第84話「クロノストリガー構成員VS紫電&レイア組」
戦闘回だーー! たいへんだー! ネタが無いぞ!
まぁ何とか書きます。
黒いローブを羽織り、それぞれの武器を構え、こちらに向かってくるクロノストリガー。
紫電達もそれぞれ武器を構えて応戦する準備をしている。
蓮もどこからかトンファーを構えている、が…ここは病院だ。
廊下にいるとはいえ、入院している患者さん達がいる中での戦闘は絶対にできない。
「紫電、どうします? このままだと此処にいる患者さんが巻き込まれてしまいます」
「どうするも何も…」
紫電はそう言って、交戦距離に入ったクロノストリガーの一人に急接近し、白雪で切りつけるとそのままの勢いで廊下の窓へ回し蹴りで蹴っ飛ばす。
ガシャンと大きな音を立ててクロノストリガーの一人は外へと投げ出され、落ちていった。
「戦いながらどうにかして外に出るしかないだろ」
「あの、紫電。ここ三階なんですが…生きてますか、あの人?」
「いえ、お嬢様。どうやら生きていらっしゃるようですよ?」
鈴の視線の先には、先程落とされた者が切られて三階から落ちたはずなのに痛みを感じていないかのような動きで立ち上がる様子が見えている。
「…あれは人なのでしょうか? 紫電様に切られ、三階から落ちたはずなのにまるで動きに変化が無い」
「奴らは痛みなんて感じません。そういう風に、体をいじられているんです」
廊下で激戦になりながらも会話している紫電達。
…さては案外余裕だな? アンタら…此処、病院ってこと忘れてないか?
「弄られている、ね。どういう事だ?」
「クロノストリガーの連中に心はありません。感情が無ければ、痛みや恐怖を感じることがないから…。だから、奴らはただ、与えられた命令に従うだけの組織の操り人形です」
「要するにクロノストリガーの上層部がただ単純に屑野郎の集まりってことか。胸糞悪い話だ」
「現代にも痛みや恐怖を和らげる薬はございますが…完全に遮断する物があるとは聞いたことがありません」
「クロノストリガーが独自に作った薬なんです。代償は心と感情…」
「重い代償だこと、それにしても一度壊滅したという割には数が多くないか?」
「何人かは倒してもすぐに復帰してきている者達ですが、確かに数が多いですね。クロノストリガーに人員を増やしている余裕なんて無かったはず」
そう蓮が考え始めた時、一際大きい声が紫電達の耳に聞こえてきた。
「ウオォォォォ!!」
「あれは…アイツは! 何で…何で生きているんだ!?」
「知っている奴? あの大男?」
「知っています。アイツは紫杏お姉さん達を倒すために自分の命ごと使ってまで戦ったクロノストリガーの幹部の一人です。幹部クラスは会話が出来るほどの理性は残していたはずなんですが…」
「理性どころか知性も感じないが?」
「それどころか生きていることに僕は驚いています。紫杏お姉さんがちゃんと死んでいる事まで確認していたはずなのに。いや、あの時よりも若い?」
「若い? どういう事だ?」
「! ああいえ! 何でもないです! でも気を付けてください。奴の攻撃力はクロノストリガーの中でもトップの高さを誇ります一撃でも喰らったらアウトですよ」
「見たらわかるけど」
ある程度クロノストリガーの構成員が倒して出てきた幹部クラスの人物とその後ろに誰かがいるのを紫電は確認した。
幹部が自身の武器である大きな斧を引きずりながら徐々に近づいてくるが一定の距離で急に構え始める。
後ろにいる何者かが指示を出したようだ
「やれ!」
「ヤバい!? 避けてください!!」
蓮が叫ぶと同時、幹部が斧を振り下ろす。
すると斧は廊下を砕き、衝撃波が紫電達に迫る。
廊下が砕け、下の二階に落ち始めた紫電が衝撃波を相殺するために瓦礫を蹴って、衝撃波を白雪で受け止めるが…。
(重い!? こうなったら!)
「ハアァァl!!」
紫電は自分自身の意思で出せる全力で衝撃波を外に向かって逸らす。
逸らされた衝撃波は病院の内壁と外壁を打ち砕いて、外の景色が丸見えになった。
「紫電様!」
「紫電! 腕が!」
「クッソ…。なんて馬鹿力なんだよ…」
何とか衝撃波を弾けたが紫電の右腕からは血が出てしまっている。
逸らしきれなかった分が腕に集中してしまったからである。
だが、紫電は白雪を左腕に持つといまだに上層階、三階にいる幹部を見る。
「これ以上被害を出すわけにはいかない。クロノストリガーにも俺達にも、二人共、そして蓮君。まだやれる」
「「「当然!」」」
紫電達が再度戦う意思を決めている時だった。
周囲の瓦礫から急に何か、黒いような煙が吹きあがる。
「今度は何だ!?」
「何、この臭い…」
「この臭い、まさか…」
煙が周囲から立ち昇り、異様な臭いが漂い始める。
それは感じ取ってしまうと今度はなかなか忘れられないであろう程の不快な臭い。
紫電達は互いに背を預け合い、周囲を警戒する。
そして紫電の目線がとある大きな瓦礫へと向く。
その瓦礫の頂点尖った部分から、青黒い何かが飛び出して、幹部に向かって突撃していくのを紫電は見た。
それは輪郭のはっきりしない、今まで見たことの無いような形と動きをした何かであるとしか紫電には分からなかった。
ただその「何か」から、一本の赤く、ぬらぬらと濡れたような光沢をしたホースのようなものが角のように伸びていることだけは形として紫電の目にはハッキリと映った。
「何だ…今の…」
「不味い、見つかったか」
「蓮君、さっきのが何か知っているのか?」
「今はそんなこと言ってる場合ではありません! すぐにここから離れますよ!」
上では先ほど飛び出てきた何かとクロノストリガーが争っているような音が響いている。
すぐにその場を離れようとした蓮達だったがまた周囲から同じような現象が始まる。
「やっぱり、僕たちも逃がさないつもりだね」
「詳しいことしっかりと説明してもらうからな」
「ここを無事に乗り切れたら、必ず話すと約束します」
「よろしい」
「紫電は無茶しないでください」
紫電達が周囲を警戒しながらさっきの生物が出てくるのを待つのだった。
取り敢えず出てきた生物の正体をリアル知識で分かった方はsanチェックをお願いします。
何で出てきたかは今章タイトルの時点で察しがついてますよね?
次回謎の生物との戦闘になります。




