第9話 この村をシメる 悪ガキ共
「さ、今日は宿題を準備した。提出日は、明日だ。みんな、頑張って解く事。」
そう言って、全員にテキストを配る神官だった。
「ええーっ。」
不満たらたらの子供達。ブーイングを飛ばすだけだ。
「なんでだよぉ~~。そんなもんヤらなきゃならねぇんだよぉ~~。」
「いいかい。これは、君達の為なんだ。学んだ事を、家でも繰り返す事で、見に着くんだよ。」
「BowBowBow。」
不平不満を垂れ流すものの、神官には逆らえず、宿題を持ち帰る子供達だった。
* * *
「ちっ、つまらねぇ。なんだってコンなもん、やんなきゃならねぇ。」
「こーゆーときは、アイツだよ。アイツで、ウサをはらすにかぎるぜ。」
大人顔負けの下卑た含み笑いを漏らす悪ガキ共だった。すると……
「おっ、ヤクタタズのヤツ、カワラで、サガシモノか。」
「そんなら、てつだってヤンねーとだな。キシシシッ。」
川原で探し物をしている子供の背後から、抜き足差し足忍び足で近づく悪ガキ共。
「そーれ、やー!」
そうして、十分近づいた所で、飛び掛かって突き飛ばそうとする悪ガキ共。
ドボンと川に落ちた。
「えええええっ!」
「なんで、オレタチが、カワに。おちてんだよォーーーー!」
川に流される悪ガキ共だった。
* * *
当然だ。先刻、彼等が見つけた『川原で探し物をしている僕』は、『幻影』だ。
更に、川の上にも『幻影』を被せておいた。彼等が、川に落ちたのは、その為だ。
「オイオイ……オマエ、オレタチを、たすけるのかよ……。」
「すまねぇ……いままで、オマエのこと、ひどいことしちまった……。」
これが、彼等を助けて恩を売った事に対する答えだ。予想通りだな。
* * *
次回予告
第10話 10歳になりました
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