第54話「戦力強化 創成武装」
恒例行事、ワンダーランドウォーズの戦績発表回です。
今回は舞闘会と分けて書きます。
全国対戦の成績は24戦17勝7敗で、舞闘会は31戦17勝14敗。
ランキング順位は1584位、ビショップクラスで終了。
1499位からルークだから割と惜しいところまで来てた。
「紫音、同じ仲間ができたのがうれしいのは分かるけど落ち着いて、芽衣さんが困ってるよ」
興奮して芽衣に詰め寄り一方的にしゃべり続ける紫音を紫電はなだめる。
紫電になだめられ、落ち着いた紫音は芽衣に謝った。
芽衣は気にしないでいいと紫音に言い、良かったら中を見ていく?、と紫音に提案する。
「良いんですか! 芽衣さん!」
「うん、うちはこれから紫電君とやらなきゃいけないことがあるから、案内は他の人になっちゃうけど…」
「そうですか…でも気になってたんです。鍛冶屋の中がどんな感じなのかなって」
「そうなんだね。じゃあ、ゆっくり見ていくといいよ。誰かッ! 暇な者はいるか!」
芽衣が奥に声を張り上げ、人を呼ぶ。
する奥から若い女性が一人出てきた。
「呼んだ? 芽衣さん」
「あ、美瑠さん。この子、紫音君を工房の中を案内してほしいんです」
「分かったわ。紫音君…だね。中を案内するね」
「はい、お願いします」
「行ってらっしゃい。気を付けてな、紫音。あまり迷惑かけちゃだめだぞ」
「分かってるよ。じゃあ、行ってくるね」
美瑠と呼ばれた女性の後に続き、紫音が奥の方に入っていく。
その様子を見送った芽衣が紫電に向き直り、自分に付いてくるように紫電に動作で示し、別の部屋に入った後、真剣な表情で声をかけてくる。
「さて、琥珀さんから事前に聞いた話によると創成武装の強化がしたいんだよね?」
「そうです。おじいちゃんから聞いていた通りほんとに創成武装強化できるんですね」
「年は近いから敬語じゃなくていいよ。…紫電君、うちに君の創成武装を見せてくれるかな」
「……分かったよ敬語はやめる。で、えっと創成武装を出せばいいだね。じゃあ、来い、白雪!」
紫電の呼びかけに応じ、真っ白の刀が紫電の手に現れる。
「へぇ~。これが紫電君の武器。とても綺麗な白色だね」
「ありがとう、褒めてもらえるとなんか、嬉しいな」
「うん、これなら強化しがいがあるかも。でも、お祖父ちゃんに予行練習だって言われてお祖父ちゃんの創成武装の強化しかしてないから、うまく出来るかな」
「芽衣さんなら大丈夫、信じるよ」
「う~ん、プレッシャーが……」
芽衣が紫電から白雪を受け取り、自身の鍛冶工房に向かう。
紫電もその後に続き、二人は廊下を歩きながら、芽衣の創成武具とは何なのか、どんな物なのかを話し始める。
「疑問に思ってることがあるんだけど芽衣さんも持ってるの? 創成武具」
「持ってるよ。うちのは何て言うか…鍛冶専門っていう感じかな。これだよ」
そう言って芽衣が手をかざし、創成武具を呼び出す。
その手に握られていたのは小さいハンマー、いわゆる鍛冶ハンマーである。
「これが、芽衣さんの武器って言うか道具。戦いには向かない感じ」
「そうなんだよね。でも、お祖父ちゃんの武器をお祖父ちゃん以上に強化できたことがあるから、武器の強化に関しては非常に優秀だよ。戦えなくはないんだけどね」
「そうなんだ。これは期待できるね。強化、よろしくお願いします」
「任せて、一生懸命に頑張るね。っと着いたよここがうちの鍛冶工房」
「それじゃあ、後はお任せするよ。後ろで見てるから」
「視線が気になりそう。けど、まぁ、いいか。できたらすぐに試してほしいからね」
そうしてしばらく、白雪の強化、鍛冶に集中する芽衣、その姿を見守る紫電。
部屋には鉄を打つ音しか響いておらず、両者に声を出すことは無い。
しかし、、その静かさを破るように外から爆発音が響きわたる。
「「!?」」
爆発がしてすぐに、部屋に入ってくるのは美瑠と紫音。
慌てている二人に芽衣が、どうしたのかと焦って聞く。
「それが、町中に化け物が現れて暴れているの!」
「なんだって!」
「早く避難しないとやばいよ!」
「紫音はおじいちゃんにこのことを早く伝えに行って!」
「美瑠! 他の人の避難を急いで! 」
「「了解!」」
二人が部屋を出た後、芽衣が白雪を紫電に向かって渡すと自分自身も鍛冶ハンマーを持ち、外に向かって走っていく。
「ごめん、まだ途中だけど、ある程度は強化できたよ。本格的な強化はモンスターを倒したたと!」
「了解。なら、さっさと終わらせよう!」
そんな声掛けをしながらモンスターが現れた場所に走っていく二人だった。
次回、平和な田舎町にモンスターが現れる。
こうでもしないと暇だからね。しょうがないね。
それはともかく芽衣の戦闘での実力はいかに!




