ハロウィン特別版「紫電と祭とルナVSジャックオーランタン」
皆さまハッピーハロウィン♪ トリックオアトリート!
…まぁ、お菓子は貰えるわけないんですけど。
今回は少し長いっす。戦闘? 私がうまく描写を書けると思いますか?
十月末 紫電と祭は現在血姫城に向かって歩いていた。
「ルナの奴に呼ばれたけど、急に何の用なんだろうな?」
「さあ? 今日はハロウィンだから早く終わる用事だといいんだけど」
「お、そういえばそうだったな。だからそんな格好しているんか? いつもの服装じゃなくて礼服によく似ているから珍しいなって思ってたんだが」
「紫音がな、外に出るのならこれを着て!って言ってきたから。もう高校生だからあまり仮装する必要があるのか分からないけど。一応吸血鬼らしいぞ?」
そう言うと紫電は背中のマントで前を隠し、吸血鬼らしく不敵に笑ってみた。
「吸血鬼って…これから本物に会いに行くのに」
「それな。なんて言われるのかな?」
「気にされないと思うぞ」
「それはそれでなんか悲しい」
そんなふざけた会話をしながら、ルナマリアの居城である血姫城にたどり着いた紫電と祭だが、いつもの様子とは違い何やら殺気立っているような気配が漂っている。
何事かと思い、入り口の扉に手をかけて開けた。
途端、目の前から光り輝く何かが大量に紫電と祭に向かって飛んできた。
「「うおぉぉぉ!?!?」」
二人は持ち前の反射神経を使って創成武装を取り出すとそれらすべてを叩き落とす。
「あ、あっぶね。危うく串刺しになるところだった」
「これは…針? 大量の針が入り口を開けたと同時にこんなに飛んできたのか」
二人が飛んできた針に困惑している所にコルツがやってくる。
「なんだ、盗人かと思ったら…二人とも来てくれたのか」
「コルツさん。これまた、ずいぶんな歓迎ですね?」
「済まない。今はこうやって侵入者用の罠を起動しておかないといけない状態なんだ」
「どういう事だ?」
「詳しくは姫様に…こっちだ」
コルツに連れられ、紫電と祭はルナマリアの部屋にやってくる。
「姫様、紫電と祭を連れてまいりました」
「入れ」
「失礼いたします」
コルツに続き、二人も部屋に入った。
「よく来てくれた」
「久し振り、ルナ。急用だって聞いたけど…何があったんだ」
「うむ、それはな。今日は、はろうぃんとやらなのだろう? 寝ているときにここに住み着いた人間たちに聞いた」
「ああ、あの人たちにか。結局ここに住まわせることにしたんだな」
「そうだ、っとそんなことは今はどうでもよい。その人間たちに子供がいてな、はろうぃんは子供にお菓子を配る催しと聞いた故にお菓子を用意しておったんだがな。それが何者かに盗まれてしまったのだ」
「盗まれた? ルナ達がいたのに?」
「うむ、何故だかわからぬが、私達でもその不埒物の気配を捉えることが出来なかったのだ」
「それで? 俺たちに何をしてほしいんだ?」
「お前達には私と一緒にお菓子を取り戻してほしくてな」
「取り戻してほしいったって…相手の居場所は分かるのか?」
「ああ、もう突き止めておる。これから殴り込みにかけるのでそれを手伝ってほしい」
「分かった」
「感謝する。時間が無い、早速向かうとしよう」
二人はルナに連れられ、城の外からだいぶ歩いた所にある洞窟にやってきた。
「ここだ」
「こんなところに洞窟があるなんてな」
「ここに犯人がいるのならさっさと捕まえてお菓子を取り返さないとな」
紫電達はそのまま、洞窟に入っていく。
洞窟はそこまで深くはないらしくすぐに大きな空間がある場所に出た。
そこの奥にはたくさん積まれたお菓子があった。
「案外すぐにお菓子を見つけることが出来たな」
