第74話「双鶴との戦い、再び」
今日は免許を取る為に最後のテストを受けに行ってきました。
そして今回の話は双鶴との再戦となります。
双鶴が海辺のモンスター達と共に紫電達を待ち構えていた。
その数の多さをを見て紫電は内心で舌打ちをする。
(モンスターの数が予想していた以上に多い…祭達の心配している状態じゃなかったか)
「紫電…どうしますか? 相手の数が多すぎてこっちの手が足りません…」
「俺が双鶴と戦うとなると秋乃とレイアの二人であのモンスターの数と戦うことになってしまう。双鶴相手じゃ援護には行けない。吉備津さん達は?」
「河野は残ってくれてますが…他はちょっと…例の場所の状態を見に行かせてますから」
「その例の場所が何かは聞かないけど…取り敢えず何とか双鶴と戦いながら援護できないか試してはみる」
「分かりました。気を付けてくださいね」
そう言って紫電は双鶴と対峙し、レイアと秋乃、吉備津はモンスターと対峙し、それぞれ戦闘を開始する。
「さぁ、またお前と戦うことが出来ることをうれしく思うぞ。紫電」
「こっちもだ、あの時はいい所で逃がしちゃったからな。今度は仕留める」
「おお、怖い怖い。だが、あの時と同じと思うなよ?」
「当然。じゃなきゃ面白くないだろ。こい斑鳩! 装着!」
紫電は斑鳩を呼び出し、斑鳩はすぐに防具へと変身し、紫電の体に装着される。
その様子を見届けた双鶴は手に持つヴァイオリンを左手に備え付け、右手にヴァイオリンの弓を持つと紫電に切りかかった。
紫電も白雪を抜き、双鶴の攻撃を受け流すと、お返しとばかりに双鶴の首を狙って一閃。
双鶴はバックステップで紫電の攻撃を躱すと、今度は突きを高速で何回も繰り出す。
双鶴の高速突きを紫電は刀の切っ先を当てることで器用に急所からそらして致命傷以外は受けることにした。
そして双鶴の最後の突きを大きく弾くと自身が持つ技で高速の技を繰り出す。
<風見断ち!>
「ッ!」
紫電の高速一刀三連撃、風見断ち、上と左右からほぼ同時に見えるほど高速で切りかかる技。
双鶴はその攻撃を弾かれて浮いたもう片足を前に向かって踏み出し、後ろに下がるのではなくむしろ紫電に接近する。
これに驚いたのは紫電の方だった。風見断ちは腕を伸ばして高速で刀を振るう為、接近されると刀が当たらず伸ばした腕が当たってしまうのだ。
双鶴はその弱点を即座に見ぬき、接近したのだ。
紫電の腕が双鶴の体を叩く。そして双鶴はその痛みに耐えながら紫電に体当たりして紫電を吹っ飛ばす。
「あうッ!」
「――痛ってぇ~!」
「…確かに少し前とは随分と戦い方が違う。やりにくいな…」
「そっちこそ、打ち合うたびに手が冷たくなってきてヤバかったけど…今回は使ってないのか?」
「あんたとは、純粋に自分の力だけで戦いたくてね。気を悪くしたのなら謝るが…?」
「そうなのか。いや気にしないでくれ。それならそれでいいんだ」
(斑鳩を使っている時点でもう既に自分だけの力で戦ってないことについては?)
(Shut up!)
(何で急に英語? しかも結構良い発音…)
「何ボーっとしてんだよ!」
「! ッチ!」
ネルが急に冷めるようなことを言って来たので強制的に黙らせたが、その隙を双鶴に攻撃され、避けきれずに脇腹をヴァイオリンの弓が抉る。
「――クゥッ!!」
「油断大敵! 敵を前に考え事なんてのは死と同義。回避できてよかったな」
「確かにな…でもそれはそっちにも言える事だ」
「何だと?」
双鶴が紫電の言葉を理解したのと同時、双鶴の肩から血が吹きだす。
「いっつ! いつの間に!?」
「油断したとはいえ、あの一瞬で切り返すのは苦労したけどな」
「成程、流石だな」
「悪いけど、これ以上時間かけるわけにはいかない。次の一撃で決めさせてもらう!」
「上等! やってみろや!」
紫電と双鶴が互いに武器を構えなおすと紫電は目を閉じて魔力をため始め、双鶴も同じく目を閉じ、意識を集中させる。
お互い、次に目を開けた時が勝負の決め時になるのだろう。
「「沈め!」」
<雪花一閃!>
<トライデント・カタストロフィー!>
紫電が氷属性を纏わせた白雪で踏み込み、双鶴も同じく、同時に突きを三本繰り出した。
二人の体が重なり合い、そして二人が互いに場所を入れ替わるように着地した。
静かな時間が流れ、先に膝をついたのは紫電の方だった。
が、倒れはしない。その時、双鶴が口を開いた。
「見事だ紫電。お前の…勝ちだ…」
そう言い残し、そのまま双鶴は地面に倒れ伏したのだった。
最後のテストの結果は普通に落ちました(泣き)。
次こそは受かって免許を手に入れて見せる!




