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女神様と現代モンスター討伐戦線  作者: 式・シロノス
第1章「街中パニック編」
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第6話「ハイスクールゲート攻略戦、そして魔神の気配」

今回は少しマシに戦闘描写を書けた気がします。

 体育館についた紫電の見たものは逃げる生徒たちとそれを追うモンスターの姿。


 こっちに逃げてきた男子生徒の一人に声をかけ何があったのか聞くと聞かれた男子生徒は

「分かんねーよ! なんか急に田村の奴がぶつぶつ言い始めて、よくわかんない動きをし始めたから心配して声をかけに行ったらなんか暴れ始めて、あの門みてーなのを呼び出してそこからあの変なのが出てき始めたんだ!」と教えてくれた。


 紫電は情報をくれた男子生徒に礼を言うと早く避難をするように伝える。


 男子生徒は「お前も早く避難しろよ!」と言い残すとすぐに体育館の出て、学校に向かって走っていく。


 紫電は中にいた人達が避難したのを確認すると完全に体育館に入り、武器を構えると近場のモンスターを倒す。


 そしてゲートの位置を確認する紫電。


 ゲートは体育館の奥にあり、その近くに男子生徒が如何(いか)にも狂ってますという感じで笑っているのを確認できた紫電。


「あの生徒、確か田村と言ったな。これまた随分とおかしくなってるもんだな」

「なーんかあの生徒から見覚えがあって凄く嫌な気配を感じる」

「見覚えがある? あの生徒が何でああなったのかわかるのか?ネル」

「この感じは暗黒の大地を治めている魔神の気配ね。どうも、本体じゃないみたいだけど本体が生み出した分身体があの生徒の黒い感情に()かれて()りついたのかもしれないわ」

「なるほど、その魔神?ってのが今回の出来事の主犯ってわけか。取り敢えずゲートを閉じてあの生徒も助けないとな」

「ええ、そうね。まず、魔神の分身体から助け出す方法としてあの生徒を完全に気絶させなければならないから周りのモンスターを相手にしながら倒さなければならないわ」

「うぐ、前回といい今回といい、めんどくさすぎる。今回は一人しかいないから、さらに頑張らないといけない。なら、一気に突き進むのみ! 覚悟ー!」


 すると紫電に気が付いた男子生徒田村は

「お前も、お前も僕の邪魔をするのかー! 許さない許さない。僕が一番なんだ。お前らは僕に黙って従っていればいいんだよ!」と完全に狂った目をしながらわめくと、さらに「あの人は僕を認めてくれた! 支配していい人種だって! 認めてくれたんだ! だから僕の邪魔をする奴はあの人のためにも排除しなくちゃいけない。いけ! モンスターども、あいつを排除しろ!」とモンスター達に乱暴に命令する。


 紫電は田村のそのわめく様子を見ながら、

「完全に頭が逝っちまってるな。あの人というのが魔神の分身体、もしくは魔神本人が遠隔で話したんだろうとわかるけど。憑りつかれるとあんな風になるのか」

「あの田村って男子生徒は支配欲が強かったかもしくは承認欲求、認められたい感情が増幅したみたいね。分身体が憑りつくとその人物と心の裏に隠している黒い感情を膨れあがらせその憑りついた人を支配するのが特徴よ。しかもあの感じを見るとゲートキーパーにされているみたいね。先に倒さないとゲートを閉じれない」


 それを聞いた紫電は納得した様子で「だからモンスターも従っているのか」と言いながらモンスターの攻撃を刀で受けて弾き、横に一閃し、真一文字にモンスターを切り倒す。


 着々と近づいてくる紫電に焦り始めた田村。


「何をしているんだ役立たずども! たった一人も止められないのか!」

 とさらにわめき始めたがすぐに動きを止めると何かに語り掛けられているようにしている。


 するとすぐに「分かりました、そうすればいいんですね。」とうなずくと、どこからどこからともかく真っ黒に染まったナイフを取り出した。


「役立たずどもに任せてはおけない。僕自身が邪魔するものを排除すればいいんだ。あの方の加護もくださった。もう僕を止められる者はいない! まずはおまえからだッ!」


 と田村は紫電に向かって突っ込んでくる。


 紫電にとってそれは好都合だった。

 モンスターが襲ってこなくなり、実質一対一を作り出せたのだから。


 突っ込んできた田村は紫電に向かってナイフ振るう。

 それを紫電は軽く受け流し、大怪我させるわけにはいかないのでそのまま返す形で軽く切り返す紫電。


「甘いッ! 甘いぞッ! フシャシャシャ!」

 それを田村は明らかにおかしい動きでそれを避け、カウンターを仕掛けてくる。


「ッッ!」

 避けられた上にカウンターを仕掛けてきた田村に驚いた紫電は大きく距離をとってカウンターを避ける。


「これは一筋縄(ひとすじなわ)ではいかなさそうだな。あと、笑い方が気持ちわるい!」

「動きがおかしくなってるわ。加護を受けたといっていたし、人とは言え加護を受ければ普通に強い。手加減している場合ではないわ……取り敢えず笑い方は気にしてはダメよ。今は戦いに集中して」

「了解。早めに決着をつけてしまおうか。ついでに新しく教えてもらった技のテストといこう。まずはこれから! 52型式クロスブレイド!」


 紫電が二本の指をかざすと指先から二本の剣が現れ,田村に向かって射出される。


 射出された剣は大きくなりながら田村に向かい、二方向から襲い掛かる。

 田村はそれに対してかがみながら片方を躱し、もう片方を弾く。


「さすがに弾かれるか。なら次は、これだ! ブレイブエンチャントからの金剛一閃!」


 続いて紫電は自身の刀に魔力を流し強化すると田村に向かって切りかかる。


 それに対し田村は受けるのではなく回避する。

 その回避を見越していた紫電は回避先にためていた魔法弾を放つ。

「ウグッ」と田村は魔法弾を食らう。


 魔法弾を受け、転がりながらも田村も負けじと魔法を放つ。

 それを強化した刀で弾く紫電。


 そして「これで、とどめだ! セイクリッドブレイバー!!」

 と最後の技を繰り出す。


 体勢を崩してしまっている田村に避けることはできなかった。


「くそ、くそ!こんな所で終わりたくない僕はまだ、まだ...」

 とそれが田村の気絶する前の最後のセリフだった。


 田村が気絶したことを確認すると紫電はゲートに向かう。


「これでゲートを閉じることができる。ネル、お願いな」

「分かったわ。ゲートを閉じればあの田村ってこの洗脳も解けるはずだから」

「気になったんだけど、その時の記憶は残るのか?」

「残らないと思うわ」

「そっか、なら良かった」


 そう言うと紫電は閉まっていくゲートを見ながら安堵する。


 閉じ終わったのを確認した紫電は警察が来る前に田村を背負って残ったモンスターの攻撃を躱しながら、体育館から退散するのだった。

次回は今回の騒動で学校がしばらく休みになった紫電が仲間と一緒に街中に散策に出かけます。

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