第11話 ブリング・モントルー・グレート・プリースト
ブリング・モントルー大司祭……それが、貴族の名前だ。
これは、ランブル神官の基へ、届けられた手紙に記載されていた。
要するに、こいつは、貴族出身だが、何らかの問題があって、宗教家になった訳だ。
問題と言えば、『跡目争いに負けた』等が、考えられる。が、それは重要ではない。
最優先事項は、僕の『魔法』が、『貴族』にも『通用するか』。その一点のみだ。……否! 『貴族』に『魔法』をかけるには、如何にすればよいのか。それこそが、最優先事項。
モントルー伯爵の居城から、馬車で出発し、馬車で通れる道のみを通る。その前提で、考えれば経路は、1つないし2つに絞られる。そこに『網』を張っておけば良い。
後は、寝込みに『魔法』をかけるだけだ。最低でもそいつの『防御結界』を調査する。
「おひおひ……随分、『貴族』の養子にこだわるじゃないか。『貴族』を全否定した癖に。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「残念ながら、平民のまま『世直し』をしようとすると、『市民革命』しか手が無い。すると、『魔法』を使える『貴族』から『蹂躙』される。そんなに、『屍山血河』を作りたいか。」
などと言う無意味な指摘に事実を被せる者などこの世界に存在しない。
* * *
予想通りだ。モントルー大司祭……奴は、馬車を2台用意している。1台は、自分と使用人。もう1台は、荷物だ。貴族にしては荷物が少ないのは、奴が『追放』されたからだろう。
そこで、夜になり奴と使用人達が、寝静まった頃合いを見計らって行動を開始する。
まずは、『念視』だ。ここは、ギャロー村から、10日程離れた村だ。奴は、そこの村長宅に、宿泊している。ここも、『魔法射程内』なので、問題無く機能する。
念の為、教会から村長宅を監視。全員が寝静まった所で、行動開始。明りが消える事暫し待つ。『状態』を感知する『魔法』で、眠っていると確信し、今度は村長宅に切り替える。
よし、眠っている。あれが、モントルー大司祭だな。そこで、『魔力探査』を使う。
これは、『魔法道具』や『維持中の魔法』の存在や内容を、『探査』する『魔法』だ。
これで、『防御結界』を『探査』する。…………おぉ! 凄い! 5……6重だ!
これが、『貴族』……流石に、『魔法』を使えない平民とは違うな。が、僕とて『魔術』の、『達人』たる『自負』がある。突破するさ。その『6重防御結界』をな。
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次回予告
第12話 『6重防御結界』
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