第58話「VS 謎の組織 アルターエゴ構成員 双鶴」
恒例行事ワンダーランドウォーズの戦績発表でございますん。
今回は一人モード(協力もできる)のストーリーをやってたためいつも以上に金の消費が…
それは置いといて勝率は33戦16勝、17敗でござ~んす!
最近勝率が悪いな…自分が下手くそなのが原因なのだけど…ね。
「私か? 私の名は双鶴。とある組織…アルターエゴの一員だ」
そう名乗ったヴァイオリンを弾いている青年、双鶴。
「組織、アルターエゴ? 確か、祭が前に言っていた武装組織ミストルと何か関係があるのか?」
そう呟いた紫電の言葉に耳がいいのか聞こえていたらしい双鶴が反応する。
「へぇ、あの、くそったれな組織を知っているのか」
「ふ~ん、その言い方だと関係があるみたいだな」
「あの組織と私達の組織は敵対関係にある。あぁ、なるほど前に奴らの組織が何者かに邪魔をされたという話。あれはお前達か?」
「…まぁ、そうだな。敵対関係にあったんだろ? 文句ある?」
「いや、無い。むしろ感謝しているのさ、そのおかげでこちらが後手に回らなくて済んだのだからな…まぁ、それも私達の邪魔をしなければこの場の感謝だけで終わらせるつもりだったんだが…」
「勿論邪魔をするぞ? どうしてモンスターを操れるのか喋ってもらう為にな!」
「そうか…私は弱くはないぞ?」
「それは戦ってみればわかる…行くぞ!」
「来ると良い…だが、最初はモンスターどもの相手をしてもらうぞ。行け、モンスターども!」
双鶴は弾いていたヴァイオリンの音を変え、別の曲を弾き始める。
すると双鶴の周りにいたゲートキーパーを除くモンスター達が動き出した。
モンスター達はすぐに紫電達のもとにたどり着くと周りを囲み、襲い掛かってくる。
芽衣は手に持つ覚悟の槌を力任せに振るい続け、紫電は琥珀と背を合わせ、襲い掛かってくるモンスターを切って、魔法で燃やして、雷で丸焦げにしたりして数を減らしていく。
琥珀は紫電の戦い方を見て疑問に思うことがある…それは紫電は得意な属性で戦っていない気がするのだ。
なぜそう思うのか…理由は単純、得意な属性では人にやってはその威力がそのものが大幅に変わるのだ。苦手な属性ではこの逆もある。
「紫電」
「どうしたの?っと邪魔するな。おじいちゃん?」
「うむ、少し気になってな。どうして火属性を多用している? 得意な属性ではないだろ?」
紫電は周りのモンスターを相手に戦いながら琥珀の疑問に答える。
「ああ、その事か…他意はないよ? ただ火属性が一番使い勝手がいいってネルから聞いたし、召装獣が火属性だからかな?」
「召装獣は防具になっている間はその属性に耐性が付くだけでどの属性使っても問題はないぞ?」
「そうなんだ、でもずっと火属性を使ってたから…」
「使ってみるといい。自分の得意な属性…分かっているのだろう? 得意な属性ならおじいちゃんのようにかなりの高威力になるぞ?」
「おじいちゃん…ん、分かった使ってみる」
「紫電、分かってると思うけど紫電の得意属性は氷属性だからね」
「分かってるよネル。どのくらいの威力になるかは分からないけど全力で…刀に纏わせて…一刀両断!!」
「!?!?」
紫電は白雪に氷の魔力を纏わせ、全力で刀を横なぎに振るう。
その行動に双鶴の本能が危険と判断し、無意識にその場から即座に離脱した。
双鶴のその判断は正しかった。何故なら紫電が横なぎに振るった結果、紫電の先にいたモンスター達は全て真っ二つにされているか、凍り付いて物言わぬ氷像と化していたからだ。
「なん…だと。何が…起きた?」
「「紫電…」」
「……何? おじいちゃん、ネル」
「「二度と全力を出すな」」
「………はい」
「いや、言い方を変えるわ…モンスターになら良いけど、これを人に向けて放ってはダメ」
「そうですな…これを人に向かって放たれた瞬間。耐性のない人は一瞬で死にますね、ネル様。耐性を持っていたモンスターでさえ、あの通り凍っています」
