第13話 戦闘 精神世界内:その1
今宵も、寝静まった所を見計らった上での作業だ。『錠前』を開ける……おっと、その前に、『錠前』に『罠』が、かけられていないか、確認しておこう。念の為……念の為……
ふぅ……特に、問題無い。では、『防御結界』……その内部に、ダイブ!
……………………で、ここが、奴の心の内、いわゆる『精神世界』だ。が、こう言う事か。
成程、こんな物が、あれば、安心して油断できるってものだ。
要するに、奴の『精神世界』には、『守護者』が鎮座している。これは、実体を持たない『魔法生物』で、『自立行動』が可能だ。これが、『結界』の核であり、常に主を守っている。
「おひおひ……そりゃ、要するに、高度なAIだとでも言いたいのか。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
ちなみに、僕も似た様な物を持っている。常にバックアップを取り、非常時には、バックアップからの修復さえも可能にしてある。やはり、いきなり『魔法』をかけなくてよかった。
「汝ニ問ウ……本当ニ記憶ナノカ。」
よし、予想通りだ。僕は、奴の精神に送り込んだ『守護者』を通じて、内実を見聞きしている。『守護者』にかけた『偽装』が、効いているのだろう。この隙に……
「汝ニ問ウ……」
よし! 完成した! これでも喰らえ!
『防御結界』!
「……ム……コレハ、閉ジ込メラレタ、ノカ……」
敵『守護者』の言う通り、僕と、敵『守護者』を包み込む球場の『防御結界』を形成した。
「その通り。この『防御結界』から脱出しない限り、お前の主に事実を報せる事さえできない。更に、『これ』を解除するには、僕を倒すしかない。そう言う訳だ。」
「Do you understand?」
「理解したか、『デク人形』。」は、「Do you understand?」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某奇妙な冒険とも無関係に相違ない。
「……訂正セヨ……我、『デク人形』ニ非ズ。我ガ名ハ、『カシミール』ナリ。」
「ほぉ……いっちょ前に、『名前』があるのか。だが、『イキり』など実力が伴わなければ、無意味だぞ。まず僕に、手傷を負わせてみたまえ。話はそれからだ、『デク人形』。」
「……『第二級戦闘形態』……『変換』……戦闘開始!」
突然、背中の隠しスリットから、バーニアと、マニピュレーターを先端に付けた多関節腕を生やしたバックパックを、出現させた『人型』の『守護者』……『カシミール』。
* * *
次回予告
第14話 戦闘 精神世界内:その2
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