頭を悩ませながら、どうしても解けない難問に立ち向かっていた。



そんな時、ふと背後に気配を感じる。



誰も居なくなったはずの、研究所内にお客も来る予定はない。



気になって、研究所内を歩いてみると、昨日にはなかった本が、今は眠る動かないはずの、ウカのBOXの上に置かれている事に気が付いた。



忘れ物だろうか?端末を使い、レンやリンに連絡を取ろうとした時に、目の前にフードをかぶった怪しい影が現れた。



『ネリ博士だな?』



その声の主は、驚きの表情をするネリ博士に回答の間を与える事なく話を続けた。



『この本のページをめくるが良い。お前の運命について書かれている。必要とあらば、この本を頼れ。自ずと、答えは見つかるやもしれん。』



そう告げると、影は一瞬で目の前から消えた。

少し動揺を隠せないネリ博士は、幼い頃から幻想や幽霊の類に関しても、信じてはいなかった。



『なんの事だ?』



馬鹿馬鹿しいと思いながらも、好奇心に負けたネリ博士は、その本を手に取っていた。


怪しい影に言われた通りに分厚く、若干埃っぽい表紙をめくる。


そこには、白紙のページがあるだけで、何も書かれては居なかった。



だが─

目の前の白紙に、不意に文字が浮かび上がる様子を見る事になる。




【予言書】

壱、2960年に貴方は異界へ旅立つ


弐、貴方は転送装置を開発する事になる



『なんだ、コレは?』



目の前で起きている現実に、少々頭を混乱させながらネリ博士はその本に夢中になった。



今まで、予言や占いなど信じては来なかった。



目の前で起きる、実験結果が答えの全てであり、真理なのだ。


そう思っていたはずだった。



しかし─

現実問題目の前でフードをかぶった怪しい影は消えた。


目の前で、見知らぬ本のページから言葉が浮き上がって来た。


コレを信じずして、何を信じると言うのか。



そんな学者魂よりも、浮かび上がった文字に目を奪われていた。



転送装置とは、一体なんだろうか?



時空を飛び越える力を持った機械を、自らの手で作り出せると言う事なのか?!



そう思うと、やはり私は天才なのだ!



顔には自然と笑みが溢れる。


ウカの解析も大事である。


新しい戦闘アンドロイドも開発しなければならない。


今はそれよりも、転送装置の方が気になっていた。



『さて。どこから取り掛かろうか?』



声にも嬉しさが乗り、久しぶりの鼻歌を口ずさみながら、やり掛けていた作業を再開し始めていた。


コーヒーがカップから無くなった事も忘れ、いつしかフードの怪しい影すら忘れ…。



そう。


何事もなかったかの様に。


何も気にせず。





博士の元へと現れた、予言者─



一体、何の目的で現れたのか─!?



今後の展開を、お楽しみに─



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