「今は放っておくことにするわ…それよりも残るはあの双鶴という人物だけね」
「そういえば奴はどこに?」
「琥珀さん! 紫電! 上です!」
「上? なんだと!? 空に立っているだと」
先ほどの出来事からポカンとしていた芽衣が正気に戻り、双鶴の位置を教える。
琥珀は教えてもらった位置を確認し、驚く、何故なら立っているのだ。空に双鶴がかなり焦った顔で。
「足元をよく見て、何かを足場にしているわ」
「あれは楽譜? いや、あれはそれに書かれている音譜の線?」
紫電達が双鶴を見ていると向こうからかなりの大声で話しかけてきた。
「お前、確か紫電とか言ったか! 何をした!!」
「何をしたも何も全力で攻撃しただけ! 誰がこうなるなんて予測できる!」
「くっまさかこの機能まで使わなきゃ行けなくなるなんて……この空を歩ける機能は不安定な部分があるというのに……悪いがここからはこちらから一方的に攻撃させてもらうぞ」
そう言うと双鶴はそこからヴァイオリンを弾く。
すると双鶴の周りに音符が出現。それが紫電達に襲い掛かる。
それを避けるため、その場から散らばる紫電達。音符を避けながら琥珀は紫電に言う。
「紫電! 今のお前は空を飛べるだろ! 行ってこい!」
「分かった!」
紫電は斑鳩の翼を広げて空にいる双鶴に急速に接近、即座に白雪を振るう。
「なっ!? くそ!」
双鶴は驚きながらもその場から離れ、白雪を回避し、空中でヴァイオリンを弾き、新しい足場を作り出す。
「何故…何故お前は飛べる!?」
「後ろにある翼見りゃ分かるでしょうが!」
「普通は飾りだと思うだろ!?」
もっともな意見である。
「そんなことはどうでもいいだろう。さっさと構えろ! 行くぞ!」
「くっ…仕方ない。かかってこい!!」
紫電と双鶴互いの武器である、刀とヴァイオリンの弓がぶつかり合う。
何回か打ち合い、その後は互いの位置を交換する形になり、再び向かい合う。が、明らかに双鶴の様子がおかしかった。
よく見ると双鶴の弓を持つ手は赤くなっており力がこもっていない。
理由は簡単、紫電の纏わせた氷の魔力が白雪からなくなっていないため、ぶつかり合った時に凍傷とまでいかなかったがしもやけに近い形にまで持っていかれたのだ。
「どう? 真っ正面から来たらお前の手を使えなくしてやるよ」
「……けど、頑張んなきゃいけないんだよ。組織のためにも…ボスのためにも! せめて一撃は入れさせてもらうぞ!!」
「良い覚悟…ボスが何者かは知らないけど、ここまで慕われているなんて良いボスなんだな。けど、こっちだって負けるわけにはいかないんだよ!!」
再び空でぶつかり合う二人。
双鶴は紫電の白雪を左手につけたヴァイオリンその弦で受け止め、反撃とばかりに右手の弓で切りかかる。
紫電はその攻撃をぎりぎり俗に言うマトリックス回避で避ける。
その時にかすった髪の毛が空を舞い、凍り付く。
避けた態勢で紫電は双鶴の腹を蹴り、吹っ飛ばすと追撃に氷の斬撃を飛ばすと自身も突っ込む。
双鶴は飛んできた斬撃を逸らすことはできたがその隙を紫電は攻撃する。
防御は間に合わない入ると思った攻撃は突然飛んできた銃弾により入らなかった。
しかも銃弾を防いでできた隙を双鶴に突かれることになり、紫電は空中を回転することになって距離を離されてしまった。
「あわわわとっと…危ない、どこからあの銃弾は飛んできた?」
「ふぅ、助かったぞオーラ! 悪いなこれ以上はこっちが不利だからな撤退さしてもらうぞ」
「逃がすと思うのか! ッ! くっ! 銃弾がッ! まて!!」
「待てと言われて待つ奴がいるか。さよならだ、また会おう!」
そう言うと双鶴は周りに煙幕を張った。そして晴れたころにはその姿はどこにもなかった。
「くそ、逃がしたか」
そう声を漏らして紫電は琥珀と芽衣がいる場所に戻っていくのだった。
次回は何も決まってません!!
テストがなくなった代わりに大量の課題が出たのでお盆休みの日はそれで全部潰れるかな…




