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第13話
「多分、もう追っては来ないと思う」
…追って?
…追ってって、あの男のこと…か?
身を隠すため、中に入った。
彼女はそう説明してきたが、整理したいことが山ほどあった。
一旦落ち着こう。
俺は頭の中で、さっきのことを思い出せずにいた。
思い出せないっていうか、思い出したくなかった。
多分、…いや、…恐らく、なんだけど…
包丁が刺さってた
そんなこと、普通は起こり得ないよな…?
でも、実際に見たんだ。
その「光景」を。
「…あの」
「ん?」
「お前、…しおりだよな?」
暗い部屋の中で、ぼんやりとその顔が見える。
疑ってるわけじゃない。
しおりで、…間違いない。
見間違えることなんてない。
…絶対に。
「彼女は、もうこの世界にはいない」
……………
………
…は?
…………いない?
……いないって、………………どういう
「あの男が「誰」か、まずはそこから説明しないといけない」
…そんなの、決まってるだろ
ただの不審者だろ?
金か何か、物色しに来たんじゃ…