「問題は盗んだ犯人がどこにいるのか、だ」
「気を付けて進むぞ」
ルナの言葉通りに二人は創成武器とルナは槍を取り出すと周囲に気を配りながらお菓子に向かって進んでいく。
ちょうど真ん中辺りについたとき、三人の後ろから急に気配が現れた。
それに気づいた三人は一斉に後ろを向き、武器を振るう。
しかし、そこにあったのは光り輝く球で、三人の攻撃を受け、その球が爆発する。
至近距離でそれを受けた三人はそこそこなダメージを追ってしまった。
「爆発物なんて姑息な真似してくれるじゃん」
「でも何で級に真後ろに気配が出たんだ。直前まで何もいなかったはず…」
「ふょほほほほ♪」
「な、何処だ、何処から聞こえてくる」
「祭! あそこだ!」
紫電が指さす方、その方角にはカボチャをかぶり、マントを羽織り、宙に浮かんでいる…ハロウィンの定番ジャックオーランタンがそこにいた。
「あれは、ジャックオーランタン!? 実在していたのか!」
「ジャック…なんだって?」
「ジャックオーランタンは生前に堕落した人生を送ったまま死んだ者の魂が死後の世界への立ち入りを拒否されて、ランタンを片手に持って彷徨っている姿だとされている」(携帯片手に持ちながら)
「それがなぜ、はろうぃんと関係があるのだ?」
「説明するのがめんどくさいからそれは自分で調べて」
「おい」
「それより犯人があれだって分かったんだ。やるぞ! お菓子を取り戻す!」
「むう、まあいい」
武器を改めて構え直すと同時にジャックオーランタンは動いた。
「ふょほほほほ♪」
「これは周りに骨の軍団が!」
「どういう事だ! ジャックオーランタンにこんなことはできないはずだぞ!」
「無駄口叩いている場合じゃないぞ。どうするのだ」
「決まってんだろ。一点突破だ!」
紫電は白雪と水神切り兼光を構えて言うと骨軍団に向かって突っ込んでいく。
「相変わらずの脳筋。だが、それに賛成する!」
「あ、ちょっと!…しょうがない奴らだ。援護はしてやる! 存分に暴れるがいい!」
ルナは槍を地面に突き刺し、周りから茨を出現させ、紫電と祭の援護を開始する。
ルナの援護と紫電達の実力があってか、骨は次々に数を減らしていくがそれを黙ってみているわけではない。
ジャックオーランタンはどんどんと骨が倒されている中、ランタンに自身が持てる力のほとんど注いでいた。
骨のほとんどが倒されたと同時、ジャックオーランタンの攻撃が紫電達に向かって放たれた。
紫電達はその攻撃に対してそれぞれが持てる防御の技をもって防ぎきる。
「ふょほほほほ!?」
「驚いているようだな」
「この程度の攻撃、幾度となく乗り越えてきた!」
「ふょほほほほ!」
「逃がすか! 『フォレストスピアー!』」
「ふょほー!?」
「ナイス足止め! 『オメガコンビネーション!』」
「とどめは任せよ! 『ブラッドライトニング!』」
「ふょ…ほ…」
最後のルナの攻撃を受け、そのままジャックオーランタンは消えていった。
その後はお菓子を回収しに来たコルツたちと共に城に戻ってきた紫電達。
周囲はすでに暗くなりかけており、移動にかなり時間がかかってしまったようだ。
「今回は助かったぞ紫電、祭」
「気にするな。というか、今回俺ら必要なかった気がする」
「まぁ、いいじゃないか。困ったらいつでも言うといい」
「うむ、感謝する」
そのまま、ルナ達と別れて家に帰って、ハロウィンを楽しむ紫電と祭だった。
「結局、この格好について何も言われなかった…」
案の定戦闘より会話の方が長いという。
戦闘場面なんて全体の半分もいってない事実。
はい、ごめんなさい反省してます。
これからも頑張って戦闘描写を勉強していきますので、どうか、どうか許してください。




