第45話「ドリームオーブゲート攻略戦 in四女神」
ついに女神たちが出陣!
いったいどうなるゲート戦!
「私たち女神の…ど派手なパーティーを!」
そうネルが言った瞬間、紫電達の体を光が包み始める。
「えっ!? 何これ!?」
と紫電達は驚いていたが、やがて完全に光に包まれる。
そしてすぐに光は晴れる。が、そこに立っていたのは紫電達ではなかった。
立っていたのは紫、黒、紅、青、それぞれの髪の色で髪の毛の色に合わせるかのように統一された色の服を着ている女性たちがそこに立っていた。
そう、女神たちである。
「ええぇっ! 何この状態!? どうなってんの!?」
「落ち着いて、紫電。今説明してあげるから…」
何が起きたのかを理解できず、それを代表するかのように声を出した紫電にネルが説明を始める。
「私たち女神がただ紫電達に加護を渡して、後はすべてをお任せ、なんてことになってたら女神としてかなり情けないわ」
「どうゆう事?」
「簡単に言ってしまうと私たちは紫電達に加護を与えながら自分たちも戦えるように魔力をためていたという事」
「それで体が入れ替わった理由は何?」
「それは女神の不思議パワーで紫電達の体の上に、魔力で作った偽物とはいえ自分たちの体を投影したの。そしてその投影した体に意識を宿したのよ」
「ん? あれ、でもそれだと説明になってないような?」
「ここの作者に詳しい説明を求めちゃダメ。どうせ思い付きで描いているから」
「あっはい。メタくなったのでこれ以上は聞きません」
「まぁ、それは置いといて今回は私たちが戦うわ」
「そうか、ネル。頑張れ」
「当然よ。女神の力、見せてあげるわ。皆も準備できてる?」
「「「出来てるよ(ますわ)(ぜ)」」」
「さてと、久しぶりに体を動かすとしますかね」
そうして女神たちはポカンとしている秋乃と雪菜を下がらせると今なおモンスターを呼び出しているゲートの攻略に挑む。
既に呼び出されたモンスターたちが向かってくる女神たちの姿を見つけ、襲い掛かってくるがミニアが大剣を振るいダメージを与えながら一ヶ所にまとめて、フェノが大斧でまとめて吹っ飛ばした。
続くクレアが残った敵を槍で相手に高速で突きを繰り出し続け、足止めをし、ネルが二振りの刀で片っ端から切り倒していく。
そうして流れるような連携で敵を倒したネルたち四女神はすぐさまゲート近くでゲートキーパとなった宝玉の近くにたどり着く。
すると宝玉から黒く鈍い光で輝いたと思うとそこには黒く揺らめく気配を出しながら宙に浮かぶ一人の女の子が立っていて口を開いた。
「渡さない…宝玉は渡さない…約束したんだ…あの人たちのためにも…私がこの宝玉を守るんだって…約束したんだ!」
「貴方がどんな約束をしたのかは知らない…けれど、貴女がその力に頼るのは間違っているわ!」
「うるさい! うるさい! 私には力が必要なの! 守護騎士に頼らなくても自分でこの宝玉を守れる力が! 何も知らない奴らがいい加減なことを言わないで!」
「確かにあなたの事は何も知らない…けどね、自分で守りたいと願ったのなら他人から受け取った力ではなく自分の力で守りなさい!」
「黙れぇー!!」
宝玉から出現した女の子はネルとの会話を中断、怒りに任せて闇の魔力弾を何回も女神たちに打ち込む。が、女神たちは己の武器で弾き、少しずつ距離を縮めていく。
魔力弾では効果が無いと分かったのか、今度は詠唱し始める、本格的な魔法を使うようだ。
「我がうちに眠る闇よ…今こそ湧き出し…我が敵を殲滅しろ!」
「ダークネスブレイカー!」
闇の魔力のこもった砲撃。
これに対して女神たちは真っ向から向けとめる。
魔力障壁を展開し砲撃を防ぐ。
砲撃は障壁によって阻まれ女神たちに届くことなく霧散する。
その光景に驚いた宝玉の女の子は「どうして…」と声を漏らす。
それに答えたのはネルだった。
「貴女に闇の力は合わない…相性が悪いから力が出せずにある…そのくらいじゃ、いくら打ち込んでも私達には届かないわ」
そうしてどんどんと距離を詰める。
焦った女の子は近くにいるモンスター達に近付けさせないように命令するが、襲い掛かったモンスターたちは女神達の足止めにすらならなかった。
そうこうしているうちにネルは女の子の前にたどり着くと手を伸ばす。
ひっ!と声を出して怯えた女の子だったがすぐに自分が柔らかく暖かいものに包まれた。
ネルが抱きしめたのだ、女の子を。
そうしてネルは優しい声で語りかける。
「貴女の守りたいという心…とてもよく伝わったわ。けれど、その力に頼ってはダメ。その力は自分を壊してしまう…そうなってしまっては貴女の約束を守れなくなってしまうわ」
「でも…でも…こうするしか…」
「大丈夫…私たちは何もしないわ。だから安心して…」
「本当? 信じて…いいの?」
「ええ、貴女のした約束を教えて…」
「約束…この宝玉を悪用させないように…あの人が信用できるような人に託せるように守り通すこと…」
「その人は、今何処に?」
「もういないと思う…だいぶ昔の事だから…人間だったあの人はもう…」
「なら…」
「けどね、もう一つあるんだ…」
「それは?」
「私が信用した人に渡してもいいってこと…うん、決めた。お姉さんたちと中にいるお兄さんたちに宝玉を託します」
「…いいの?」
「うん! お姉さんたちとお兄さんたちが手伝いたいから、普段持てるように四つに分裂して腕輪になって手伝う!」
「ありがとう…ねぇ、貴女の名前を教えて…」
「私は…私はジュエル。あの人がくれた…私の名前」
「ジュエル…いい名前。これからよろしくね」
「うん!」
といい雰囲気を出しているとき、それをぶち壊す真っ黒い声が響きわたる。
「おのれ女神ども! よくも邪魔をしてくれたな…」
「っ! 魔神!」
「だが、まぁいいだろう。それに対した期待はしておらんかったからな…」
「あら、負け惜しみかしら?」
「ふん…言っておれ。だが、覚えておけ、こちらの世界も元の世界も支配するのはこの我だ!!」
そう言ったが最後、魔神の気配は消えていった。
消えていった気配から意識を忘れていたゲートに戻したネルは他の三女神にゲートを閉じましょうと伝え、ゲートを閉じたのだった。
なんか自分でもよくわからない展開になってきたぞ。
が、まぁ、何とか第3章は終われそうです。長かったな…
次の回は攻略戦後の様子を書いていきます。




