第64話「模擬戦 紫電対祭 中盤戦」
ちょっと今日は学校が忙しくて全然手が付かなかってけど何とか投稿。
ワンダーランドウォーズの戦績発表は時間が無いから省きます。
祭から放たれた何発かの魔砲を紫電は白雪と水神切り兼光で何とか弾き、祭に接近する。
祭も槍形態に変えた焔華扇を構え、迎え撃つ。
「セイやぁあ!」
紫電が気合のこもった声で祭に仕掛け、祭も槍を紫電に向かって突きを放つ。
ガキンと互いの武器がぶつかり合う。
祭の突きを紫電は斜め十字の形で受け止めている。
その状態で祭は次の攻撃を仕掛けた。
焔華扇の先端部分に軽く魔力をため、魔力弾をゼロ距離で放った。
その為、紫電の刀…すなわち両手が左右に大きく弾かれ、胴体から顔まで完全にがら空きになってしまった。
だけど、祭もゼロ距離で撃った為、仰け反ってしまうが槍の下の部分を支えにして踏み止まり、そして支えにして紫電の腹に飛び蹴りをくらわせる。
「グっ!? くっそ!」
吹っ飛ばされた紫電はすぐに体勢を立て直し、今度は斬撃を放ちながら刀の二つとも別の属性でエンチャントし、再度突っ込む。
祭は斬撃と共に再度突っ込んできた紫電を得意の守りの体制で迎え撃つ。
祭は先に飛んできた斬撃をはたき落とした後、紫電の刀を受け止める…が、祭が受け止めた紫電の刀…水神切り兼光には雷属性のエンチャントがされていた。
「ッ!?」
それを受け止めた祭の焔華扇に雷が流れ、祭の手に静電気が流れた。
一瞬とはいえ焔華扇から手を離し、隙となった。
その隙は腹の部分がガラ空きになった所で、その隙を紫電は刀を下から斜めに切りつける。
「くぅう!?」
だが、祭も意地で回避するが少し間に合わなかった。
腹の部分を少しかすってしまう。
「ッ!? これは凍って…る!?」
紫電に切られた祭の腹、その部分が凍り付いている。
その部分から鋭い痛みがじくじくと伝わってくる。
紫電のもう一つの刀、白雪には紫電の最も得意とする氷属性が付与されていた。
「どう? 祭。俺の最も得意な属性の攻撃は? かすってもかなり痛いはずだ」
「――確かにマジで痛いんだが…」
「祭だってクレアから教えてもらっているだろ? 得意な属性の威力は上がるって」
「だからって…かすってこの威力って流石におかしくないか?」
「そう?」
「私も…ちょっと一人で鍛錬…して得意属性を…使ったことがあるけど…ここまでの威力は…出なかったぞ」
「まぁ、今はそんなことはいい。時間を稼がなくてもちゃんと回復まで待つよ?」
「はは、ばれたか、だけどもう大丈夫だ。動けるまで回復出来ればそれでいい…からな!!」
祭は突然地面に向かって魔力弾を撃ち、周りに砂煙を立ち込める。
紫電は突然のことに驚いたが即座に祭のいた場所に向かって切りかかったが、既にそこには祭の姿はなかった。
紫電は砂煙の中祭の気配を探す。
そして、わずかに祭の気配を感じ、その場所に切りかかった。
ガキンと白雪に何か固いものが当たった音がする。
一瞬焔華扇で防がれたのかと思ったが、違った。
紫電の目の前に見えたのは…盾のようなものだった。
「何!?」
紫電は嫌な予感を感じ、その場から離れようとしたが、その前に盾のようなものが真ん中から半分に割れ、その隙間から先程までつけていなかった装備を身に着け、魔砲をチャージしている祭の姿が見えた。
「!?!?」
驚き、即座に避けきれないと判断し、防御姿勢に入った紫電。
そこに祭のチャージした魔砲が放たれ、紫電を覆い隠す。
魔砲と砂煙が晴れ、紫電が姿を現す…かなりボロボロの姿で、膝をつき白雪を地面に刺して、自分の体を支える。
「祭~。お前、時間を稼いだのはそういう事か」
「その通り、私が時間を稼いだのは回復することもあったが…もう一つ、それがこれ」
そう言って祭は自分が装備している防具を見せる。
「装召獣…やられたよ、祭」
「ここからは装召獣を交えた勝負といこうか」
「上等! こい、斑鳩! 装着!」
呼び出された斑鳩は紫電の声に従い、即座に防具へと姿を変え、紫電の体に装備される。
「さぁ、最終ラウンド開始だ!」
次回は紫電と祭の模擬戦最後になります。




